D14 「ふるさと創生職員事業」をめぐる攻防!  200703

 6/29(月)に2度目の予算決算常任委員会があり、去る6/15(月)に審議を行った市の令和2年度5号補正予算(総額4億1000万円)について、委員会としての最終判断が下されました。

 6/15の審議の内容はD10の報告(6/22)で紹介していますが、その中で一番時間を取った質疑として紹介した「ふるさと創生職員制度推進事業」が一番の争点となりました。特に何もなければ意見交換→討論→採決という流れで午前中の早めの時間に終わるかなというところでしたが、そうはならず、結局終了は午後3時前ということでした。

 「ふるさと創生職員制度推進事業」は中山市長が掲げる柱の一つ「U・Iターン推進」に関わるもので、市の3年間の短期任用職員として市外から人材を広く採用し、週に2日から4日というとてもフリーな働き方(それぞれの得意分野を担当)をしてもらって、3年後には市内に定住していただこうという事業です。毎年20名を採用し3年後に60人で定常化する(制度が完成し60人体制が続く)ということで、今年度は取り敢えず11月からの5ヶ月の20人で約3400万円(月給は21万程度)の予算ですが、3年後以降は60人で毎年この事業だけで2億4000万円の人件費(6年間では約7億円)という大きな事業となります。採用には試験があり、定住への熱意や能力をしっかりと見極めるということですが、議員とのやり取りの中で60%定住すれば成功だというような話もありました。

 確たる保障のない中でこれだけの額を突っ込む価値のある事業なのか、現在の市の職員との仕事上の齟齬が出てこないか、今頑張ってもらっている地域支援協力隊の方々との整合性やモチベーションに影響しないか、どんな基準で選ぶのか、20人必ず採用するのか、など多くの疑問や質問が出され、小生も数回発言しました。

 以上のような報告をD10でしましたが、この議論がそのままぶつかり合う委員会となりました。特に費用が多額であり、それを単費(市の一般会計だけから支出、国や府の補助があるものではない)で支出することはいかがなものか? という批判を中心に様々な議論が展開されました。意見交換では、この案件をメインに18人のうち17人が発言するという活溌さでした。

 約2時間の意見交換後、何度か休憩を繰り返し(会派代表者会議を重ねて議案の扱いを調整)、午後2時からようやく委員会再開。

 まず共産党よりこの事業を外した補正5号の修正案(この事業は多額の費用がかかり、職員との話も不十分だ、職員を増やすなら正規のものを増やすのが筋である)が提出され、この修正案を含めて討論を行って採決。討論では新政会(会派7人)が原案賛成(修正案反対)、共産党(会派3人)が当然のことながら修正案賛成(原案反対)の論陣が張られ、小生も修正案に賛成の思いを述べました(会派としてでなくて個人で)。

 採決は修正案が賛成4(共産党3と永井)で否決され、原案を賛成14(新政会、丹政会、松本議員、浜岡議員)で可決という結論となりました。

 引き続いて丹政会(5人)より可決されたばかりの「ふるさと創生職員制度推進事業」について付帯決議が提出されました。「事業の趣旨は理解するが財政状況の厳しい中、この事業の実施に当たっては20人ではなく5人からスタートさせ、その後も財政の状況に応じて検討せよ」、というような内容のものとなっています。

 この決議について意見交換は特に発言者なし。討論では共産党より反対表明(この事業はやめるのが筋)があった後採決。賛成多数(賛成14、新政会、丹政会、松本議員、永井)で採択されました。小生は、原案が通った現実の中でこの事業への支出を大幅に減らすという付帯決議に価値があると判断して賛成したものです。

 小生の修正案賛成(原案反対)の意見、討論は以下のようなものです。

 補正5号は、全体として基金を1849万円取り崩し、一方で市の借金である市債を1億8450万円増やすという苦しい財政構造の中でのもの。市の税収がコロナ禍で大幅ダウンになるということも明白な状況を知りながら、「ふるさと創生職員制度推進事業」は計画通りなら3年で4億6000万円、5年で7億円という多額の単費事業である。事業の成果に確たるものはなく、様々な負担の増加する市の職員さんとのコンセンサスも不十分であり、市職OBなどの意見を聞くと「えーっ」という声を聞く。

 どうしてもやりたいと言うのなら、市長の新規施策の目玉である「ふるさと納税」増額でしっかりと実績を上げ、職員さんとのコンセンサスも作った上で再度提案すべきだ。今、本市がやらねばならない事業とは思えない。

 修正案と付帯決議のどちらにも賛成したのは、18人の委員の中で永井1人という状況でした。尚、会派創明はこの件ではそれぞれの判断で決めるということが原則でした。

 原案に賛成したけど、その賛成討論を行わない丹政会。付帯決議に賛成したけど、その賛成討論は行わない新政会。長い休憩時間。1人の委員の思いが絡まってさまざまな調整がやられたようです。

20/7/3(金)朝

これがその事業

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