D21 京丹後市、米軍基地にクラスター!!    200801(土)

 7/26(日)の夕刻、「市内に新型コロナ感染者が確認されました」の一報が入りました。「終に来たか」という思いでいたところ、翌7/27(月)の昼前に京都府が「陽性者は京丹後市の米軍基地経ヶ岬通信所勤務の軍人」と発表。テレビでは昼のニュースでバンバン報道、市内のあちこちこの話題で持ちきりという状況となりました。

 6/25の一般質問の最後で「米軍は基地でマスクもしていない、感染防止対策は大丈夫か?」という質問をした者としては、「あれほど言っておいたのに、やっぱりそんなことか!」と情けない気持ちが先に立ちました。しかし個人的に嘆いている暇はない、今や地元の議員として宇川を守るためにできることをやらねばといろいろ情報を収集。

 感染者は米軍経ヶ岬通信所に勤務する軍人男性、30代、独居。7/12(日)に兵庫県内(京都市内の報道も)を観光、7/19(日)に神戸市へ日帰り旅行。7/23に症状がでて7/26(日)夕方病院で検査、陽性確認。隔離(自宅、京丹後市内)。感染者は7/20~7/24の間5~6人の同僚と同じ車で基地に勤務。13人の同僚(20人の報道も)と同室でPC作業などをやっていた。 

 というのがその日のマスコミ情報でした。

 この7/27(月)、市では昼前に対策本部会議を開き、午後には防衛局長から説明を聞き、防衛局長と市長が記者会見。市長は防衛大臣へ緊急要望書を提出。夜には市長が臨時放送で市民に直接メッセージを発表、という慌ただしい動きがありました。

 市長のメッセージの内容は、米軍人に感染者が出て隔離されているという事実報告と、今保健所が接触者等のフォローをやっている、防衛省には詳しい経過の説明を求めたという現在の対応状況の報告。そして市民へは、冷静になって従来の防止対策を維持徹底し、人権に配慮した行動を取るようにというものでした。

 府(保健所)の対応と防衛省の情報待ちということで、市は我々市民を守るために何をしてくれるのかがよく分からないとても弱いメッセージのように思われました。

 7/28(火)、具体的な行動を開始。

 宇川にはいろいろな仕事で基地に出入りしている方々が相当数おられるので、関係地区の区長さんに連絡をして状況を聞き「気になる方があれば窓口は峰山の保健所です」と伝え、丹後市民局には基地で仕事をしておられる地域の皆さんを早急に把握して不安解消のアクションを市民局と「基地対策室」が起こさねばと強く要請。

 丹後保健所に関係者の検査の実施状況を確認すると「確実な接触者だけを対象に検査をしています」とのこと。「基地で仕事しておられる方皆というわけにはいかんのですか」と聞くと「今のところはそこまでは・・」というお答え、「何とか増やせませんか・・」とお願い。

 7/28(火)午後には総務常人委員会があり、「憂う会」の「陳情17」の扱いが議題だったが、傍聴として出席した小生は議事終了後委員会の了承を得て発言。感染問題を取りあげ「昨日の市長のメッセージでは市民を守る姿勢がとても弱い。市民の既に知っている情報(居住地とか普段のいいかげんな感染対策とか)の方が多く、その現実からの市の対策が必要だ。不安のある住民にPCR検査を受けることができるよう市が率先すべきだ。それこそが安心に繋がる。」、「軍人なら弥栄居住であり、勤務地は宇川の基地であることは明白で、まずこの地域の人達を安心させるために希望者の検査が必要だ。」と言わせていただき、何人かの議員から同様の声も出された。

 7/29(水)、午後、会派創明は市長へ直接申し入れ。代表はふるさと納税事業について市長に具体的な提案をいろいろ。永井は、感染問題で市が関係市民のPCR検査の陣頭に立てないのかと市長に要請。市長は、保健所を持たない市の独自は負担とリスクが大き過ぎて難しいとのこと。ならば府へもっと強く要請して下さい、と迫ったが、色よいお返事はなし。

 この日、夜には府より2人目の発生が公表される(陽性確認は7/28)。軍属男性30代。接触の有無は分からず。今度は軍人でなく軍属さんだ(居住地は市内各地)。府は41人感染で「特別警戒」へ。

 7/30(木)、7/21に府議会で、コロナ対策の担当部局が「感染者が誰か出れば、国の基準を超えてでもその周辺を広く検査したい、その初動がとても大切だ」と発言している情報をゲット。府は今そういう方針でやっているらしい。なら京丹後でも検査の拡大はできるのではと思い、保健所(府の管轄)へ「2人目が出ましたが、地元民への検査拡大の指示はないですか?」と聞くと、「特にありません」とのこと。中央と前線はやはり違うのか・・。

 この日、宇川では基地で仕事をしておられる人達への市の説明会があったが、やはり検査は保健所で判断した人だけ(あなた方は対象外)ということであったらしい。

 7/31(金)、11:00より、市議会全員協議会。米軍の感染者が4名になったこと(7/29の検査の結果が7/30に公表されそれが防衛から市へ)が報告され、衝撃が走る。市長は軍属全員のPCR検査と緊急「安安連」開催による全ての情報開示を防衛へ求めているとのこと。市民への検査拡大は保健所任せで市がどうこう言えないとも。永井は「これはクラスターの発生そのものだ。米軍は全員市内に住んでいる、市全体にとって由々しき事態だ。基地雇用市民と関係者、不安のある者皆に府と協力してPCR検査を受けさせるべきだ、と府議会での担当者の答弁も紹介して主張するも、市長は市独自ではそれができないという(聞いてもいないことへの)弁明ばかり。市内の医療機関で今PCR検査ができるのかという質問にも明確な答えはなし。

 これからの各当局の動きがどうなるかは分からないが、このままでは市民にも感染が広がり京丹後がエピセンターとなってしまうのでは、という危機感を抱かざるを得ない状況で7/31(金)が終わった。

20/8/1(土)午前

7/27の桝賀防衛局長と中山市長
7/29の毎日新聞
7/31(金)の米軍基地内陣ゲート。

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