D135 臨時議会、増築棟関連議案を修正可決!! 永井は修正案に賛成! 「宇川の風」市政懇談会は4/29、4/30!   22/4/28(木)

 昨4/27(水)が臨時議会の最終日でした。議案は2つ。旧橘小学校跡地をグランピングなどを経営する事業者に貸し出す案件と市庁舎増築棟建設関連議案です。いうまでもなくメインは後者の増築棟関連です。

 前日の4/26(火)に丹政会が修正案を出す予定という情報が突然入ってきました。内容は原案の5000㎡案を3500㎡まで削って老朽化の迫る福祉センターの健康長寿福祉部と網野庁舎別館の建設部のみを増築棟に持ってくるという内容とのこと。これで建設費も減、真水も減、駐車場問題も一定緩和ということです。これによって丹政会の6名は補正1号原案に反対し、この修正案で最終に臨みたいということらしい。

 当日9時から議会運営委員会。丹政会より修正案の説明があり補正1号の設計費用の減額修正として出されることが確認され、意見交換の終了後に提出されるという段取りが確認されました。

 9時半、本会議開始。

 まず64号議案の旧橘小学校跡地を業者へ貸し出す件について、4/21の説明で不足していた部分の追加説明があり質疑、意見交換を経て採決、全員賛成で可決。

 永井は提案時の説明が不十分であった点を指摘しこの業者の市内での実績と貸し出すグランドの一角にある橘小学校のプールの壁の妥当性(透けて見える構造となっている、窓もあるが・・)ついて確認。前者には、久美浜町布袋野での昨年7月からのグランピングなどの営業が順調にやられている(売上額等は分からないが地元の方が管理もしている)と確認。後者は橘小学校とも確認して作ったもので特に問題はないとのこと。

 ついで65号議案の補正1号増築棟関連議案。まず執行部から追加の説明があり、質疑。追加説明の内容は次の3点。

  • 増築棟に入らない子育て関係25人にかかわる経費は試算で1.5億円~3.7億円かかり、これは真水分の差額(12.5億円)を縮めることになる。
  • H30年当時の再配置案(丹波小学校跡を活用しての案)での試算について、現在なら真水は9億だが、これは合併特例債を使えたらということで、実際には災害関連でそれは認められないのでやるとしたら17.6億となる。
  • 本市と同規模(面積、人口ともに)の他市の職員数は現在の5万3000人規模で487人(本市は621人)。本市の予想される4万6000人規模なら465人。本市の職員数は多い。

 これに対して質疑いろいろ。

 永井は駐車場にかかわって、多くの職員さんが文化会館駐車場や吉原小学校跡から10分以上の距離を毎日、雨の日も雪の日も風に日も徒歩で通わねばならないのは大変なことである。特に子育て世代などこの負担はとても大きい。我々議員でも、文化会館の駐車場から議場へ通えということになれば毎日でなくても大変だ。職員の正直な声がつかめているのか。近場に駐車場を確保する調査等はその後やられているのか、と質問。

 回答は、色々と聞いてはきたが今後組合との話し合いなども持ってしっかり把握し対応していきたい。今のところ具体的な近場の駐車場確保の調査はやっていない、とのことでした。

 質疑終了後、意見交換。

 新政会、政友会、鳴海議員、などより原案擁護の意見の一方、丹政会、共産党よりは原案に批判的な意見が次々と出されました(11人が12回で約50分間)。

 永井は最後から3番目に発言。以下のように述べました。

 議案65号一般会計補正1号について意見交換に参加します。重い日々を過ごしてきましたが、この庁舎増築棟にかかわる案件がいよいよ本日最終日となります。

 4/12(火)の予算委員会の意見交換の際、私は原案(総額56億円、真水22億円)は本市の身の丈を超える、これだけのものはいらない。職員一人当たり25㎡も考え直せないか。それにこの議論は市民から遠い議論となっているなどと述べて反対をしました。そして予算委員会の結論は原案否決すべきものとなりました。

 その委員会での原案否決という結果を受け、執行部は4/21(木)の臨時議会初日冒頭に議案51号の補正1号を取り下げ、再提案となったものがこの65号です。4階6500㎡を3階5000㎡へ削減(1500㎡の減)というギリギリの削減案である(人数は231人へ25人の減、総額は44,4億円で9.2億の減、真水は18.7億円で3.8億の減)。この案件そのものを0にしては将来の市民に多大の迷惑をかけることになるので、それだけは絶対に避けなければならないというのが執行部の説明でした。

 4/21の再提案、質疑以来私自身も会派創明としても改めてこの件を検討し、本当に多くの方の声、意見を聞かせていただきました。その上での現在の思いを述べます。

 まず、再提案の内容が私の指摘した「身の丈」はどうなんだということです。私は、執行部の大変な努力は評価をします。が、それが適切な身の丈なのかどうかについては、これでよいのかもっと削るべきなのか、今のとこ明確に判断できないというのが正直なところです。確かな判定をできません。

 次に市民から遠い議論になってしまっているという件について。思い返せば、昨年の3月議会でこの件に対する意見交換の中で、市民全世帯へのクーポン券配布と同時にこの件だけの全世帯アンケートを取ってはどうかと提案させていただきましたが、その時はどなたにも反応していただけませんでした。(議場で苦笑あちこち)その頃ならやれたかなぁと思ったりもしますが今はもうそんな時間はありません。この案件が、長い時間をかけて執行部がいろいろと手続きを踏んでやってこられ、その中で市民の声も一定反映されているということを私も否定はしません。一方で十分にその声を拾えているのかというとそうではないと言わざるを得ません。時間の制約のある中で私たち市民の付託を受けた者が判断するしかありません。

 この市庁舎増築棟については、ほんとうに様々な意見があります。この議会の中でも最初の案が最良だという意見から現在のまま続けるのが良いという意見までいろいろ。合併特例債の使用についても最大限の活用をせよという声から、こういうものに手を出してはいけないというものまで。真水についても、18.7億円の得というが、それは20年後の福祉センター建て替えがらみの16億円を入れての計算であって、20年後何が起きているのか分からない中でその件が不要となれば、逆に真水の負担は増えるのではないかという分析もあります。これは創明のメンバー(浜岡さん、本日は欠席)の意見です。

 人口減少が進む中で20年後の本市にとってこの作ろうとする建物が、「よくやってくれた」と言われる希望の象徴になるのか、「あんなもん作ってなんだいや」という無用の長物になるのか、人によって答えの予想は全く違います。

 職員さん方の中でも、合併から19年目に入って「いつまでこのバラバラでやっているのか、なんとかまとめてくれよ」という声があります。駐車場の件、大変多くの職員さんが厳しい勤務状況になる。雨の日も風の日も雪の日も子どものことも気にかけながらの行き来、大変なことだ何とかならないか、という声も聞いています。

 過去からの様々な事情を抱えながら、この増築棟について意見があちらからもこちらからも正反対の方向からやってきます。この混沌とした状況が良くも悪しくも本市の現実であります。

 他方で、永井はこの議論は結局峰山、大宮、広げても網野の3町の話であり、周辺部の活性からは距離のある事業と言わざるを得ません。中央のことは当然大事ですが、周辺地域の地域づくり、私は一番の周辺宇川地域に住んでおりますけども、そういうものこそが人口減少を止め自治体を下から活性化していくものであるのに、それがなおざりにされていると思います。

 ただ、この件が合併以降の一大懸案事項であることは間違いなく、なるべく早めに一定のケリをつけなければならない(先へ進まねばならない)ものであるとも思うものです。

 議員の責任と言われますが、私たちはここで意思表示をすることそれが責任でありまして、後になってから命云々とか賠償金云々とかいうものではありません。だからこそ、考えうることをすべて考えて判断していかなければならない。

 「分水嶺に立つ」という言葉を私は使いましたが(チャレンジ8号のコメント欄)これは私自身の在り方にかかわっての問題(要するに執行部の再提案に賛成か反対かということ)でもあり、議会内での問題(創明の2票が賛否を分けるということ)でもあり、両方共を抱えながらの本日となりました。しっかりと考えて最後の決断をしたいと思っております。以上です。 (8分30秒)

※「分水嶺に立つ」という言葉の意味は、要するに賛成反対どちらに行くか迷いに迷っているということです。

 この意見交換の後、休憩を挟んで再開、丹政会の平井議員より修正案の提案がされました。

内容は以下の通り。

  • 増築棟の床面積を3500㎡に更に削減する(さらに1500㎡の減)。階数は3階とし、地上の駐車スペースを528㎡確保する(約50台分)。
  • 施設の老朽化の進む福祉センターの健康長寿福祉部と網野庁舎別館の建設部の157人を増築棟に入れる(更に74人の減)。商工観光部は現在のラポートに残す。
  • 増築棟の費用を19.7億円へ8.4憶円減。これで総額は36.1億円に減。
  • 真水は23億円へ2.4億円減。

 というもので、補正1号をこの内容に沿った工事設計委託料として原案の1億8500万円を1億6600万円に減額修正し総額を2億4351万円から2億2451万円へ修正するということです。

 提案理由は、5000㎡の原案は増築棟を実質的な将来の市庁舎を固定する規模のもので承諾できない。本市の将来の市庁舎の在り方は都市拠点とも絡めて今後議論されるべきだ。一方で耐用年数の迫る福祉センターと網野町の別館には入るべき建物が必要でありそれを増築棟に充てる。この事業や峰山庁舎、大宮庁舎の整備も含めて合併特例債を利用できる。この内容は、丹政会6人全員の確認によるものである。という説明でした。

 これに対して質疑が行われ、主に新政会などから細部に渡って質問が多く出されました。その中から面積は上限4000㎡までで調整とか、部署配置については執行部で今後検討とかある程度緩みのある内容であることも明らかになりました。

 永井はそういう細かい内容よりも、予算委員会での否決の中心となった丹政会が今になってどうしてこの修正案なのか、予算委員会の決定以後丹政会に何があったのか、判断が変わった理由は何か、と2度にわたって質問しました。答えは歯切れの悪いもので色々とあって時間がかかり今になった。その後いろいろと新しい情報も分かったのでそれも勘案してこうなったというようなものでした。

 そして討論、討論は原案賛成が鳴海議員と水野議員の2名。原案が今後の本市にとって必要である、未来につながる、修正案では将来に禍根を残すというもの。修正案賛成が丹政会の中野議員、和田議員、谷津議員、東田議員、修正案が現在では適切な判断、将来への展望をもたらすものになる。共産党の田中議員、平林議員、橋本議員も修正案賛成で、従来から最小必要限のものを主張してきた。この案で合併特例債を使って浮いた費用で少しでも市民支援に充てていくべきだ。松本議員は増築棟はなるべくコンパクトで将来の足枷にならないものをというような討論でした。修正案賛成討論は8名。

 永井は討論には参加せず。浜岡議員は欠席(身内のご不幸)で創明は結果として討論での意思表示なしとなりました。

 最後の採決に移って結果は賛成が15名。丹政会の6名、共産党の3名、松本議員に永井、そこに新政会の4名も加わっての15名という相当数の賛成となりました。反対は政友会の2名と鳴海議員の3名。意外と思われた新政会4名の賛成は、0はやはり避けねばならないという判断であったようです。

 結果は出ました。とにかく当初の規模からは大きく削減されたものの新しい市庁舎が現市庁舎に連なって建設され集約化も実質的には先へ進むことになります。

 さて、永井の「分水嶺」、その実態はどうであったのか? この言葉を最初に使ったのはD133の予算委員会の賛否同数の結果を見ての報告の時です。創明の2名が反対に回ったため賛否同数となったことがその背景となっています。

 4/21に再提案がなされた後、身の丈ということを公言していた永井はその内容に一定の理解ありということで、様々な働きかけを受けるようになり、実際にどうしたものかと考えざるを得ない状況となりました。一方でこれまで明確に反対してきたことで支持者の方々にはその方向が当然との考えの方が多く、そういう方々からは「ブレるな」というお言葉を幾度もいただきました。

 そんな中で4/24(日)に全市新聞折込した「チャレンジ8号」の中のコメントに「市庁舎問題で、今議会が揺れています。永井は分水嶺の上に・・。」と正直に書きました。最初は別の言葉を予定していたのですが、4/27(水)が決戦となる大問題の市庁舎問題をなしでいいのかと自問して入れたものです。

 これがいろいろと話題になりそれぞれの方々の琴線に触れたように思われます。ひょっとしたら修正案の遠因の一つかも知れません。その後、永井への様々な方からの働きかけはヒートアップして結局昨日の議会の最中まで続きました。

 永井は結果として意見交換で思うところを述べ、討論には参加せず、採決では修正案に賛成をしました。今だから書ける個人的な思いを言うなら、丹政会が3500㎡の修正案を出すと聞いた時に、分水嶺云々を抜きにしてもこれは通るなと思いました。この案は、経過がどうであるにせよ、誰一人としてベストとは思わないものの誰もが何かを得ることができるからです。オールオアナッシングではことはもう収まらないところまで来ている、そのように感じていました。

 もし仮にこの修正案が否決されて原案の可否を問うとなったならばどうするのか、それは修正案が出るという話のある前に永井がずっと重く悩んでいたことです(これが永井の分水嶺)。執行部の再提案に賛成か反対か。身近な同志が反対だといい、有力な支持者がアカンといい、一方で我々の悲願ですという熱い思いを聞き、事が始まらないと訴えられ、自分でも0では何も進まんなぁと思う中で分水嶺の上の案山子は揺れていたのです。

 結果として分かったことは、議員の皆さん全てに0ではよくないという思いが、レベルや内容の違いはいろいろあるにせよあったということです。永井は後ろからの大きなリスクを覚悟しての決断を迫られるところまでは行かなかった、ということで何者かに感謝すべきなのかも知れません。

 そんなことも含め、今週の土日に「宇川の風」の市政懇談会を宇川と間人で開きます。興味のある方はどうぞ。下記の要領です。

・4/29(金)、宇川アクティブライフハウス(久僧) 午後7時より

・4/30(土)、丹後町地域公民館(間人) 午後7時より

またまたとんでもなく長くなりました。困ったものです。

明日は田植えの予定ですが天気が悪そう。

22/4/28(木)夜

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