D143 大型風力の市内全予定地を回りました!! 各委員会、実質審査開始! 増築等は4000㎡で・・!?   22/6/18(土)

 丹後も梅雨入りし蒸し暑い日が続いていますが、6月議会開始から一週間が過ぎました。相変わらず慌ただしい日々を送る永井ですが、この間の活動報告を行います。

 京丹後市に計画のある2つの大型風力発電事業について、その予定地をとにかく自分の目で確認して来なければと繰り返し言ってきましたが、6/13(月)に何とかその作業を終えました。

 丹後町依遅ヶ尾山系に予定の前田建設「丹後第二風力」15基と大宮町峰山町の磯砂山系に予定の自然電力「磯砂山風力」14基がその対象ということで、永井は5/5(木)以来両予定地に7回ずつチャレンジしてようやく彼らがここに作りたいと思っている場所がどんな所なのかを確認してきました。

 資料として出されているもの自体が、グーグルアースに大体の予定地を入れたレベルのものですので、あくまでもこの辺りかという程度ではありますが、見てきた所(尾根)に予定地と大きなズレはないと思います(少なくとも谷底は予定地にはならない)。

 その上で思ったことの第一は、このような所に巨大な風車群、「とんでもないことになるぞ」ということです。これまでも何度も言ったり書いたりしてきましたが、山に何も立ってなくても土砂崩れや洪水が何度も起きてきたのが丹後の山々です。最近は時間100㎜を超す雨が何度か降っています。そんな中でもし仮に工事を始めても、木を伐り山を削って山肌をむき出しにして道をつけ、尾根を削って2000㎡(40m×50m)の平地をいくつも造成し、その土は近くの谷に盛土してという最中に台風や大雨に晒されたらどんなことが起きるのか、道はズレ落ち山が崩れ、土砂と泥水で川や居住地が大きな被害を受けるのは容易に想像できます。

 工事途中で事業そのものを諦めざるを得なくなるのではないか、そうなったら事業者はその保障をできるのか。事業者は金融機関からの融資を受けてこの事業を始め、その利益を前提に様々な問題への保障をしていく(撤去への積み立てもする)というのが基本です。事業をやりかけてその操業に至らなければ一体どうなるのか、地域への不利益だけが残される、そういうことが予想されます。

 今回予定地となっている依遅ヶ尾山系と磯砂山系を比べてみると、依遅ヶ尾山系は予定地域全体が狭い。南北2.3km×東西1.3kmくらいの中の4本の尾根に沿って15基の風車が並ぶ配置です。尾根は標高200m~450m程度(最高点は2号基の予定地力石岳の446m)でとがった形の鋭い尾根が多く、宇川と竹野川の分水嶺になっているものいくつも。神主(こうぬし)の裏側の尾根(7号基)などは尾根の北側がほとんど直角に谷へ(旧虎杖小学校向かいの深い谷へ)ズレ落ちているような状態でした。また、8号基予定地のピーク辺り(これも神主の裏山)はいわゆる巨樹が何本も生えているところでした。

丹後第二の配置図。
地形図ではこうなります。
7号基のあたり、右はズレた崖。
8号基の辺り、巨樹の尾根。

 この辺りは過去から地滑りを繰り返してきた地域ですが、その後があちこちに残っています。また、5号基などのようにかつての神社の跡地(力石集落の愛宕神社跡、今も瓦や礎石など建物跡が散在しています)もあります。9号基の辺りにも建物の遺物がありました。巨樹、巨木に囲まれた石久久里神社跡地(かつての力石の神社)はそれらの尾根につながる西側斜面にあります。

 尖った尾根と急峻で地滑りがちな谷で構成された狭い地域に15基もの風車を集中させ、その尾根を潰して作業道路でつなぐという構想のようです。無茶だ、と思われて仕方ありません。

 一方磯砂山系ですが、こちらは磯砂山の山頂(標高661m)から連なる長い長い尾根約7.5kmに、14基という計画です。長い釣り針の底部分を下にして短い方を左においた形(この内側に大萱の長い谷が囲まれます)で、左側の短い部分に3基、底部分に1基、右側の長い部分に10基という配置です。自然電力の予定図には番号が振ってないので何号基と特定できないのが不便ですが、一番東から2つ目が奥大野の奥山の鞍禿山(くらはげやま、399m)山頂あたりとなっています。一番東の1基は口大野の貯水池の上のあたりのようです。下常吉の奥の風況ポールの近くの尾根にも1基(右側の下から5つ目)予定されています。

磯砂山風力の配置図
中の横一線の尾根にズラッと並びます。磯砂山頂より。

 磯砂山系の特徴はとにかく真砂土の山ということです。尾根全体が真砂土そのものという感じで、そこに古くからの広葉樹がしっかり根付いてその崩壊をとどめているという感じがどこを歩いてもよく分かります。一方山の斜面には大規模に植林された杉林が広がっています。その杉林には細いのも太いのもありますが、根ごと倒れた倒木が至る所に見られます。間伐のされていない密集した杉林も目立ちます(風況ポールのあたりはその典型)。

真砂土の尾根。それをとどめる広葉樹。
磯砂山頂から大萱側の予定地辺りの尾根。

 磯砂山系は依遅ヶ尾山系に比べ、標高も高く範囲も広い、その風化した花崗岩(真砂土と大小の岩石)の険しい尾根に風車が点在して並ぶという感じです。谷が長くて深く花崗岩の山に蓄えられた水が豊富で、たくさんの貯水池、水源地が作られてもいます。風力発電所による影響は計り知れないと思います。

 以上、山にも地質にも素人の永井が歩いてみて感じたところであります。一般質問ではこれらの事も紹介して市の独自調査や市長の実地検証も問うてみたいと思っています。

 6/13(月)から3日連続で委員会審査がありました。

 6/13(月)は、予算決算委員会、補正3号(1億7000万円強)についての審査。新型コロナ関係で新生児への補助金(こんにちは赤ちゃん応援給付金)3300万円(330人×10万円、因みに昨年の新生児は268人)や海水浴場開設者支援1941万円などで6315万円。産業基盤整備支援に2079万円、その他移住支援関係、ジオパーク交流補助金、人件費調整などに8845万円というような内容でした。

 質疑で問題とされたのが、ふるさと納税の事務に関わって3月議会に出された当初予算では業務委託でやるとされていたものを、それではサービスが低下しクレーム対応が難しいとして直接臨時の職員さんがやる形に変更するための増額予算(154万円)でした。3月議会で出して承認された予算を3ヶ月経って気安く変更するとは何事か(そんないい加減な当初予算を出しているのか)ということです。執行部の説明は、その後の委託業者との詰めた対応の中でこれはよくないと判断したためとのことでしたが、それも含めての当初予算でなければならないと永井も思いました。

 6/14(火)は産業建設委員会の府道の掛け替えの現地調査と審査を2件。1件は丹後町袖志地区(永井の住む宇川地域の東端)の東の端にかかる落川橋が老朽化して危険となるため、地区内を貫く市道の路線を橋の手前で海側に曲げて国道につなぎ、橋そのものは撤去するという計画です。費用は橋の架け替えに比べると3分の1近くで地元地区や地権者との話も時間をかけてしっかりやられてきたということで、異論は出ませんでした。

 もう1件は網野町銚子山古墳の整備に関わって、前方部の墳丘が現在残っているものより東に延びていたことが分かったためその部分を復元するために現在そこに通っている市道を復元部分にかからないように東側に移動したいという(土地は市所有のもの)計画です。かつて有名な浦島太郎伝説由来の「シワ榎木」の大木があった辺りで懐かしい場所でした。市の観光スポットにもなる古墳公園をしっかり整備していただくということでこれも特に異論はなし。永井は古墳公園の駐車所から古墳までの道が土道のままというのでそこは舗装すべきではないかと意見を述べました。

 6/15(水)は庁舎整備等特別委員会。修正案可決後の執行部からの修正計画案について説明があり、いろいろとやりとりがされました。執行部が設計業者を公募する(プロポーザル方式)に際し、基本4000㎡で行きたいという意向が示され、修正案では3500㎡がベースで4000㎡は上限ということであったがなぜ4000㎡なのかという点で多くのやりとりがなされました。執行部の説明は基本の集約化を進め(増築等に179人、商工観光課も峰山庁舎へ移動させる)、更に増築等には200名の入れる会議室スペースが必要だということから、4000㎡基本にしたいという説明がありました。この件は重要ということで会派への持ち帰りとなりました。

 増築棟への思いとして永井は、市政発足20周年になる中で増築棟とはいえ新たなシンボル的建物になるので、京丹後市らしさを市民にも来られた方にもアピールできるものを市民の声も入れて考えるべきではないかと述べ、そういうことも検討しているという執行部のお応えでした。一方で増築棟はあくまで増築棟、本格的な市のシンボルではない。そのようなことに多額の費用を費やすべきでないという意見も委員から出されました。永井は多額でなくても工夫はできるのではと思ったりもします。

 次回は一般質問終了後ということになりました。

 永井の一般質問は2日目(6/23(木))の5番目(午後の遅め)ですが、そのための準備もしなければなりません。今回3回ぶりにPP(パワーポイント)も使いたいということで、6/16(木)と6/17(金)はその作成に時間をかけました。特に風力関係の現場の画を見ていただきたいので山のような写真の中からいくつかを選びましたが、はっきり言ってどなたにも一目瞭然で分かっていただけるような画はそうそうありません。他の件も含めて20枚ほどに一応まとめましたが、本番では時間のこともあり何枚使えることやらです。

 永井は田んぼも2反弱作っております。草取り、中干しの時期で昨日は中干しの溝切りもしました。大変な重労働で熱中症になりかけました。明日は地区の海岸の清掃作業も仕切らねばなりません。やることを減らさねばと思う日々が続いております。

中干しの始まった永井の田んぼ

 22/6/18(土)夜

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