D221 衆議院選挙の結果に思う。 チャレンジ通信18号発行! 24/11/1(金)

 10/27(日)に衆議院選挙が行われ、新しい衆議院の議席構成が確定しました。皆さんご存じのように与党が大敗して過半数を割り込み(288→215)、これまでの与党安定多数は夢のまた夢となりました。石破内閣の存立さえどうなるか分からない状況です。

 永井は市会議員としては無所属無会派でありますので、この国政選挙に対しては特定の政党や候補者を議員としてあるいは「宇川の風」として応援することはしませんでした。ですが、ここ10年来の自公政権のやり方や政策に大いに疑問を持ち批判をしてきた者です。故に自公政権に批判的な野党の議席数が伸びることを願ってきました。

 その立場から今回の結果を総体として「良かった」と評価をするものです。とにかく、首相がアメリカへ行って口約束してきたことが即閣議決定となり、そのまま国の具体的な政策となっていくというこの間の異常な事態が回避されることだけでも非常に意味のあることだと思います。

 その上で結果を見て思うことを少し述べてみます。

 まず投票率が53.85%と戦後3番目の低さでした。ほぼ半数の人が選挙に行ってないということです(前回より2.1%ダウン)。投票率の低いことは従来政権与党を利するとされていましたし、実際そうでしたが今回は低い中でも大敗という結果となりました。前回行って自公へ投票した人の多くが今回も行ったけど自公へは入れなかったということが明白です。自民党の絶対得票率が26.4%から20.1%へ激減していることがそれを如実に示しています。

 安倍政権時代、あのような言葉だけで実のない政策が続く中でも自公が圧勝してきた中で今回もそうしたイメージが続くのではないか(過半数を割ることはまずあるまい)と多くの方が思い、永井も今回もそうなるのかと重い気分でした(実際選挙戦の中盤まではそんな予想でした)。が、そうではなかった。

 何がそうでなくしたのか? 言うまでもなく「政治と金」=「裏金」問題への不信と憤りが閾値を越えたということ。その背中を強く推した(とどめを刺した)のが自民党の非公認陣営への2000万円支給問題ということです。

 ところがその裏金を表に引き出し、2000万円支給を選挙中にスクープした「赤旗」の共産党は野党大勝の中で何と議席を2つも減らしています(10→8)。今回の解散総選挙そのものをセットアップし、勝敗まで決める大きな働きをした方々が苦い思いをする。政治の世界は中々に複雑です。評価はされても票は伸びない、誰かの選挙とも似たものがあります。

 また、この数年飛ぶ鳥を落とす勢いであった日本維新の会が、大阪の小選挙区議席を全勝しながら全国では大きく票を減らして議席を減らしたことも予想以上でした(43→38)。更に選挙のたびに確実に議席を確保してきた公明党が党首を含め8名も議席を減らしたこと(32→24)にも正直びっくりしました。

 選挙に行かない人はさて置いて、行く人の中に何か構造的な政治意識の変化が起こっているように思われてなりません。

 与党の負けを引き受けた大勝の立憲民主党(98→148)、4倍増の国民民主党(7→28)、3倍増のれいわ新選組(3→9)、思わぬ歴史の当事者となりました。この変化の本質を見極めて受け止め、国民の思いをしっかり具体化する仕事をしてほしい。

 最高裁判所裁判官の国民審査でも特筆すべきことが起こっています。今回対象となった6人の判事のうち、4人が×10%以上となっています(10%で約540万人、50%を超えれば罷免)。この20年で最も高い率だそうです。従来はあるけれども単なる儀式のようなものとなっていたこの制度が意味を持ちだしたという専門家の意見を聞きました。10%以上でなかったお2人も9%台、資料を見ると着任から日が浅くまだ最高裁での実際の判決に1つも加わっていないのにそれだけの数字が出るということ。司法に対する意識の重要な変化(不信感?)が出てきているのでは思われます。

 今回の結果が地方に及ぼす影響はどうなるのか、地方議会の議員としてはとても気になります。石破首相は就任に際し地方創生の交付金倍増ということも言っておられました。今後の政局がどうなるにせよそれは大切です。

 最後に気になったことを一つ。この衆議院選挙の真っ最中に「キーンソード25」という米軍と自衛隊の統合合同演習が日本国中でやられていました(10/23~11/1)。自衛隊3万3000人、米軍1万2000人、合計4万5000人と艦艇40隻、航空機370機が参加して全国23都道府県の100ヶ所以上の場所で展開されました。これは国を挙げての実質的な大規模戦争訓練です。丹後町宇川の経ヶ岬の日米の基地でも300人以上が参加してやられていました。

旧宇川中学のグランウンドを埋めた自衛隊の車両(10/25)

 憲法で戦争を放棄し、「陸海空軍その他の戦力はこれを保持しない」(9条2項)と定める国がこのようなことでよいのか。まして選挙期間中は事実上政府不在です。憲法に定める文民統制(66条2項)は大丈夫なのか。きわめて危険なものを感じます。

チャレンジ通信18号が何とかできました。明日11/2(土)に新聞折り込みします。

2024/11/1(金)午後

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