D225 12月定例会終了。 王国タワー跡地に4億8千万円の遊具施設を決定! 市民プール存続の陳情は主旨採択! 24/12/25(水)
今年も後一週間になってしまいました。丹後は毎日冬型のウラニシ日和が続いて雨模様(今日は例外的に晴れ)、遠くの山の山頂辺りは白いものが見えております。
例によってまた報告の日にちが空いてしまいましたが、12月定例会は12/20(金)に終了しました。永井の一般質問のまとめは現在鋭意進めておりますが、とりあえず今議会で永井が気になった(敢えて討論を行った)事項の報告をします。4つあります。
①丹後王国タワー跡地活用事業
②市民プール存続の陳情
③JA京都と京丹後市との包括連携協定
④旧浜詰小学校跡地譲渡の件
① 丹後王国タワー跡地活用事業
この事業はR6年度一般会計補正6号(総額約12億円)の中の1事業として提案されたものです。具体的には弥栄町鳥取にある「食のみやこ丹後王国」(1998開設、2015リニューアル)の昨年撤去された王国タワーの跡地に大型の遊具施設を建設しようというもの。遊具施設とは長距離滑り台施設と「ふわふわドーム」といわれる柔らかい小山の2つがメインです。
予算規模は関連施設も含めて4億7900万円、今年度で期限となる合併特例債を活用して作ろうというものです。合併特例債は70%の国の支援が得られるもので真水(市の実質持ち出し)は1億6050万円となります。
王国タワーの跡地活用については、数年前からいろいろ検討されてきて(スケボーパークをという議論もありました)、6月定例会には補正1号の中で合併特例債を使って遊具施設を作りたいという方向の事業計画が出され、今回それが実施計画として具体化されたということになります。
6月定例会の補正1号審査の際、永井はこの件について合併特例債はもっと市民生活に直結した事業に使うべきだという意見を述べましたが、議案そのものには賛成したという経過があります(この時は全員賛成で可決)。
今回永井はこの遊具施設建設の王国タワー跡地活用事業がダメであるとして、この事業だけを補正6号から除くという共産党提出の修正案に賛成し、修正案が賛成少数(共産党の4名と永井の5名)で否決された後は補正6号全体にも反対をしました(補正6号は賛成13名で可決、1名退席あり)。
その理由は、執行部から示されたこの遊具施設による丹後王国の集客予想が余りにも現実離れしていてとてもではないが成功しないと判断したからです。それどころか、傷がより深くなるのではないか(このことで現在より市の負担金が増えるのではないか)、と危惧するからです。
「現実離れの集客予想」とはどういうことか?
市が集客予想に利用したのは、同様の遊具施設を作って来場者がアップしたという城陽市寺田にある「ロゴスランド」という施設の来場者27%アップという数字です。本市は地理的な条件が違うのでこれを20%アップとするのが妥当であるとして毎年約23万2千人の来場を見込み、10年で約5億2千万円の経済効果という試算となっています。
「ロゴスランド」のある城陽市は京都市と奈良市のちょうど真ん中の平野部にある人口約7万5千人の都市で、隣接が3市3町の人口密集地域、近鉄線とJR線が通り新名神のICもある土地です。お客さんは近隣にたくさんおられる。それに対し我らが京丹後市は言うまでもなく周辺全域は過疎地域、来客は南方のみ、丹鉄と京都縦貫道の北端という状況です。その上に天候の違い。端的に年間雨量が城陽市は1300mm、京丹後市は2000mmです。本市で晴天を前提とした遊具施設を利用できる日が年に一体何日あるのか(秋以降はウラニシ、今の天気です)。
これで27%アップの向こうを張って20%アップ10年間の試算。永井にはどう考えても「風が吹けば桶屋が儲かる」レベルの話としか思えません。
修正案に反対された(原案に賛成された)皆さんは、この試算を妥当とされこの事業が丹後王国の発展や市民生活の向上に資するという判断ですが、シビアな結果は2年もすれば出ると思います。永井の予想が外れたらいくらでも謝罪しますが、そうなれば嬉しいことです。
② 市民プール存続の陳情
京丹後市は、網野町の浅茂川海岸の高台に長らく浅茂川温泉静の里を指定管理で運営してきました。温泉とプールの2つの施設から構成された観光と市民利用を兼ねた施設で、ロケーションの良さから多くの方の利用があったのですが、老朽化が激しく維持のためには全面改修が必要でそのためには莫大な予算がかかるとしてそのあり方が検討されてきました。
その結果、市より今年度末で施設の指定管理を終了し施設も廃止という具体的方向が今年の9月に示されました。ところがその時のパブリックコメントに「とにかくプールを残してほしい」という声が77件も寄せられ、「温泉もプールも共に」という方も含めると119件にもなる本市パブコメ史上異例の事態となりました。
そういう事情を背景に12月議会へ「改修・移転を含めて公営プールの存続を求めます」という陳状が現在のプール利用者の方から出されて、付託された文教厚生委員会では審査の結果主旨採択とされました(委員会採決は主旨採択4名、採択1名)。主旨採択というのは、「陳情者の願意はよく分かるが、その実現にはいろいろ課題があるからそのまま賛成はできない」というものです。
最終日の12/20には本会議で文厚委員長から「主旨採択すべきもの」という報告がなされ、質疑、意見交換、討論のあと最終的に主旨採択賛成12名の賛成多数で「主旨採択」と決しました。
気持ちが分かるという「主旨採択」でなく内容の実現を理事者に迫る「採択」をという議員は7名でした(共産党の4名、佐久間、鳴海、永井)。永井もこの1人として「採択」賛成の討論を行いました。
現在利用されている多くの方(高齢者も多い)が4月以降もここのプールを利用したいということで、多くのパブコメがあり、更に多くの方の存続を望む声がある。プールは十分な管理がされてこなかったが近隣の施設に比べても本格的なコースを備えた立派な施設であり、解体撤去はもったいない。陳情の願意に沿い市民の声に寄り添って修繕等に知恵を絞って残すべきだということをその討論で述べました。
ここには野の声がある、王国の遊具施設にはそれが薄いということを感じながらの討論でした。
市は現在このプールのあり方について温泉とは切り離して存続も含めて検討中で、来年3月定例会には方向を出すということです。
聞くところによると、定例会後の12/23(月)には現在利用者のグループ(「静の里温泉プール」の存続を願う会、陳情とは別)から市長へ「静の里温泉プール」存続の要望書が出されたとのことです。
③ JA京都と京丹後市との包括連携協定
現在のJA京都は丹後地域3市2町と口丹地域1市2町1区のJAが合併してできたものですが、京丹後市はその1地域に過ぎず(2005年4月に吸収合併)、従来からの様々な協力はあったものの、本市独自の連携事業は難しかったところをこの包括連携協定でできるようにしようというものです。
連携項目は大きく4つ。①農業の総合的な新興・生産拡大、②市民の農業参画促進、③美食都市づくりの推進、④安全・安心、防災・減災の推進です。
永井は賛成討論を行って、本市の農業を巡る根本的問題は耕作地の減少と耕作する農業者の減少に歯止めがかからないことだ。この協定による様々な事業で、その2つを少しでも弱めることに繋げてほしい。そしてそれらの事業が田んぼや畑で汗を流しておられる方々の励みになるものであってほしい。更に①の項目の中にある環境保全型農業、有機農業の拡大を大いにやってほしい、と述べました。
④ 旧浜詰小学校跡地譲渡の件
旧浜詰小学校跡地には大量の廃棄物(ゴミ)が長期間放置されてきた経過があり、永井は一般質問でこれを2度にわたって質してきました。その甲斐あってのことなのかは定かではないですが、一昨年3月にはそのゴミが撤去され更地とされていたものが、今回公共財産未利用地の活用ということで近くの社会福祉法人丹後福祉会への譲渡議案が提出されました。プロポーザルでの募集で2つの事業者が応募され、審査の結果丹後福祉会さんへということになった。最終譲渡価格は1990万円の半額ということです。
審査の点数が拮抗する中での決定ということで、選定に外れた業者の事業計画も高く評価できるものであったとのこと。
永井は総務委員会で詳しい議案審査に参加し議案を了として委員会でも本会議でも賛成討論を行いました。長らく廃棄物が放置されていた市の財産がきれいにされ民間事業に適切に利用されるのは嬉しいことである。経過に関わってきた者として感慨が深い。今回選定に外れた事業者の計画も優れたものと報告を受けた。先に事業解約となった旧橘小学校跡地など他にも未利用の財産がたくさんある。今後良い話になるよう期待をする、という内容でした。
以上、12月定例会で特に永井が拘った事案についての報告です。
とにかく日の経つのが早い。つい先日自分の選挙だったように思いますが、それから既に3つの定例会を経て今年も終わろうとしています。その間に国内も世界もほんとに大変なことが立て続けに起こっています。特にアメリカの大統領選挙と韓国の非常戒厳には胆を冷やしました。それらの大中小の波が本市にも押し寄せてきています。
2024/12/25(水)午後 ※キャッチの画は12/20(金)の依遅ヶ尾山山頂です。