D228 12月定例会一般質問のまとめ、その2。 みなと悠悠、橘小跡地活用事業、直営診療所にあれこれ! 25/1/7(火)

 昨日に続いて「その2」です。2つめの大項目「市政の諸課題」で、みなと悠悠、旧橘小学校跡地活用事業、市直営診療所事業の3つがあります。分量は昨日の3倍ほど、やりとりの最初に質問の背景解説を一応付けましたが、みなと悠悠と橘小学校跡地の件は、正直な所ややこしいです。

2.市政の諸課題について

(1)「みなと悠悠」について  ※キャッチの画はみなと悠悠のものです。

※「みなと悠悠」とは、久美浜町葛野にあるアウルコーポレーション(株)の経営する宿泊施設のこと。元は京都府の老人健康施設「久美の浜シルバーハウス」であったものを老朽化が進んで廃止というところを、久美浜町が府より2002年に無償譲渡を受け、2003年に無償譲渡特約付の無償貸借契約でアウルコーポレーションへ貸し付けたもの。

敷地は湊地域の蛭児(ひるこ)神社の所有であるが久美浜町が1991年より賃貸借契約で借り上げており、その賃借料は市が支払い、同額をアウルコーポレーションより町へ納めるという形となっていた。2004年に6町合併となって、この権利関係が全て久美浜町から京丹後市へ移行された。

神社と市の敷地貸借契約は市と事業者の契約(2003年のもの)が5年経ったら神社と事業者に変更する(借主が市から事業者へ移る)という予定であったが、5年経っても(2008年になっても)神社と事業者の契約ができず、その状態が続いてずっと無償貸借のまま今に至っているという状況。

市から事業者への無償譲渡が予定通りにできていれば、その後の固定資産税(16年分)を市は徴収することができたが、それは実現しないまま今に至っているということです。

 市議会でもこのことが何度か問題になり、市の早急な対応が求められたが神社と事業者の土地賃貸借契約の締結を実現することはできなかった、というこれまでの経過がこの質問の背景となっています。

①「みなと悠悠」は来年4月に閉鎖ということを聞くが、このことで事業者、地権者との間で市に何らかの負担が生じることはないのか? 

②本来想定されていたことが実現しないままの今回の事態であるが、市はそのことをどう認識しているのか? 

永井:市政の諸課題の中の一つ目、「みなと悠悠」について。

「みなと悠悠」、最近の情報として来年の4月に閉鎖をされると聞いた。

 この施設は、いろいろな経過があり本市とも非常に重要な関係のある施設だ。閉鎖ということで、事業者(アウルコーポレーション)と本市と地権者(蛭児神社)の3者の関係の中で、本市に何らかの新たな負担というものが生じるようなことはないのか? 

総務部長:「みなと悠悠」については、令和7年4月5日で閉館をするとHPで確認している。

 閉館された場合、その建物については平成15年3月合併前の旧久美浜町の議会で議決を得た使用貸借契約(無償譲渡特約付)の第16条第1項に、「事業者が使用しなくなったときや、契約が解除となった場合については、事業者の責任と費用において、撤去して更地にしなければならない」と規定されている。それから市が借りている施設の土地の賃借料は、この施設の撤去が完了するまでの間は営業の有無にかかわらず事業者の負担となっている。したがって市には金銭的負担は生じない。

 施設の解体等の時期の詳細は現在でも決まっていないとのこと。敷地については、別のところ(蛭児神社)から市が借りており、その借地代についても、事業者から市が支払う借地料相当額を毎年納入頂いて払っているので実質的に市の負担は生じていない。

 事業者が更地にされた時点をもって、市が借りしている土地についても返すということだ。

永井:何も負担はないということを確認した。

 この事業、本市合併の頃からの継続した課題であった。5年たったら市が事業者へ無償譲渡して、市は所有関係から外れ固定資産税が入ってくると予定されていたのがうまくいかず、ずっと無償貸付での宿泊施設の営業が続いてきた。この課題について、私が紹介者になって令和5年3月に請願も出し、議会でも理事者の側でも「課題である、早急に解決したい」と言われながら、現在に至っているという中で今回こういう事態になった。市長、この件についての見解は?

市長:本件、この間市として施設の譲渡に向けてできるだけの働きかけを行ってきたところでございます。その間は関係者の皆様、そして議会の皆様にも御心配や御負担をおかけしました。

 同時に、貸与契約の目的である雇用や地域の振興にアウル様初め関係者全ての皆様には長年にわたって多大な御貢献を賜ったということで心から感謝しております。

永井:市長、この件に関わっては早期の改善をと長らく言われてきて、なかなかそれが実現しなかった。そのことについてはいかがか?

市長:申し上げたとおりです。いろんな御心配、御負担をおかけしたと振り返ってございます。

(2)旧橘小学校跡地活用について

※旧橘小学校跡地については、2021年8月にその利活用について市がプロポーザルで募集をし、2つの事業者が応募して11月に審査がなされて、デュラクスジャパン(株)と決定しグランピング施設を中心とした事業を旧体育館と旧グラウンドを利用して展開することとなった(土地建物の賃借料は減額条件が重なって年額約70万円)。議会では2022年4月の臨時議会で適切な判断であると承認。ところが、開業が予定より大きく遅れて、2年間の期限ギリギリ(24/4/29)に何とか一部の事業が始められたが来客数は伸びず、8/30には事業者から市へ契約解除の申し出があり、11/30に解除となった。

 永井が9月定例会でこの件を質したとき、「事業計画は適切であったが、市況の冷え込みで契約解除は致し方ない」というのが市の答弁であった。あれこれ手間をかけ格安の賃貸料で認定された事業が、選定に漏れた他の事業者もある中で、「運悪くダメでした」というようなことでいいのかと思い、その後いろいろと資料を調べる中で、「そもそもこの事業の認定は妥当であったのか?」という強い疑問をもつことになったのがこの質問の背景です。

その現場、モノは撤去されました。
  1. 決定された活用事業が実現しないまま契約解除となったが、そもそもこの事業の認定は妥当であったのか?
  2. 契約書は適切なものであったのか?
  3. プロポーザルに参加した事業者への対応は適切であったのか?
  4. この件で市には何の責任もないのか?
  5. 今後へ向けての改善点は何か?

永井:次の問題に移ります。旧橘小学校の跡地活用に関わってです。

 9月議会で私が取上げたように、事業者(デュラクスジャパン)がもう事業をできなくなって契約が解約になったわけですが、この事業、市の方で具体的な事業案、計画をしっかりと審査してオーケーということだったわけですが、実質的には2年間の期限ぎりぎりの最後の日(4/30)に事業が始まり、そして短期間やってやはり無理であったという結果になり、解約。解約は11月30日。このことをいろいろと調べる中で、この事業のそもそもの認定は妥当であったのかという疑問を持つようになりました。

 令和3年の11月24日に審査委員会が行われております。2つの業者が応募され、審査されて一つの方が合格になり一つの方が失格になったということですが、議会に提出されたその採点資料を見ると、採用になったデュラクスさんとそうでなかったA社ということになります。

 両方ともの計画書も読むと、それぞれ力の入った立派な計画書を出されておったと思いますが、A社の方の採点を見ると「有効利用」という項目が105点満点中の6点、「事業収入健全性」という項目が70点中の8点ということで、非常に低い。どちらも「要件を満たさない」というD判定(0点)の審査員の方がたくさんおられる(※有効利用では審査員7人中6人、収入健全性では7人中5人)という審査がされていた。資料をさらに読むと11月19日には、専門の業者に経理状況とか収支計画についても、意見聴取をしておられる。

 この審査の状況は妥当なものであったのかと思うのですが、いかがでしょう?

教育次長:旧橘小学校体育館及びグラウンドについては、その利活用を図るため令和3年8月16日から11月10日の間で公募を行ったところ、2社から応募があり書類審査と利活用審査委員会を経て、令和3年12月に事業候補者が決定されました。

 まず審査については、プレゼンと事業計画書等をもとに、四つの項目、①応募者の適格性、②事業計画の実現性、③事業計画の継続性、④地域への貢献度という観点で採点を行って、最も高い得点であった事業者を事業候補者と決定したところです。

 事業候補者の決定は、こうしたプロセスを経て厳正に審査を実施した結果ですので、もとより妥当であったと認識しております。

 しかしながら昨今のアウトドア市場の冷え込みにより、採算性が見込めなくなったことを理由に契約解除に至ったことは、社会的変化もある中で残念な結果と認識しております。

永井:審査の結果は妥当であったという今の答弁ですが、例えばA社の事業案はグラウンドを使って観光農園、イチゴをつくろうという事業案ですが、それについて施設の有効利用という点で全く適格性がない、要件を満たさないという判断は、どうなのかと思うのですが、それでも適正な判断であったと言われるわけですか?

教育次長:審査の中身、採点の中身にまでは今回言及は控えますが、審査委員会については、議員も承知かと思いますが、関連する市役所の部局の部長級ですとか、副市長が委員になっております(※7人)。そして、客観的な視点の取り入れという意味もあって、オブザーバーとして、福知山公立大学の先生にもお世話になりました。

 また事業者から事前に出していただいた書類の審査に関して、民間の会社にその収支の関係で財務諸表等に基づく審査を事前にしていただき、意見書という形で出していただいて公平正確に審査をした結果ということですので、先ほど申したように事業認定については妥当であったと考えております。

永井:いろいろと思うところがありますが、そういう形で認識しておられるということを確認いたしました。

 契約書に関わることですが、いわゆる(契約解除の)違約金的なものは契約書には書かれていない、そういうものは取れないという前回の答弁(9月定例会)でした。

 ですが、実はこの違約金、契約書に関わって1月に市と業者が相談をしていて、その時に「途中で解約になるようなことがあるかもしれない」というやりとりがあって、そのことも含めて「違約金の条項は入れないでおこう」という確認の話がされたという資料を持っておりますが、そういうことでよろしいですか?

商工観光部長:まず契約書について改めてお伝えしますが、借地借家法や民法に照らし合わせて作成をしておりまして、法曹関係者にも御確認を頂き、この不動産契約の契約書として不備はない適正なものだと確認しております。

 この違約金に関する条項ですが、本件この契約書の第15条の2項に規定をしております。

 今回の解約については、賃貸借契約書に基づいて借受人より正規の手続を踏まえて申出がされておりますので、この違約金の条項に当てはまらないとこれも法曹関係者に確認をしております。

 また本件、契約書第14条の2項ですが、賃借人の契約期間中の解除についても規定をしておりますが、これは即日解約ではなくて解約予定日の3か月前までに申出を行うとしておりまして、申出から解約までの3か月分の賃料を市に対して賃借人が負担をすることとしております。

 この3か月という期間については、民法617条をもとに設定しておりまして、こちらについても適正、適切なものだと確認をしております。

永井:私が問題視をしているのは、作られた契約書の15条のことではなくて、その契約書をつくる段階で、事業は10年というのが一つの目安でもあるし、しっかりとした計画であり事業者だという認定のもとで始められる事業であったはずですが、議会へ議案が出される前の相談の段階でうまいこといかないかもしれないというやりとりがなされて、それをバックにした違約条項についても入れないでおこうということが言われている。

 ひょっとしたら危うい事業ではないかという認識がありながら、この議案は議会に出されたのではないかという思いを持つのですが、いかがでしょうか??

商工観光部長:いや危ういということではなくて、当然、契約書の中の14条に先ほど申し上げた契約期間中の解除についても規定をしております。

 これは解約の方法について規定をしたもので、すぐに解約をするということではなくて、期間をもって解約する、これは民法上も定められた3か月の中で設定をしておりますので、明日から駄目だということですぐに解約するということじゃなくて、解約期間3か月をしっかり持った形で解約するという形、これ適正に行われていますので、解約を承認しているということです。

永井:今回の対応を問題視しているのではなくて、(解約に対する)違約金の内容のある契約にならなかったこと、そこのところが問題だと言っているのですが、そこについてはどうですか?

商工観光部長:契約に基づいて、両者間で賃貸借契約を結んでいるということ、当然市は貸主であり、事業者の方は借主であり、借主としてそれを適正に使うかどうかについては、先ほど教育次長も申し上げたとおり、審査の中で適正に行われているということです。

 あとはその事業の実態ということで今回社会的な事情の中で、どうしても事業継続ができなかったと申出として言われておりますので、ここも適正だと市としては認識をしておるということです。

永井:質問の内容について、契約に違約金の条項についてこれは入れないでおこうという話がなされて、その上で契約書がつくられた。このことが、問題ではないかという指摘なのですが?

※議場より、契約前のことを聞いてるのに契約のことばかりで回答になってないとの声あり。

議長:暫時休憩とします。 ※この間約5分。部長と市長などが相談の様子。

休憩を閉じ休憩前に引き続き一般質問を再開します。

商工観光部長:すいませんでした。

 まず今回契約の中で、違約金という言葉ですが、確かに(解約について)違約金という言葉を使っておりません。使っておりませんが、議員の言われるその違約金という部分については途中で解約をしたことによる賠償的なものと認識させていただいて今まで答弁させていただきましたが、まずこの解約についての条項としてあるということで、特段この違約金条項としての名称を使った記述というものは契約中にはないということであります。それは、一般的な賃貸借契約書の形を取っているということです。

 この3か月というところと、先ほど議員おっしゃいました、そういったやりとりがあったのではないかということでありますが、まずこのときに弁護士と確認をする中で、仮に違約金のような形を取ることできるのかどうかという相談もした中で、それはできないとのことでこの違約金条項については入れておりませんが、解約予定日の3か月前に解約を申し出ることによってこの3か月間は当然賃料が発生をするのでそこが解約賠償のような形で同時に捉えられる部分もあるのではないかという試算も頂いていたところですので、そういったやりとりがあったということは事実としてこちらでも確認させていただいています。 ※ここの説明はとっても苦しい。

永井:私もう時間がないのでこれ以上追及ができんのですが、この件については要するに事業そのものに大丈夫なのかという疑義がありながら、それをカバーするような形の契約になったんじゃないかと思ってしまうということであります。

永井:次の質問にします。プロポーザルに参加し、失格した事業があるんですが、事業計画はしっかりとしたものを作っておられたと思っています。公共財産の未利用のものについてはどんどん利用していこうという市の大きな方針であります。参加された事業者に一つの起業の芽であるという観点から、その後のケアであるとか、もっと事情をいろいろ聞くであるとかそういうことはされたんでしょうか?。

総務部長:本市では市有財産を利活用するために、様々な取組をしております。

 今回の件にかかわらず公募する前段といたしましても、地元自治区に公募物件の利用の紹介、使われる利用・予定がありますかということの紹介、それからまた土地などについては境界を確定をする必要があるような場所もありますのでそういった測量、それから建物がある場合については建設当時の資料収集など、様々な事務処理を行った上でその手続が調ったものから順次、利活用の公募をしているというのが一般的なこれまでのやり方です。

 そうした中で旧橘小学校の跡地については、先ほど来からありますように手続が適切であったと認識しております。

 議員質問のように今回複数の業者から提案があったという中で、1社に決定をしたということです。そういった中で企業を起こす部分ということでのケアということの質問ですが、先ほど申したように様々な手続を経てその場所を公募しているところから、ほかの適地というのがすぐさまということには至ってないという現状ですが、議員の言われる趣旨は十分こちらの方も認識を改めまして、適切な範囲の中で何ができるのかと検討していかなければならないと改めて考えております。

 別の場所を個別に紹介すると、最初に公募した物件との条件の違いや公平性の観点ということもあり、簡単に「ここはいかがですか」みたいなことは言いにくいところもあります。いずれにしましても御提案頂いた事業というのは市のためにとって有意義であるということから地元や民間事業者への働きかけなど、事業化のお手伝いなどもできる範囲での検討も今後必要ではないかと考えております。

永井:いろいろと考えていきたいという答弁でした。

 この件を全体として見たとき、プロポーザルの事業として応募を受け市が適切だと判断してやった事業が、結果としてうまくいかなかった。その判断の過程に甘さがあったのではないか、杜撰な判断をしていたのではないかという思いを私は持つわけです。そのことも含めて今後への改善点というものを考えておられますか?

総務部長:今後の改善点ですが、前提として市有財産の利活用のため、公募によって民間事業者などから事業提案を受け、最適候補者を選定する従来型の方法は続けていくということですが、そのことばかりではなくて、市は未利用財産たくさんありますので、事前のアンケート的な取組をしながら提案を頂くこと、気軽にこういった使い方はどうでしょうという提案を頂いたり、それからまたサウンディングの手法などによって、公募前にどのような利活用ができるかなど、連携推進の観点からも様々な利活用の手法を検討して実施していくことで、より幅広な検討を加え、契約の途中で事業から撤退されないような活用の方法を、今回の件は結果(が良くなかったということ)がございますが、考えていきたいと思っております。

 また今回の旧橘小学校のように、施設の一部のみを貸し付けるということについては施設を活用して事業提案を求めるという、全体的なサウンディングについてはなじまない面もあろうかと思いますが。その施設ごとに適切な方法で幅広く利活用を推進していきたいと考えております。

 いずれにしても未利用財産の有効活用については積極的に行っていかなければならないことから様々な方法で、多くの未利用の財産が活用され、それにより財源確保、地域の活性化、雇用の促進などにも寄与するようにしていきたいと考えています。

永井:地域の活性のために様々なことをやっていかなあかんということは言うまでもないことですが、今回の事態のようなことを繰り返さないようにしていただかないと困ります。

 同じような一般質問をまたせんならんようなことにならないよう、しっかりと認識を新たにしてやっていただきたい。

(3)直営診療所事業について

※京丹後市には国民健康保険直営診療所事業(特別会計)として6カ所の診療所(間人、野間、佐野、野間、大宮、五十河、宇川)があります。そのうち間人と宇川について気になっていることを問いました。

  1. 直営の間人診療所は直診事業全体の中で約50%の経費となっているが、利用者数は全体の10%。今後へ向け、あり方を見直すべきではないか?
  2. 宇川診療所、経費財源に再編交付金が相当額充てられてきたが、再編交付金はもうなくなってきた。今後その分の財源をどう考えているのか?
  3. 宇川診療所は施設の老朽化や安全上の課題があると考えているが、市の考えは?

永井:直営診療所事業についてです。

 直営診療所の事業の中で間人診療所はいわゆる指定管理者ではなくて直接にやっているところですが、この直診会計全体の中の決算で見ると、約半分(50%)の経費を使っています。一方で、そこを利用される患者の方の数を見ると、全体では10%程度をということ。こういう状況がずっと数年間続いているわけですが、今後に向けて在り方を見直していく考えはありませんか?

医療部長:間人診療所の経費率が約50%の御指摘ですが、直診事業、国民健康保険直営診療所事業会計、これ全体の決算額には、指定管理制度の大宮診療所、宇川診療所の事業収入とそれに対する経費が含まれていないため、間人診療所の経費率が高く見えるということになりますが、仮に指定管理施設分を含めた場合については約17%程度と見込まれます。

 また、各診療所に対する一般会計の繰入金については、令和5年度の決算で、宇川診療所が6824万7000円で、全体の約68%を占めておりまして、次いで間人診療所が1732万5000円で約17%、大宮診療所が1017万4000円約10%となっておりまして、診療所の所在地域の人口状況等によって、繰入金の額は変わってきますが、繰入金の患者1人当たりでを計算してみますと、間人が5239円、宇川が5236円、野間が9709円、佐野が2万6622円、大宮五十河が594円となっておりまして、間人診療所がほかの診療所と比べて特別高いというわけではないと認識しております。

 国民健康保険診療施設は、市町村が国民健康保険の保険事業の一環として、民間医療機関の進出が期待できない不採算地区などにおける、医療の確保、それから無医地区と医師不足の地域をなくすなどの必要性から設置をするもので、間人診療所についても地域にとって必要な診療所としてその責務を果たしていくことが、現時点では優先されるべきものと考えております。

 一方で、収支状況については、議員の指摘あるとおりで課題と考えておりますので、経営改善に向けた努力は続けていきたいと考えております。

永井:私も研究し尽くせていませんので細かいところまで反応はできませんが、一定大きな額になっているということと、今国道の整備もされて弥栄病院、ふるさと病院等との距離も間人からはそんなに遠くなくなっています。そして、今後ライドシェアも拡大していくということで交通の便もよくなっていくということも背景にして、今後の在り方については検討に値するのではないかと思いますが、そのような観点を持ちではないですか?

医療部長:繰り返しになりますが、その地域にとって、必要な診療所として今のところは考えているということです。確かに位置的には、弥栄病院、それからふるさと病院等も近い場所ではあるとは思いますが、やはり身近に地域や地域に診療所があるということでその地域を守っていると認識をしておりますので、現時点でそういったことは考えておりません。

※直営診療所事業会計は部長の答弁にもあるように、国民健康保険直営診療所事業特別会計と一般会計からの操出金会計が絡み、直営診療所の中に直営と指定管理(大宮・五十河と宇川)とが混在する仕組みとなっていて、正直とても複雑で明快にその仕組みを理解するのは大変です。永井の指摘する50%と部長の答弁の17%の違いについては、正直なところ研究課題ということになります。

 指定管理は民間事業者(宇川は「社会福祉法人はしうど福祉会」)がやっているため、収支の詳細が公の場には出てこないので容易には分からないのです。この質問は2分しか充てていなかったので最初から更問(サラトイ)する予定はなかったのですが(問題提起だけと思っていました)、時間があっても17%に対抗する情報は恥ずかしながら持っていませんでした。

永井:次ですが、同じ直営診療所事業の中で指定管理でやられている宇川診療所についてです。

裏側がすぐ川です。

 宇川地域にとってはなくてはならない施設となっているわけですが、経費財源にいわゆる再編交付金というものが相当額充ててやられてきております。基金がもう底をついてくる状況の中で、今後についてその部分の財源についてはお考えがありますか?

医療部長:宇川診療所については、平成28年度から社会福祉法人「はしうど福祉会」様を指定管理者として運営開始をしておりまして、令和3年度から第2期の5年間の指定期間管理中ということです。

 この間、当初の平成28年度から指定管理料の財源として再編交付金を活用して創成した基金を、毎年度取崩しながら指定管理料に充当しておりますが、議員指摘のとおり基金の積立金は令和7年度で終了します。

 地域の人口減少、僻地という立地条件の中で、宇川診療所は医療という公益性の高いサービス提供を担っていただいておりまして、指定管理者の努力により運用も支えていただいてる中ですが、行政としても維持支援していかなければならないと強く認識しております。

 宇川診療所の現在の指定管理期間は期間の基金の終了と同じ令和7年度末までであり、来年度には更新手続を予定しております。引き続き、宇川地域での医療提供体制を維持していくよう、財源を担っている再編交付金基金がなくなったとしても、指定管理での運営に必要な指定管理料は引き続き維持したいと考えております。

永井:次の財源も考えておられると確認しました。

 この宇川診療所、非常に貴重な施設であるのですが、建物が少し古くなってきているということと、安全上の課題があります。

 建物の前に丘が迫ってきていて、板を打ってそれを防いでいる形です。後側がすぐ吉野川で、海もすぐそばにあるという場所です。大雨の際、地震の際、いろいろ気になるなあという声を指定管理者からも地域の方からも聞いております。このことについて、今すぐどうせよということまではなかなか言い切りませんが、考えがあればうかがいたい。

医療部長:宇川診療所については、指摘の通り場所については土砂災害特別警戒地域に該当しています。このため、宇川診療所では避難確保計画も策定を頂いて、毎年避難訓練を実施しているということで、安全確保に努めていただいております。

 また建物については確かに老朽化しておりますが、平成10年の建築でして経年劣化、老朽化は当然ありますが、新耐震基準での建築で現時点で運営の法人から建物の安全上の懸念などは聞いておりません。

 来年度予算に向けて、建物設備更新など法人とも確認しているところです。安全の確保に向けては、法人とも相談しながら適切に進めていきたいと思っております。

永井:安全確保第1ということでしっかりと管理をしてやっていただきたい。

 以上、「その2」ですが、1万字を超えています。どなたに読んでいただけるのか・・・。

 窓の外は雪がちらついています。

2025/1/7(火)夕

永井友昭チャレンジダイアリーをフォローする!

ご寄付(カンパ)をお願いいたします

永井友昭が代表を務める政治団体「京丹後宇川の風」へのご寄付をお願いいたします。京丹後市外に在住の方でもご寄付を受け付けておりますので、何卒ご支援のほどお願いいたします。