D232 森永卓郎さんの「身辺整理」を読みました。 25/2/8(土)

話題を一つ。 森永卓郎さんのことです。
テレビで見たりして同じ年の生まれ(S32,1957年)でもある方だし(実は石破さんも)、前々から気になっていて、一度作品を1冊と思っていました。新聞に広告の出ていた「身辺整理」という最近出された本の注文にいつもの本屋へ行ったら、「昨日(1/28)、亡くなられましたね」とのこと。なんと「身辺整理」を済ませて旅立たれたところでした。
2/6(木)に本が届いて、翌2/7(金)の午後に表紙を開いたらもう止まらない。3時間で奥付まで行ってしまいました。200頁で字も大きく漫画コミック並の早さでしたが、内容は素晴らしいとしか言いようがない。
正月明けの報告に寺島実郎さんの本について、「僕がそうではないかと思っていたことをしっかりと書いていただいている」と絶賛したのですが、この森永さんの本は更にその上を行く「やっぱりそうなんだ」と確信を持てる内容で、それがたった3時間でモノにできたという感動までいただきました。
昨年来読んでこれはと思った藻谷浩介さん、寺島実郎さん、岩井克人さんなど名うての論客が言い切れなかったことがバンバン出てきます。
2023年の11/7に原発不明膵臓がん(原発不明とはどこから始まったか分からないということらしい)のステージⅣで余命半年(このままでは来年の桜を見られません)と宣告されてからの闘病生活とあらゆる「身辺整理」の記録がここにありました。闘病によって余命を1年3ヶ月に延ばして、仕事も切りを付けたという事。最後の仕事は亡くなる前日(1/27)のラジオ出演で「体調はよくないです」と行っておられた。この本は昨2024年10/15発行です。
永井の頭に残ったいくつかの言葉を紹介します。
・今の円安、株高は100年に一度のバブル。あと2~3年のうちにはじけて日経平均は3000円、円は91円に向かう。
・だからNISAは即解約し、株や投資は全てやめること。変わらないのは現金と借金だけ。
・本は捨てよ。今読まない本は、これからも読まない。
・友人は作るな。1人で戦え。そうすれば責任も1人で取れる。そして自由だ。
・学生には「夢は持つな、タスク(課題)を持て」と言っている。
・マルクスの説く資本主義の限界は4つ。
1,許容できないほどの格差社会になる。
2,地球湯環境が破壊される。
3,少子化が止まらなくなる。
4,ブルシットジョブばかりになって人びとが仕事に生き甲斐を見いだせなくなる。
※このマルクスの4つ、資本論など3頁も読めなかった永井にあれこれ言う能力はないが、「そうだよなーっ」と思わず声が出てしまう。全くその通りのことが目の前で起きているのだから。京丹後市はまずこの3に何とかして抗わねばならない。
・「もうすぐ死ぬ」は最強のカード。もうすぐ死ぬ人間を、リスクを負ってまで殺しに来る馬鹿はいない。

・だから僕は誰も書けないことを書けた。
昨年垣谷美雨さんの本を28冊全部読んだけど、次は森永卓郎さんの本を読めということらしい。同い年の森永さんより長生きすることになった永井に何者がこういう本を宛がうのか。「ザイム真理教」と「書いてはいけない」を「身辺整理」を読み終えると同時に注文しました。
2025/2/8(土)夜