D240 6月定例会始まる。 長岡小学校、宇川小学校廃止の条例改正可決! 一般質問の内容を報告します。 25/6/15(日)

丹後も梅雨に入りました。昨日も今日も雨の予報で確かに雨ですが、ありがたいことにそこまで強い雨は降っていません。田んぼの稲は株が張って緑を増してきました。永井の田んぼも草との闘いを始めています(絶対に勝てませんけど)。 ※キャッチの画はそのバトルの始まった永井の田んぼ。
6月9日(月)に6月定例会が始まりました。この日の主な内容は、農業委員会委員(19名)、教育長、教育委員(1名)などの人事案件と条例改正、R7一般会計の補正予算1~3号などでした。
複数の条例改正の中に「京丹後市立学校条例の一部改正(議案98号)」というのがあり、これについて質疑と少し長くて重い意見交換を行いましたので、報告しておきます。
この条例の改正は、要するに市の第2次学校適正配置基本計画に沿って、峰山町の長岡小学校と丹後町の宇川小学校の2校を廃止し、長岡小はいさなご小へ、宇川小は丹後小へ合体させる(これを「適正配置」と表現します)という条例改正です(具体的には条例にある学校の一覧表からこの二校の名称を削除するというもの)。
思えば、市の学校適正配置基本計画は、R3年度末(2021年3/31)に第1次基本計画が終了し、それとほぼ同じ内容でこれからの10年も適正配置をやっていこう(複式学級になりそうな学校から廃止して統合する)という第2次基本計画が出されるという市教委の意向が明らかにされる中で、「それは妥当か?」という強い声があがり議会でも大変な議論となりました。
当時永井はこの問題を扱う文教厚生委員会に所属し、第2次計画では適正配置の最短の該当小学校である宇川小学校の近隣に住む議員として、「小規模校の特性を生かし存続させることこそ地域とその子ども達を守る道である」と委員会の議論でも一般質問でも事あるたびに論陣を張りました。
宇川地域では21年の夏にこの件で2回の住民説明会(市長も出席)があり、その中で宇川小の存続をという圧倒的な声(複式学級も特種なことではない)があり、更に11月には宇川全有権者の70%近い「宇川小学校存続」の署名が市へ提出されるということがありました。その結果、12月定例会に出された第2次基本計画に「地域、住民の理解が深まったと判断される」ことが適正配置の条件の一つと明文化されました。
R4(2022)年3月定例会で、この第2次基本計画は可決され(反対は永井を含め6名)現在に至っています。
宇川小学校はR4年からR6年にかけ複式学級が一つという状況の中、従来と変わらずに小規模校の特色を活かした教育実践が行われてきましたが、児童数の減少に歯止めがかからない中、R6年度には保護者の皆さんの「再配置も致し方ない」との声が多数となり、区長会でもその旨を尊重したいという確認と住民説明会でのやりとり(反対の声もあったものの概ね了解)を経て「地域での理解は深まった」と判断されたという経過です。
宇川小学校の児童数は事の始まったR3年に44人でしたが、現実として年々減少し今年R7年は24名で複式学級が2つという状況です。因みに長岡小学校はR3年に63人、R7年は46人で複式が1つ。
永井は、意見交換でこの経過を振り返り、市民、住民、地域の声が画一的な再配置を防いで今日に至ったことを確認した上で、この間宇川小学校の秋の学習発表会を見る中で、全ての子どもが本当に全員主役としてしっかり育っていることを確認してきた、素晴らしい教育が行われている。と絶賛させていただいた上で、今後についてもこの地域に根ざした素晴らしい教育が持続されるよう全力をあげて取り組むことが行政の責務だと述べ、条例改正に賛成しました(全員賛成)。
今回この件で2021年からの経過を改めて調べ直してみると、永井は2021年の3月議会から2022年の3月議会までこの件での論陣を張り続けています。チャレンジ通信の4号から9号にその軌跡が残っています。改めて2021年は宇川の大闘争の年であったと実感した次第です。
しかし結果として子どもたちの減少を止められず、宇川小学校を守ることはできませんでした(宇川の人口も減っています)。市の「児童が少なくなったら学校はなくす」という基本姿勢への疑問は今も変わらずに持っていますが、これが現実です。
同じように再配置の対象校となっていた網野町の島津小学校は、その後生徒数が減ることなく複式学級もなく「再配置」そのものが消えた状況と聞きます。地域作りそのものの状況の違いが背景にあるなと思ったりもします。
小学校の件はここまでにして、もう一つだけ報告します。
予算決算常任委員会の付託となったR7一般補正予算の第3号(議案102号)は予定地がしんざん小学校そばからマインの近隣へ変更された都市拠点について、その予定地購入費や基本計画委託料など約4億5800万円が計上されたものです。
付属資料によると予定地の敷地面積は約2万5000㎡から5000㎡へ(何と5分の1)、事業規模の総額は60.9億円から52.7億円へ(こちらは大して変わらない)と変更されていますが、審査については資料が不足であるとして委員会質疑継続となりました。真水がどのくらいになるのか質問するつもりでしたができないままの継続です。
今やられている増築棟、庁舎整備に次いでまた大きな事業になります。身の丈に合ったものなのか、重い判断を迫られています。
もう一つ、6/25(水)の永井の一般質問の内容を報告しておきます。通告のあと執行部のヒアリングを経て以下のようになりました。 ※は永井の解説コメントです。
2025(R7)6月定例 一般質問16番 通告 無会派 永井友昭
1 新クリーンセンター構想について
※京丹後市の現在のクリーンセンター(ゴミの焼却処分場、峰山町内記)は、H9(1997)年の竣工から28年が経過し、施設の老朽化が進むと共に地元地域との契約期間終了期が迫ってきています。そのため市では今R7年度より新しい施設の研究を始め、R14年度には新施設への移行という方向で事業を進めています。このことから新施設をどう構想していくのかという視点での質問を考えました。
①基本計画へ向けての現在の検討状況は?
②最近注目され実績も示されている燃やさないゴミ処理方法(トンネルコンポスト方式)についての研究はされているのか?
③されているのであれば、この方式についての課題は何か?
④ゴミの絶対量の削減、リサイクル率の向上、CO2対策などは新クリーンセンターのあり方と密接に関わる。市の認識は?
※5月に複数の議員で視察した香川県三豊市では、「トンネルコンポスト方式」というごみを燃やさず処理し資源化する方法に取組んでおり、運用は今年で9年目。ごみの大幅減量、再資源化、リサイクル率の向上(64%、京丹後市は17%)、CO2削減、経費の大幅低減などを実現しています。本市では新クリーンセンター整備に概算で約120億円とのこと。三豊市の方式はあらゆる面で大いに研究に値するものと思われます。
2 市の諸課題について
(1)シカ対策について
※シカが急激に増えており、農地、水田にも影響が出ています。また山林でも低木、下草を食べることで、場所によっては、草木が減って土が見えているところもあり、地面の保水量が減って、降雨時の災害に繋がるのではないかと危惧しており、シカ捕獲の強化が必要との思いを持っています。農地被害の状況、山林の現状について把握していることも説明したい。
①シカが急激に増え被害が激増している。農地と山林の被害状況の市の把握と認識は?
②シカが山林を荒らすことで、山林の状況も変わってきており、降雨時の災害を危惧するが、市の認識は?

③従来以上のシカの捕獲強化が必要と考えるが具体策の検討は?
(2)大型スーパー撤退問題について
※3月に質問した時の内容について、3月は閉店前であったが、閉店となった現在どのような状況となっているのか、市はどのような取組みをしているのか問う。
①市内5か所の店舗閉鎖後の状況は?
②働いていた方の雇用の確保は実現しているのか?
③最も影響の大きいと言われる丹後町の状況は?
④市の支援の状況は?
⑤国の制度の研究はどうなっているのか?
※3月の答弁で、国の支援制度があるので研究すると言っていたが、具体的に進んでいるのかを聞きたい。
(3)宇川地域拠点について
※宇川アクティブハウスについて、当初地元からは改修を要望していたが、市側から建替えの提案があり、その案に沿って地元で合意形成し、その上で基本計画が策定され、その基本計画に沿って事業が進められると地元は認識していた。しかし第1回目の整備検討委員会では、3年以上協議してきたことと違う内容となっていたため、委員会が流れたと聞いている。何がどのように変わったのか、現在の協議はどうなっているのか問いたい。
①基本計画で建替えとされて進んできた構想に変化があったのか?あったのであればその内容は?
②長らく地元との協議をしてきての現在ではあるが、現在の協議はどうなっているのか?
3 米軍・自衛隊等に関わる問題
(1)経ヶ岬の米軍と自衛隊の最新の施設、部隊の増強の状況について
※ 国の防衛予算が激増している(R7年度は8兆7000億円)中で、経ヶ岬の米軍と自衛隊の基地にどういうことが起きているのか(いないのか)を確認したい。地元民にとって、市民にとって非常に気がかりであり重要なことです。
①米軍基地稼働10年を超え、基地の人員の状況は当初からどう変化しているのか?
②市内に住む基地関係外国人の市の把握はどうなっているのか?
③現在、経ヶ岬の自衛隊基地内で盛んに工事がされている。何をされているのか、どのようなスケジュールで行われているのか?
※2013年頃の米軍基地設置の際の説明会で、自衛隊については「基地の増強は考えていない、老朽化した建物の建替えとグランド整備ができればと思っている」との説明であったが、現在日々盛んに何らかの工事が行われている。
④こうした動きも見られる中で、経ヶ岬の自衛隊員の規模は変化しているのか?
(2)米軍の発電稼働について
①3月以降のメンテ稼働とその情報の状況は?
※市として、どのような確認方法を取っているのか
②発電機稼働の地元情報把握体制は整ったのか?
※3月の答弁で室長から検討したいということであった。
③地権者の方との調整はできたのか?
※不満を持たれている地権者の方がおられた。
(3)特別注視区域について
①3月定例会以降、この件で国の調査等はあったのか?
②米軍基地東側の境界付近の新たな杭(コンクリート柱)はこの件(特別注視区域)と関係あるのか?

※今年になってから設置されており、杭が打たれた事情が分からない。
前回永井は最後の18番で25日の午後かと報告しましたが、その後発言者が2名減って16番で25日の3人目となりました。25日の午前中の最後になりそうです。
以上、また永井ものになってしまいました(約4,400字)。
2025/6/15(日)夜