D242 6月定例会終了。 都市拠点の補正3号は、賛否拮抗の中「継続審査」となりました! 25/7/5(土)

 7月に入り連日30度を超す真夏日が続いています。永井の仕事部屋は2階の東向きで朝7時を過ぎたらもう30度という状況、エアコンなしに何もできません。この夏の電気代が思いやられます。

 7/3(木)に6月定例会が終わりました。最終日の一番の案件は、議案102号R7一般会計補正予算第3号でした。その内容は都市拠点整備事業4億8526万円というものです。内訳は変更された都市拠点の用地購入費3億1860万円、工事設計委託料1億2140万円などです。 ※キャッチの画は6/24に市内に折り込みされたチラシ。

 まず結論を先に言います。この議案、予算決算常任委員会で6/9、6/25、と2日かけて審査した上で7/3の最終日に結論をという予定でしたが、結論に至らず「継続審査」となりました。それだけ問題点が多くある議案であるということです。

 都市拠点というのは、京丹後市の中心になるゾーンを整備していこうという大きな計画(グランドデザインとかマスタープランというのがあります)の中の中核となるもので、具体的には峰山町の国道312号線と482号線の交差するあたりを中心に市民が広く寛げる施設、エリアを整備しようというもの(ここに京都縦貫道の取り付け道が降りてくる)。もっと具体的には峰山町のしんざん小学校の南側2.5㏊の広いエリア(現況はほとんど現役の田んぼ)に中央図書館、総合子育て施設、スポーツ文化芸術施設、市民交流施設、市の子育て関連担当課をゆったり配置しようという計画で進められてきたものです。

当初の予定地、赤線の内側、2万5000㎡。

 昨令和6年度に予定地を購入し計画を進める予定だったのですが、その地権者の方々の多くが首を縦に振らず昨年12月にはその当初予定場所を断念し、今年になってから予定地を大型商業施設マインの斜め前の空き地(パチンコ屋さんの跡地)0.5㏊へ変更し、それに合わせて基本計画も変更して(あれこれ縮小して)今回の補正3号になったという経過です。

変更後の場所、5000㎡。

 永井はこの議案を見て、まず「ウワー、重いなぁ」と感じました。何故か? 一つには昨年の9月定例会で市長に対し予定地取得が無理なら移動なり変更なり早く判断せよと事実上督促してきた過去があったからです。その一方で、市の今後の大型事業の内容を詳しく勉強する中で、将来の市の財政が強烈に厳しくなるという実感を持つようになっていたからです。自分が督促もしたこの事業そのものが市の「身の丈」に合っていないのではないかと思うに至っていたということです。

 それで6/25の質疑の際、市長に対し「今年度予算も厳しかった、それに基づいての現在の執行で市民から悲鳴が上がっている。市長は来年度予算へ向け聖域なき歳出レビュー(見直し、再検討)をやるとも言っている。そんな厳しい財政事情の中、最終処分場80億円、新クリーンセンター120億円という大型事業と並行してやらねばならないのにホントに大丈夫なのか?」と問い、「あらゆる努力で乗り越えていかねばならない」という答弁にいよいよその危惧の念が強まったというのが正直なところでした。

 その後最終日の7/3が迫るにつれて、永井の所にこの件で様々な声や情報が届くことになりました。市のサイドからも議員のサイドからも市民の方々からも賛否両方の立場から、情報提供、依頼、懇願から恫喝まがいまでホントにいろいろとお聞きしました。どのお話にも確かに「一理ある」。聞けば聞くほど重くなるばかりという状況に陥ってしまいました。その中で共通して言われたのが、「賛否は拮抗しています。永井さんの判断でコトが決します。」ということでした。

 予算決算常任委員会は委員長を除けば議員18人、賛成が9人、反対8人の状況で「?」が永井さんだけなんです。というのが彼らの共通した分析でした。永井がいわゆるキャスティングボートを握っているということらしい。

 似たような経験を3年前に今作っている庁舎増築棟の議案の時にしました(あの時も9対9)。このようなことがまた巡ってこようとは・・・。いよいよ重い。妙な夜が続きました。

 そんな中で迎えた最終日(早朝にも新しい情報がラインへ)、永井は一つの思いを持って補正3号に臨むことにしました。

 参議院選挙公示の関係で10時半からとなった予算決算常任委員会より最終日が始まりました。傍聴席がいつになく大勢の方で埋まり、3回目の質疑で今日こそ結論をという少し異様な雰囲気の中での質疑が昼食休憩を挟んで約2時間半重ねられました。

 永井はその最後に近い頃に「この計画変更は今年になってから、議会も正式にはこの議案が初見だ。市民には全く知らされていない。それでもやるんですか?」と市長に問い、「とにかく時間がなかった。基本的なことは理解していただいていると思っている」という答弁でした。「6/24の青いチラシ(「風雲急! 都市拠点公共施設整備」)で初めて知った、一体どこで誰が決めたのか、という声が野に満ちている。そんな中でこの議案が通らなければと議会が責められている。責任の所在は場所を変更せざるを得なかったそちらではないのか。」と重ねて問い、市長は「その点の責めは私にあるが、とにかく今でないと過疎債を使えずこの事業が頓挫してしまいかねない。是非ともご理解を。」ということでした。

チラシの訴え。

 質疑もほぼ出尽くし、いよいよ最終手続き(意見交換、討論、採決)かと思われた時、○議員より「これだけ重大な事業で市民への周知も不十分、継続審査としてはどうか?」という動議が出され(△議員と相談の上でだったとのこと)、会派での確認のため暫時休憩となりました。

 再開後、委員長より動議の採用を全体に諮り、異議なしということで補正3号は継続審査となりました。永井も異議なしに同意。こういうことになるのか(なったのか)と言うのが臨場していての実感でした。

 永井がこの最後と思われる審査に臨むに当たって決めていたことがありました。それは意見交換の際に最低これだけは言おうという言葉です。それは、「この数日、この件で賛否両方の様々な方から永井に言葉が届きました。その中に共通していたのが、『あなたの判断で補正3号の帰趨は決しますよ』というものです。これは凄いことで、ある意味議員冥利に尽きることでもあります。が、この永井の掌中に本市の54億円の大事業が乗っているということでもあります。それが本当のことなら、これは異常なことではないですか? そのような事業をここで決するべきではないのではと私は思います。」という文言でした。それを弁ずる機会は訪れませんでしたが、あれこれ考えて最後にたどり着いた(気がついた)思いがこのことでした。悩みに悩んだ末の思いでしたので、この報告に記しておきます。

 実は「継続審査」という考えはこの日までにもあったと聞きました。その意見はまとまらないまま最終日を迎えたということです。それが全員異議なしで継続審査となったのは何故か。この日の質疑の中でより鮮明になった内容から、賛成できないと考えていた人達にとっては、子育て施設などの必要性に異論はない中「ならば否決の後をどうするのか? 場所も時期も今しかないかもしれない。」という思いが前面化してきた。一方で、何とか実現を(賛成)と考えていた人達にとっては、市民合意の薄い突然の変更をごり押しするのはどこか疚しいし、批判の矢面に立たされるのもたまらない。

 このような意識の力学が「継続審査」へというベクトルを生み出したのではないかというのが永井の分析です。明確に否決して、困難は多いにしても新たな道を考えるということでもいいなと永井は思っていましたが、市民の皆さんと共にもっと検討をしようということに否やはありませんでした。

 委員会では、今この補正3号への市民の声を改めて聞いてみようということが検討されています(緊急の「市民と議会の懇談会」など)。詳細は近いうちに広報されると思いますが、とにかく継続です。

2025/07/05(土)夜

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