市の観光事業はうまくいっているのか?

農林漁業、機業関係、金属関係などの業種が長期的に低迷している中で、市の観光業は熱 心な丹後ファンにも支えられ今後も大きく発展する可能性を持った重要な分野です。「海の 京都DMO」というフレーズで府の観光政策の一翼も担って盛んに広報されています。

しかしながら、京丹後市の観光協会(現在は観光公社)は人事問題などで長らく混乱し市 全体の展望をもった観光施策を進めることができてきませんでした。市から多額の助成も受 けており議会でも何度も問題とされましたが、一般市民には何が起きているのか分からない 状態が続いていました。

海岸線を中心とした素晴らしい自然財産を持ちながら、市全体で観光客を受け入れる体制 が極めて不十分です。丹後へ来られる観光客の分析をしっかり行うとともに、地域地域で観 光のために頑張っている方々や独自の取組を市は積極的に把握して伸びる分野を支援して いく姿勢が必要です。
丹後町宇川地域には市の観光指定管理事業として「宇川温泉 よしのの里」という施設が あり(2002 年に営業開始)、観光客にも地元の人にも親しまれてきています。ところがその 温泉が去る 2 月 22 日に突然閉鎖となりました。建物の腐食が進んで危険だから大改修を行 うためということです。改修の終了は 9 月末予定とのこと。観光客がたくさん来られて儲け の中心となる 5 月の連休や夏季に全くこの温泉に行けないということです。宇川地域の夏の観光業に大きな打撃となるのは必定です。昨年のにしがき宇川店閉鎖に続くダブルパンチと なり事態は深刻です。

一体どうしてこんなことになったのか。事業者の日々の施設管理はどうなっていたのか? 監督責任のある市はどういう状況把握をしていたのか? この施設には市から「指定管理料」 として年間約 1000 万円が事業者へ支払われてきています。大いに疑問と不信を抱きますが 事業者や責任当局からの住民への説明は極めてお粗末なものです。

調べてみると、市の観光指定管理事業は年間収支 1000 万円を超えるものが 10 件(2018 年度)あります。その経営状況を見ると黒字のものが僅か 3 件、管理料を差し引いての純粋 黒字は 1 件のみであり、相当額の管理料にもかかわらず赤字もしくは利益が管理料に届かな いところがほとんどです。施設により地域により事情は様々で一概には言えませんが、地域 への貢献度を勘案しながら指定管理のあり方をしっかりチェックし、結果を出しているとこ ろへの事業拡大支援も含めて総合的な施策が必要です。

京丹後で一番の成長産業となる観光業をどうしていくのか、市の姿勢と具体策が厳しく問われています。

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