D77 大宮の計画概要分かる! 磯砂山から峰山方面への尾根全体に14基!! 風力発電所問題、議会でも取り上げる方向か・・? 21/7/27(火)夜
本日7/27(火)の午後、予て報告の大宮町の風力発電計画の説明会があり、出席しました(参加者は20名ほど)。13:30から1時間少しの説明会でした。30分ほど事業者の担当の方(若い女性)が資料を元に説明をされ、その後質問の時間が40分ほどありました。基本的に他所の地域のことなのであまり出しゃばってはいけないと思いましたが、質問者はそう多くなかったのでいくつか聞かせていただきました。それらに基づいて簡単に事業の概要を紹介します。
事業者 自然電力株式会社 2011年設立 九州の福岡県福岡市に所在
従業員 260名 資本金 約6億円
事業内容 太陽光、風力、小水力等の自然エネルギー発電所の発電事業、個人・法人向け電力小売事業 これまでの発電所の開発実績は94万8600㎾ ※ほぼ原発1基分
計画の発電所の名称 (仮称)京丹後市磯砂山風力発電事業
規模 4000㎾級の風力発電機(最大高180mの風車)を14基で、最大主力5万8800㎾
※前田建設の上宇川地域の第2風力発電とほぼ同レベル、この企業としては思い切った規模ではと思われる。
場所は、伝説の山磯砂山の北東に連なる尾根。大宮町の上常吉、下常吉、奥大野の西側に連なる山系の尾根筋にズラッと14基という感じです。環境省の風況データでこのゾーンには年間平均7m/sの北西風を中心とした風が吹くとのこと。
まずは磯砂山の山頂の少し東の尾根に風況観測施設(約60mの観測塔)を設置してこの8月から風向・風速を観測し、10月には経産省のFIT(再エネ電力固定買い取り制度)の入札(この制度は今年から)に参加して、採用ならば正式に申請する。それで認証を受けたら12月より環境影響調査を約3年かけて2022年秋より現地調査、それから建設作業をやって運転開始は2030年という大まかな予定とのことです。事業期間はFITの制限で20年間ということです。
この企業の売りは、売電の利益の0.5%~1%を地域に提供し、まちづくり事業にも貢献したいということのようでした。
質問への回答から
・この事業の総事業費は約150億円。その中で風車1基の価格は約5億円とのこと。これが14基なら70億円。凄い額です。
・事業の20年が済んだら、風車は撤去する。そのための費用は事業総額の5%で7億5千万円、これを事業の20年間で積み立てるとのこと。
・風車の基壇は約4000㎡、60m×60mのコンクリートを打設。その深さはボーリングで強度を調査するが、5m~20m。そういう水平で大きな広場を尾根筋に14ヶ所作って風車を据える。そこへ至る工事用道路も建設。
・それらの作業で出た土砂は、(熱海のような)災害の元にならないように適切な場所に移す(それはどこ?)。
・この広場や工事用道路は20年後元の山には返せないのでそのまま地権者へ返される。
というようなことも分かりました。
要するにこの事業も20年間限定の事業で、それが終われば風車は撤去するが、切られた木々や削られた山は元には戻らない。土砂の管理も極めてあいまいということです。
「最大出力5万4000㎾は4万1000世帯分の電気に当たります。」と言われるので、「それは条件に合った風が偶々吹いたときだけで、風の吹かないときはどこの電気(バックアップ電源)でまかなうのか?」との小生の質問には、いろいろと言われた後「他所から回します」とのことでした。「火力ですね」というと、ニッコリされました。これは要するに地球温暖化対策にはならないということの遠回しな回答ということでしょう。
以上が、説明で分かっただいたいのことです。「まだ決定ではなく、これから調べて条件が揃えばこういうことを目指したい」という前提の元のお話でしたが、総額150億円もの事業を調べてダメなら即諦めますというようなものでないのは明らかです。
前田建設の場合もそうですが、基本的に事業者側にとって都合のいい話しかされないということが今回もよく分かりました。私たちの側に知識が無い限り、彼らは自らの口から都合の悪い話はしないということです。それが無い限り大きな欺瞞は暴かれることなく、「クリーン」の名の下に市民、住民に苦難が降りかかる。そういう構図が見えてきます。
私たちの側の情報と知識をもっともっと増やさねばならんなぁと改めて実感した今日の説明会でした。
もう一件の報告ですが、今日は議員全員が集まっての市庁舎整備のための意見交換会があり、その後に会派代表者会議がありました。この会の最後に「先日(7/12)創明より要望した風力発電所問題に関わる件(議会での情報共有と市長への審議会開催要求)はどうなっているのか」と議長に問いました。「宇川だけでなく大宮にも同様の話が出てきて正に市全体の問題になってきている状況ですよ。」とも付け加えました。
これに対して議長は「返答が遅くなっていて申し訳ない。早急に動く(具体化する)ので今しばらく待ってくれ。」とのことでした。「全協を開いて市の説明をまず聞きましょう」と念を押しました。
明日は、上宇川区長会の市長申し入れに同席します。
21/5/27(火)夜