D101 「チャレンジ通信」6号です!! 21/11/5(金)
10/31(日)に京丹後市全市に新聞折込した「チャレンジ通信」6号の内容を上げておきます。実物の写真とは別に本文原稿をここに紹介します(★はチラシ後の情報)。多くはありませんが今回も色々と反響や御意見をいただいております。ありがたいことです。
チャレンジ6号 原稿
9月議会終了! 風力発電所計画、一般質問に5人!!
10月7日に9月議会が終了しました。R2年度の決算が主な議題でしたが、一般質問では風力発電所問題が大きな論点となり、5人もの議員がこの件を取り上げました。また、環境の審議会や過疎地域持続発展計画など本市の未来へ向けた重要な案件が出されました。今回は永井の一般質問に加えて、現下の大問題である風力発電所関係に紙面を割きました。
1,風力発電所計画
永井:今丹後の山に3つの事業者が巨大な風力発電所を建設する計画がある。その一つの丹後町の計画に関わって市はどのように対応してきたのか?
市民環境部長:事業者の地元での説明会に立ち合い、地元の要請に基づいて市長との懇談の場を持った。「美しいふるさとづくり条例」に基づいて審議会を設け、今後も地元の声をしっかり聞いていく。
永井:市では、今年度「脱炭素ロードマップ」を作成予定だが、再生可能エネルギー、殊に風力発電をこの「マップ」の中でどのように位置づけるのか?
市民環境部長:風力のみならずあらゆる再生可能エネルギーのポテンシャルや将来の消費量を調査し、それぞれの導入目標を定めゼロカーボンへ向けた今後のヴィジョンを示したい。
永井:ゼロカーボンを急いで自然を壊してしまったのでは何もならない。再エネ以外も含めて広く環境負荷全体を考えたロードマップが必要ではないか?
市民環境部長:今回は提案方式を採用する。その中でご指摘の内容も参考にしたい。
永井:風力発電所事業は、どれもFIT(固定買い取り制度)適用による20年間限定の事業であり、20年後には撤去される。市はこれを「持続可能」な事業と考えているのか?
市民環境部長:風力発電の20年間限定が持続可能かどうかは一概に言えないが、風力発電はカーボンニュートラルによる持続可能に寄与しうる。
永井: 20年で終わり、削られた山だけが残されるような事業が「持続可能」などとはとても思えない。「風力発電事業は、CO2削減につながらない。」という指摘をどう考えるか?
市民環境部長:再エネが増えれば発電量が増え電力需要への対応を行う比率が増加し、CO2を排出する火力を利用する機会が減少し、結果としてCO2削減に貢献すると考える。
永井:風力は風が吹かなければ発電しない。そうなれば定格出力10万㎾といっても発電はできない。だからいつでもそれを補填できる火力発電がセットで必要でCO2が出る。簡単にCO2削減につながるような甘いものではない。
2,学校再配置問題
永井:宇川小学校を巡る説明会での保護者・住民からの声は統合に反対する声が圧倒的だ。「保護者・住民の合意」が得られた状況とはとても言えないが、市長はどのように考えているか?
市長:説明会をやって様々な声を聞かせていただいた。この計画を進めるに当たり皆さんの声をどう反映させるか検討を重ねている。
永井:数が減ったから無くすという発想なら、京丹後市そのものが早晩無くなっていくことになる。地域、地域にそれぞれの思いがある。小さくなったから大きな所へという地域もあれば、小さくても今のとこでやりたいという地域もある。複式があってもよいではないか。そういう学校の多様な配置のあり方の可能性はないのか?
市長:全国の事例も調査し検討してきた。複式学級は例外的なケースが多い。要するに統合しづらい場合がほとんどだ。本市とは違う。
永井:私はフレクシブルに多様な形を残しせることがこれからの勁さにつながると思う。市長、今後も合意を重ねてやっていくことに間違いはないか?
市長:再配置に踏み切るに当たっては、地域の皆さんと理解を深め、見極めながらやっていくという思いは変わっていない。
※10/13の宇川小での3回目の説明会でも反対の意見が圧倒的だったが、市長は12月議会への統合計画提案を示した。 ★12/4(金)、市の教育委員会はこの計画案を全員一致で承認しました。
3,「グランドデザイン事業」と合併特例債
永井:6月議会で「グランドデザイン推進事業」の3つが決まった。市は、この事業合わせてどれくらいの予算規模を考えているか?
市長公室長:想定の額は今のとこ持っていない。「都市拠点の在り方」はR4年に基本計画、「網野庁舎跡地活用構想」はR3年に基本構想、「庁舎増築棟整備基本計画」はR3年中に計画策定ということだ。
永井:3つの事業全体の進捗や内容をどこがコントロールしていくのか?
市長公室長:政策企画課と市長公室が全部に関わる。
永井:合併特例債の活用限度額と現在の活用額はいくらか?
総務部長:活用可能額は約394億万円。R2年度末での活用額は約255億円、64.9%の活用だ。残額は約139億万円となる。
永井:R2の「財政見通し」では、これからの事業として網野町ゴミ最終処分場37.8億円、網野給食センター10.4億円などと予定されている。これらの額を139億円から引いた額がグランドデザイン事業に回るのか?
総務部長:そうではなく、過疎債なども色々使いながら全体としてということだ。
永井:本市の人口は、現状でいくと20年後のR23年(2041)には3万8000人になる。これらの事業を全てやって、20年後の市の財政は大丈夫なのか?
総務部長:ご心配のことが起こらないようにやらねばならない。
4,米軍基地問題
永井:6月から7月にかけて全国7ヶ所の軍事施設で「オリエント・シールド21」という大規模な自衛隊と米軍の共同訓練が行われ、経ヶ岬の日米2つの基地でもこの一環の訓練が行われた。この訓練の法的根拠は?
副市長:訓練内容としては自衛隊法81条の2の警護出動への自衛隊の訓練。実施そのものは防衛庁設置法4条1項9号(所掌事務の遂行に必要な教育訓練)ということになる。
永井:この訓練の中に、Tシャツ姿の民間人が何人も撃たれて倒れ、それを武装した兵士が迎撃しながら救護するというようなものがあった。これは基地周辺の住民が攻撃されることを想定したものか?
副市長:指摘された訓練は承知していない。
永井:実際にやられていた。その目的が気になる。調べていただきたい。もし一般住民を想定するものなら、それは今回の訓練の域を逸脱している。
副市長:問い合わせたい。 ★その後防衛局より「あれは民間人に偽装したテロリスト対策の訓練」との回答を得ましたが、武装部隊が民間人をどんな時に撃つのか、とても不自然な説明で更なる質問をしています。
永井:今年6月に成立した「重要土地利用規制法」では、経ヶ岬に展開する日米の基地は、注視区域、特別注視区域の指定地に入ると考えられるが市の認識は?
副市長:まだ情報は得ていない。政府の予定では、来年5月までに区域設定の基本方針を検討し、9/1より全面施行で注視区域の公示がなされる。
永井:日米共同訓練への参加施設であることを考えると「特別注視区域」に入ることは十分に予想される。それに向けての準備を市は早急に行え。
市長:そのつもりでいる。事態の推移をよく見ながら、市民の安全安心に懸念があればしっかりと要請していきたい。
永井:SDGSということが喧伝され、「持続可能なまちづくり」と事あるたびに言われます。丹後の山に大きな風力発電所を作ることはその理念から考えてどうなのか。小さな小学校をただ数が少ないから無くしていくことがその理念に合うのか、年に700人以上ずつ人口が減る中でやるべき事業は何が優先されるべきか、京丹後市が未来に生き残るために、この数年が最後の選択の時となります。私たちはよく考えて賢明な判断をしなければなりません。
9月議会重要案件
① 風力発電所問題 ※風力発電所計画の一覧表
今年度になって、丹後半島(2市1町)の山々になんと44基18万㎾の風力発電所計画が突然に明らかになりました。本市の予定地は丹後町の依遅ケ尾山系と大宮・峰山町の磯砂山系です。160m~180-mもの高さの風車を丹後町では15基、磯砂山系では14基、それぞれの尾根筋に山を削って建設しようというものです。
これらの事業はいずれも国の補助制度を利用しての20年間限定のもので、事業が終われば風車は撤去され尾根を削られた山だけが返されます。また、不安定な風力発電にはそれを補助する火力発電が欠かせません。そのままCO2削減というわけにはいかない事業です。丹後の山々はどこももろく、地滑り頻繁の土質です。
市は予定地地元の強い要望を受けて「美しいふるさとづくり条例」に基づく審議会を開催し、2つの事業計画についての審査(市長が府へ上げる意見書へ答申)を行うことを決定しました。一方で事業者は国への補助制度申請のための地権者対策や建設へ向けてのアセスメント調査への準備を急いで進めています。
この発電所計画、本市全体にかかわる大変な問題ですが、未だ広く市民に皆さんには知らされていません。会派創明は、計画を知った7月よりこの件を議会で取り上げ事業の詳細や問題点を明らかにすべきだと要望してきましたが、未だ実現していません。
そのことを求めた労働団体の請願は、10/7の最終本会議で採決の結果12vs7で趣旨採択となりました。永井はこの請願を採択し早急に議会は調査に乗り出せと論陣を張りましたが、議会としては当面取り上げないということです。この重大な案件を議会は坐して眺めているのか、とても歯がゆい思いをしています。
② SDGS未来都市計画 ※SDGSウェディングケーキの図
本市は今年5月、国のSDGS未来都市に選定されました。国連の推奨するSDGSの17のゴールを現実化し「持続可能なまちづくり」を目指す本市の「京丹後SDGS未来都市計画」が9月議会で説明されました。このSDGSの全体構造はウェディングケーキという形で示されています。その一番大きな最下層の青と緑の円が環境です。緑の色が象徴するのは森林です。これを壊して「持続可能な」SDGSの未来都市を築くことはできません。森林の保全はCO2削減のベースです。
③ 議長の発言問題
一般質問のトップであった鳴海議員の質問終了後に、金田議長から質問に問題意識が弱いとの指摘発言がありました。それに対して他の議員より不適切ではないかとの声が起こり、会派代表者会議などでの調整を経て議長は発言を取り消し謝罪されました。永井はこの件で、議長の発言は議場の整理権を越え、議員の一般質問そのものを侵害するもので納得できないと主張しました。
9月議会を終えて・・・
一般質問に関わる議長の発言問題と、風力発電所計画問題の2つについて議員の皆さんの声を聞きながら、議員の使命とは何なのか、付託を受けるとはどういうことなのか、と考え続けた9月議会でした。
(N)の一言
会派の代表者として、何故か新人の小生が汗をかくことが起こりました。やるべき事が増えるばかりです。
21/11/5(金)朝