D100 前田建設さんへの「公開質問状」です!!   21/11/2(火)

 10/28(木)の夜に前田建設工業さんへ提出された、丹後第一、丹後第二風力発電計画への公開質問状は以下の内容です。「丹後の風力発電を考える会」の了承を得ましたのでここで紹介させていただきます。8月に永井も参加して出した磯砂山風力発電所計画への自然電力への公開質問状を参考にされ、いろんな方からの意見も聞かれてまとめられたとのことです。回答期限は11/12(金)ということで、回答が寄せられたらそれも紹介させてもらう予定です。

 磯砂山風力発電所計画についても、市民のグループが新しい質問状を検討しておられると聞いています。そちらも是非実現して欲しい。

2021(令和3)年10月28日

前田建設工業株式会社 代表者 様

丹後の風力発電を考える会 

御社が丹後地域で検討されている風力発電事業について(公開質問状)

 謹啓 

 御社は現在丹後地域で二ヶ所の大規模な風力発電所を計画されています。7月と8月にそれぞれの地元地域で関係者への説明会を持たれたと聞いております。しかし、私たち一般住民にはその計画の概要も詳細も知らされていません。合計27基、11万㎾という大規模な風力発電所を丹後半島の中心部のいくつもの尾根に建設するという事業は、その環境に及ぼす影響、生活や社会にもたらす影響・不安、引いては丹後地域の未来に関わる重大な問題であると考えます。その計画が住民のよく分からない間に進められるということはよくありません。

 私たちはこの風力発電所計画について多くの疑問や不安を持っています。この度、それをまとめて御社へ質問をさせていただきます。

下記の諸項目について真摯なるご回答をいただきたく、ここに文書でお願い申し上げる次第です。

Ⅰ 御社の基本的姿勢について

1 この度の御社の風力発電所計画は、再生可能エネルギーの推進を図り、地球温暖化対策、地域貢献、地域活性化に寄与することを目的とされていますが、国のFIT制度を利用した20年限定の事業であり、丹後地域の自然を大きく改変する内容となっています。この事業が「持続可能な地域づくり」に直接に繋がるものであると考えておられますか。

Ⅱ 発電事業に関して

2 御社が計画されている丹後第一風力発電所、丹後第二風力発電所の発電事業の総事業費はいくらですか。また、年間収益は概算でどれだけを見込んでおられますか。第一風力、第二風力それぞれにお答え下さい。

3 その根拠として、年間どの程度の風量(どの方向の風、どの強さの風が、年間を通じ何時間)があることが想定されていますか。第一風力、第二風力それぞれにお答え下さい。

4 風車用敷地及び作業道路など発電所に関連する土地は地権者とのどのような契約で取得される予定ですか。その契約形態(売買、賃借、地上権設定など)と契約期間をお答え下さい。

5 第一風力12基、第二風力15基の風車の詳細な建設場所は、それぞれどこを予定しておられますか。また、建設予定場所の現況はどうなっていますか。

6 御社が建設を予定されている地域は、過去に地崩れ等が頻繁に起きている地域ですが、そのことについてはどのように考えておられますか。

7 丹後半島では過去に京都府が太鼓山ウィンドファームを建設し失敗をした(原因は落雷や事故等)という経験がありますが、同様の失敗を繰り返さないことを保証できる根拠がありますか。

8 事業期間は20年間とのことですが、その理由は何ですか。延長もあり得ますか。

9 事業の終了後、風車は撤去され更地に戻すと聞きますが、その費用はいくらを予定していますか。その費用はどのようにして準備されますか。

10 撤去した風車は、その後どのように処理されますか。切断して埋設するとも聞きますが、そうされた場合土壌汚染などが発生すれば補償の準備がありますか。

11 更地に戻すときに風車の基壇と打ち込んだ杭等も同様に撤去されますか。

12 風車撤去後の跡地、及び設置のために整備された作業道(建設用道路)は、事業終了後どうされますか。その土地の所有権はどのようになっていきますか。

13 風車設置準備中、及び20年の事業期間中に御社が事業に行き詰った場合や倒産された場合、風車やその関連施設はどうなりますか。

14 この事業で発電される電気は地元の自治体内で使用されますか。

15 この発電事業による地元地域への利益還元はありますか。あるとすれば収益の何%ですか。

16 15以外にこの発電事業による地元自治体のメリットはありますが、あれば具体的に答えてください。

17 この発電事業による地元地域や地元自治体のデメリットはありますか。あれば具体的に答えてください。

18 この発電事業について、事前に広く住民(市民、町民)に対し説明会を行い疑問等に答える用意はありますか。

Ⅲ 発電設備の建設工事等について

19 発電に使用される風車の1枚の羽(ブレード)の全長、羽を取り付ける柱の全長、完成時における基壇からの最高長はそれぞれいくらですか。

20 予定されている風車(4000㎾級)1基の価格はいくらですか。

21 風車の部材や機材等の搬入、建設工事全般に際しての国道・府道等の経路(ルート)は、どのように計画していますか。その使用する道路の周辺住民への影響はどのように考えておられますか。

22 国・府道等から建設場所まで搬入や工事のための新たな道路が必要ですが、その経路、幅員、延長等はどのように計画していますか。

23 風車の機材や部材は、どのような手段で運搬されますか。

24 1基の風車の基壇の大きさは縦、横、深さ、それぞれいくらになると見込んでいますか。また、1基当たりの必要工事面積、及び掘削深度(打ち込む杭の深さ)はいくらになりますか。

25 作業道路及び風車設置のために山を開削することになりますが、その開削工事によって出る土砂の量は第一風力、第二風力それぞれにどれだけを見込んでいますか。

26 開削によって出る土砂は、どこへどのような手段で運び出し、最終的にどのように処理されますか。

27 作業道路及び風車設置のために大量の樹木を伐採しなければなりませんが、その量はどれくらいを予定していますか。そのことによるCO2の増加量はどの程度と予想されていますか。

28 第二風力を予定する山地は、依遅ケ尾山系を含み古代より地元では「聖なる山」とされてきた地域ですが、このことをどのように考えておられますか。

29 長期にわたる建設作業に伴って、使用道路の周辺住民には大きな迷惑が予想されます(道路が狭く人家が道に隣接)が、その対策はどのように考えておられますか。また具体的な被害が出た場合、補償についてはどのように対処されますか。

30 建設作業に伴って、土石流等の土砂災害などの災害防止はどのように行いますか。

31 万が一、この建設作業によって災害等が発生した場合、補償等についてはどのように対処されますか。

32 この建設作業によって農産物、海産物、観光業などに被害が出た場合、補償等についてはどのように対処されますか。

Ⅳ 発電事業の周辺への影響について

33 建設される風車と近隣の住民居住地域との距離はどれだけありますか。風車から一番近い住居は第一風力、第二風力それぞれにどこにあり、距離はいくらですか。

34 風力発電事業にともなう騒音、低周波、振動、シャドーフリッカー等の被害についてはどのように考えていますか。事前事後に詳細な調査をやって、その結果を公開される用意はありますか。

35 事前事後に周辺住民への聴き取り調査を行い、その相談に応じる用意がありますか。

36 風力発電事業にともなう騒音、低周波、振動等で住民の健康被害などが起こった場合、補償される用意がありますか。

37 丹後半島は鳥類の生息飛来の多い地域ですが、その実態の把握とバードストライク等への対策はどのように考えておられますか。

38 風力発電の影響で猪や鹿などの農地などへの獣害が増えるということを聞きます。このことへの事前の対策はどう考えていますか。またその被害への補償をされる用意がありますか。

39 丹後半島の山地は国定公園に指定され、ツキノワグマやクマタカなど稀少な動物が生息しています。そのことをどのように考えておられますか。

40 発電事業終了後、その跡地で法面崩壊や土砂流出などが起こった場合、復旧などの補償をする準備はありますか。

41 発電事業終了後、改変された景観をもとに戻す計画はありますか。

 以上の項目について、本年11月12日(金)期限で、文書による回答を求めます。

 なお、この質問状、及び御社からの回答については、報道機関等へ情報提供することもあります。               敬具

21/11/2(火)昼

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