D180 丹後に仕事はないのか・・!?
3/29(水)に3月定例会が終了して、4月5月はいろいろと勉強した期間でもありましたが、ほとんどその内容を報告できておりません。今日は明日の〆前に発言通告を目をつぶって出したので、少し余裕をかましてノートのメモを読み直し、表題のような報告を1つまとめてみました。
5/11(木)の夜、恒例の「市民と議会の懇談会」があり永井は第1班で(因みに副班長です)久美浜会場の担当でした。今回は3月定例会の報告と「市政20周年 これからの地域づくりについて」というテーマでの懇談となりました。
永井が担当した第4テーブルには地区の区長さん方と一般の方が参加されていたのですが(6人)、その一般の方のお一人に若い女性がおられて、とても興味深い話を聞かせていただきました。
その方は今年3月に久美浜に4人の家族(夫婦と子ども二人)で移住してこられて、仕事を見つけられ子育てをしながら暮らしておられるとのこと。友人が久美浜にいて「いい所よ」と聞いて来てみたら本当にいいところでとても気に入って夫婦で移住を決意し、家を探して3月に転居してきたばかり、子ども達も喜んで学校に行っていますとのこと。
その話の中で、ここへ来るに当たって地元のいろんな人と話をすると、必ず「仕事がないよ」ということを言われた。でも来てみたら仕事はいっぱいあって主人も私もその中から選んで仕事をしていますということでした。
丹後で「仕事がない」という言葉は本当に耳にタコのできるほどよく聞きます。特に丹後出身者がUターンで帰るという時に「仕事がなくて帰れない」ということがよく言われます。その親御さんから「子どもを戻したいが仕事がない」という言葉は常套句のように耳にします。また、企業誘致による雇用の創出をということが議会で言われることもよくあります。
一方、最近の議会の質疑などの中で宿泊観光関係の人手不足、医療・福祉・介護関係の人手不足、土木建築関係の人手不足、教員不足、農業の後継者不足、森林組合の人材難、更には市の技術系職員の常態的欠員など「働いてほしいが人がいない」ということが取り上げられた例は枚挙にいとまがありません。
先に紹介した女性の言葉や市議会での議論と丹後地域でよく口にされる言葉と一体どちらが本当なのか?
5/25(木)に会派創明の政務調査の一環で峰山のハローワークへ最近の丹後の雇用状況を聞きにいきました。そこで知った最近の雇用状況は以下のようなことです。
R5年3月の数字で峰山ハローワーク管内(京丹後、宮津、与謝野、伊根の2市2町)では、有効求人倍率が1.48倍。府全体が1.21、全国が1.32ということですので高い。これを直近の3月期だけの新規求人数(821人)と新規求職者数(364人)で見ると、有効求人倍率はなんと2.26倍という超売り手市場なのです。所長さん曰く、「京都府は北へ行くほど求人倍率が高いです」。
産業別の求人数を見ると、新規求人821人の内訳は建設120人、製造98人、宿泊97人、医療98人、福祉介護83人などとなっています。職業別の求人数と求職者で見ると、倍率は保安31倍、建設11.5倍、サービス4.3倍、農林漁業4倍、専門職・技術職3.3倍、生産2.32倍などとなっていて、どことも人が全く足っていないということが数字でしっかり示されています。
創明の調査では同じ日に丹機さん(丹後機械工業協同組合)にも行って最近の状況を聞きましたが、そこでも求人を出しても全然人が来てくれんとしきりに嘆いておられました。また、来てもやめる人が多いとのこと。昨年の新卒就職者は高卒で12人、大卒はほぼゼロとのことです。
これらの事々から勘案するに、客観的に丹後に仕事はある、人は各分野で求められているのです。仕事がないと言われる方は、要するに選り好みをしている、高望みをしているということではないのか。一体どんな仕事を求めて、仕事がないと言っておられるのか。賃金については確かに全体に高くはありません。売り手市場でも簡単に高くはならないとのことでした。ですが、特にUターンなど家族がいたり家があったりして生活費などは有利なことが多いのではと思われます。
永井が思うに、特に丹後に住んできた人の中に丹後は田舎、遅れたところ、自分の子はどうであれ都会にいてほしいというような劣等感情のようなものが働いているのではないか、それが仕事はあってもないないなどと言わしめているのではないか。丹後を自然以外何もないけどそれが素晴らしいと移り住んで来られる方々と、そこが決定的に違う。京丹後の各地に丹後に魅力を感じて住み着いた方がおられます。
実は懇談会の永井のテーブルの出席者には区長さんで、かつて仕事で久美浜に来ていて気に入ってそのまま住み着いた(平成20年代後半)という方がおられて、私の同僚には他にも3人久美浜に住み着いていますとのことでした。
人口減少の中、移住定住の促進、子育て支援ということが今市の大きな課題となっています。今更ながら、京丹後に移り住んでこられた少なくない方々からしっかりと話を聞いて、その魅力とは何なのかを分析し、ネイティブの者達の思いとぶつけて検討し、発信することが今こそ大切なことなのではないかと思えてなりません。丹後に仕事はあるのです。
23/6/5(月)夜