D189 一般質問のまとめがようやくできました。 9月定例会も最終版です!  23/9/29(金)

 例年より遅い彼岸花が咲いてきました。一般質問のやりとりをようやくまとめましたので報告します。

 一般質問後、産建分科会での決算審査の詰めがいろいろとあり、個人的な研修や勉強もあって、中々自分の言葉と向き合えませんでした。一般質問は、市長を始めとする執行部の答弁が胆であるのは言うまでもないことですが、実は自分の発した質問の言葉こそが一番の問題なのです。だからそれに向き合うのには気合いが必要でやっとそれができたということです。報告ではアカンなというところは適当にカバーしていますが、今回もいくつもありました。

 以下、永井の9月定例会一般質問のまとめです。

令和5(2023)年度 京丹後市議会9月定例会 

一般質問 発言順位8番 永井友昭(創明) 23/9/14((木)

発言順位8番 「創明」の 永井 友昭 です。    

 定例会での質問、回を重ねて14回目となりました。何度やってもうまくなりません。議員に成り立ての頃は4年間で16回の質問、遙かに遠いなぁと思ったものですが、今回が終わればあと僅かに2回しかありません。とっても大切な時間であると思っております。今回も野の声をもとにということですが、今回は提案的な内容の目立つ質問となっております。

1 風力発電所計画、ゼロカーボン、ゾーニング等について  

① 風力発電所関係

永井:自然電力は、8/15(金)に正式に事業計画の廃止を通知してきたと聞いているが(中止連絡は5/19)、6月議会の答弁で、引き続き要請を行うとのことであった市の説明会の要望はどうなっているのか?

浜副市長:審議会、市の両者から説明会を求めてきた。6/24には上常吉地区で説明会があり、6/30開催の審議会へ向け審議会、市より再三説明会の要請を行ったが、書面以上のものはないと辞退をされ、6/30の審議会でこれ以上の要請はしないと判断されたので市もそれに合わせることとした。

永井:あれほど強気であった彼らが何故諦めざるを得なかったのか、本市には他にも大きな計画の残っている中で、このことの解明はとても重要な事である。「ああそうですか」というような軽いものではない。 ※答えは見えるのでそれ以上は追求せず。

✋風況調査跡地のPPを紹介しながら

風況調査跡地

永井:磯砂風力の風況調査の跡地は現在伐採されたままの裸地が広がっている。周辺は植林された細い杉の密生林で、見ていただいてのように未間伐の状態だ。市はこの場所をどう認識しているのか?

農林水産部長:跡地の管理は土地所有者の下常吉区が責任をもって行うことになる。区に確認したところ、伐採された木は一定の場所に集められ危険な状態ではないとのこと。市としても区と連絡を取りながら経過観察を続けていきたい。

永井:5年間は経過観察をということを私も聞いているが、一方で3年経つと切った木の株が枯れて、周辺が未間伐の密生林であるということと相まって、昨今の強烈な雨が降ればとても危険だと思われる。最近言われている豊かな森を育てる、森林環境整備、防災・減災の点などからも森全体の間伐とこの場所への広葉樹の植林というようなことは考えられないか?

農林水産部長:伐採工事の跡地には造林の計画が立てられおり、それによると自然に植物の種子が落ちて天然更新する、天然の力での再生を見守るという計画となっている。5年後(R7.3月)に適切な造林ができなかった場合は植林等を行うということだ。

 ※放置するという「造林計画」らしい。

永井:事が起きた時には遅い、総合的な対策が必要ではないか、心配である。 

永井:前田建設の6月議会以降の動きは?

市民環境部長:動きはない。「方法書」等は未定である。

永井:前田建設(現在は名称が(株)インフロニアホールディングス)の今年の投資家向け資料(23年3月期)によると、再エネインフラは売却を前提として作られているとのこと。R4年度も22年6月に秋田県の八峰(はっぽう)風力発電所を売って大幅な増益増収で株価がアップとのことだ。完成してからというのでなく、工事中でも計画段階でも最も利益の上がるときに売るというやりかたである。説明会での担当者の「責任を持って作り、管理します」という言葉とは違うこの企業の姿勢であるが、市はそういう情報を掴んでいるか?

市民環境部長:今言われたことを含め企業の動向は常に掴むようにしている。

②太陽光発電所条例関係

永井:昨年、太陽光発電についての本市の条例ができたが、条例制定後の申請、事前審査、新設などの状況はどうなっているか?

市民環境部長:条例制定後事業者からの問い合わせが数件あったが、届け出に至るものはない。

永井:既に設置され稼働している太陽光発電施設についての苦情等はないか?

市民環境部長:特に聞いていない。

③ゾーニング関係

永井:現在行われているゾーニング作業、促進地域の絞り込みがやられていると思われるが進捗状況は?

市民環境部長:R4年度より2年の事業としてやっている。今年度はコウノトリやアベサンショウウオなどの希少生物の現地調査や保全エリア、調整エリアに入っていない促進候補エリアにおける意向や実現可能性をアンケートやヒアリングで確認しつつゾーニング報告書としてとりまとめる予定だ。

永井:最近区長さん方に取られたアンケートでは希望の地域もあるのか?

市民環境部長:現在整理中である。

永井:希少な動物や植物などの情報は新しく出てくるものもあると思われるが、それは今後どのようにマップに反映されていくのか?

市民環境部長:いろいろと調べて反映させていきたい。

④小水力発電関係

永井:市の「脱炭素ロードマップ」では、本市の今後の方向として太陽光発電と風力発電が◎とされ、小水力発電は△とされているが、本市の将来を見据えた時、小水力発電はとても重要と考える。本市でも研究が必要ではないか?

市民環境部長:小水力発電は安定かつ長期的な電力供給が可能であるというメリットの一方、地域が限られる点や、水の使用に関する難しさや日常的なメンテナンスの必要などの課題もある。また発電コストか太陽光などに比較すると高い、約2倍から3倍程度という事が言われている。本市の小水力発電のポテンシャルは環境省のデータでは年間約525㎿hで全体のポテンシャルの0.01%である。今後も再エネを最大限活用していくという視点に立って他地域の情報や最新の動向の把握に努めていきたい。

永井:発電コストはいろいろな計算方法がある。水力発電所は一度作れば20年とかいうケチな世界ではない。宇川上流の小脇水力発電所は大正9年(1920)の創業以来100年以上営々と発電を続けている安定した発電施設である。本市は山も川もたくさんあり小水力発電の技術も進んできている、是非ともしっかりとした研究を進めていくべきだ。市長の見解は?

市長:水力についてはとても魅力であるということで検討の当初から注目している。本市は様々な水のある環境(山川だけでなく上下水道なども含め)を有していてその可能性を考えながら検討を続けている。部長の言ったように様々な課題はあるが、この分野にも積極的に向き合っていきたい。

永井:スパンを長くしてみるととても大切である。市でもしっかり研究していっていただきたい。

※水力発電のコストが太陽光の2倍~3倍という部長の説明だが、コストは計算方法によって大きく変わる。100年以上使える小水力と20年でFITが切れたら取り壊す太陽光や風力と、100年の視点から見れば小水力のコストは遙かに安い。

★一から再検討となっている「地域新電力」だが、再エネの地域循環、地産地消、自立分散型電源という目標(過疎地域持続的発展市町村計画 R3,9月策定)を考えるなら、不安定な太陽光などを支えるベース電源が不可欠である。それを可能にするのが自治体レベルでは小水力発電である。丹後町の宇川上流の小脇発電所(800㎾)は100年以上(1920年、大正9年三丹電気が建設稼働)にわたって安定した電気を生産し続けている。今その技術もとても進んできている。一度作れば20年云々などとケチなことをいう必要はない。山と谷と川と様々な水路に恵まれた丹後各地域に小水力発電を導入する研究は本市の将来へ向け極めて重要だと思うが市の見解は? という質問を準備したが時間が押して上記のような質問になった。

2 市政の諸課題について  

✋防災倉庫のPPを紹介して

防災倉庫、撤去工事が始まっています。

①防災倉庫解体撤去について

永井:防災倉庫について解体撤去の応募者があり入札成立と聞く。良かったと思っているが、このことで市の経費負担軽減はどの程度か?

総務部長:防災倉庫の解体撤去については、R5年度予算で6900万円の工事費を予定していたのでその必要がなくなり、応札額は税込み330万円ということで、合計7230万円の経費節減となる。但し、真水(実質負担)で見るなら6900万円は合併特例債の対象ということで30%の負担となり、1965万円(? 単純計算なら2070万円だが・・)でこれに応札の330万円を加えた2300万円程度が経費削減ということになる。 

※総務部長はこのあと2600万円に訂正したが、どうも混乱している。おそらく2070万円足す330万円で2400万円ということであろう。

永井:庁舎増築棟については、その予定地として防災倉庫の場所をという話は当初からのものだ。今回いろいろな議論を経て入札売却が実現したわけだが、私は「再利用ができないものか」ということを何度も問い、「できない、ムリだ」という答えであった。それが結果として今回売却が可能となり多額の経費削減を実現した。この経過の中で市として反省すべき点があるのではないか? 

総務部長:議員からの重ねての指摘はあったが、当初から防災倉庫の移築は不可能であると判断していた。その後いろいろな事があって、建物だけの解体撤去という極めて特殊な入札を行ったところ応札をいただいたということだ。今後については事前の情報収集を行って様々な事情を十分に吟味し、市にとって最適かつ適切な財産処分に努めていきたいと改めて感じている。当初からこの手法を用いるべきではなかったかという指摘については、時間的な余裕もなくそういうことは難しいという判断と、予算段階でそれを求める業者の声を掴めていなかったということもあり検討はしなかったということである。当初予算で承認をいただきながら6月定例会で異なる内容となったということ、申し訳なく思っている。

永井:反省すべき点はなかったかと聞いたのだが、今の答弁であったと理解していいか?

総務部長:今回のケースは極めて希な例であるが、ニーズなどの状況把握が当初予算後になり予算計上後の財産処分に時間がかかったということだ。反省すべき点としては、市の多くの財産処分について最適適切なあり方を過去の先例にとらわれず柔軟な発想で対応していくことが大切だと再認識したということだ。

永井:反省すべき点はあったと確認する。野の声をしっかりといろんな形で集めることができていなかったと指摘をしておく。

② 京丹後デジタルポイントカード事業について

永井:現在「あり方検討会」がやられているが、議会の指摘した2つの課題(カードの利用促進と加盟店の増加)に対する検討の状況は? 

商工観光部長:6月議会でご意見をいただいた(※6号補正についての議会からの附帯意見のこと)。1点目がカードの利用促進や市民への周知、利用指導の充実、2点目が事業者に向けて利用しやすいシステムの検討をということで、現在デジタルポイント協議会内に「京丹後デジタルポイントあり方検討会」を設置し対応のための検討を進めているところだ。

 関係団体などに入っていただいて8/1に1回目のあり方検討会をやり、具体的な課題の洗い出しでご意見をいただいた。加盟の事業者、退会された事業者へもアンケートを行って分析を進めている。9/8には2回目の検討会をやって、洗い出された課題への対策について議論を行っている。市内の商店街とも同時に調整を行っている。今月末に議会で承認いただいた買い物支援ポイント(補正6号の中の事業)についてその周知を図りながら実施していく予定である。それが途中経過だ。

永井:この件に関わって、8月に産業建設常任委員会で視察に行った。「地域通貨事業」で成功している自治体の勉強をしてこようということで3ヶ所を回ったうち、私が担当した広島県安芸太田町の例を紹介したい。

✋PPで「morica」の紹介をした上で、

いただいた資料から。

 安芸太田町は広島県で人口最少(5万2000人)、高齢化率は最大(52%)という山間の自治体。この町で昨年12月に地域通貨「morica」というものを市民全員に配布。配布時に1人当たり7000円分のポイントを付与し、チャージをすれば1%が付くというカードである。その使用率が発行の昨年12月から今年6月までの7ヶ月でなんと96%、使用者の率では87%ということ。町内ならどこまで乗っても一律700円という定額タクシーの利用もこのカードでできる。更に町立病院での支払にも使える。加盟店の負担は精算時に1%のチャージを払うだけ(PayPayの2%より安い)。関連機器は市から加盟店へ無料で提供されている。加盟店は約70だが、町内事業者の5割くらいで大型店も加盟している。今後この「morica」を使ってデジタル関係の行政サービスを拡大して行きたいと言っておられた。

 こんなことを勉強してきたが、紹介したようなa住民全員へのカード発行、b当初のポイント付与の大胆さ、c参加事業者の負担の軽さ、d行政サービスの付加などがその成功の要因と思われる。これらの点についての市の認識はどうか?

商工観光部長:この地域の取組については特にお年寄りが使いやすい仕組みになっているという点が我々が勉強すべき点かなと思っている。

 市民全員配布という点だが、「morica」は簡易なカードである(QRカード)。本市ではICチップを搭載したカードでここには違いがある。本市のICチップの活用ということでは今後の行政サービスとの連携に優位に使えると思っている。

 一人7000円分の配布ということについてだが、本市では一人500ポイント、1000ポイントという付与をしたが、規模の大きさということでは少し差が出てきているとは思うが、今後行政が付与するポイントと合わせて地域の加盟店・事業者もサービスを提供できるような仕掛けなども必要ではという意見もいただいている。皆でいっしょに地域を盛り上げるような形が必要なのではと議論をしている。

 参加事業者の負担の点では、本市では月額1000円の会費を当面の間無料ということにしているがこの会費のあり方についてどうするのかというのも議論の焦点である。行政サービスの付加の件では紹介いただいたタクシー、公立病院の利用というようなことは本市のデジタルポイントで可能だが、様々な調整が必要でもあり議論をしているところだ。ここでいただいた意見を参考にしながら検討をしていきたい。

永井:この町の担当の方に成功の一番の要因は何かと聞いたところ、「最初の7000円が一番大きかった」とのことであった。産建委員会では視察を終えて、現在この件の研究をしている。今後委員会からの提案が出されたらその内容を真摯に受け止めて検討に加えていただきたい。

③ 市内のコウノトリについて

✋PPでコウノトリの画を紹介

竹野川のコウノトリ

永井:今年になって丹後町の豊栄地区の竹野川や周辺の田んぼに10羽ほどのコウノトリが棲み着くようになっている。営巣の試みもあるがそれが拒否されている実態だ。本市のコウノトリについては、教育委員会の文化財保護課でモニタリング等を行っているようだが本市の状況について説明を?

教育次長:平成22年(2010)の秋頃から久美浜町内でコウノトリの姿を見かけるようになり、H23に久美浜町永留地内の人口巣塔で本市で初めての営巣を確認、その後雛の孵化や巣立ちも確認している。R5年8月末現在で市内には3ヶ所の人口巣塔と1ヶ所の電柱巣があり今年度はその内3ヶ所で営巣、雛の孵化を確認した。各巣塔での状況は、永留ではH23以降の営巣で計17羽の巣立ちを確認。市場地内ではH30年が初の営巣でそれ以降計11羽の巣立ちを確認。網野町島津ではH30年に営巣を確認し以来計15羽の巣立ちを確認している。R3年度の市の生物多様性を育む農業推進事業補助金を活用して久美浜町女布地区に新たな人口巣塔が建てられたが、こちらでの営巣は確認されていない。以上H23年からの11年間で本市でのコウノトリの巣立ちは合計43羽になる。

永井:今年になっての特徴的な事は何かあるか?

教育次長:今回紹介のように丹後町に新たに棲みだしたのが特徴といえば特徴である。

永井:コウノトリは言うまでもなく絶滅危惧種、というか一旦絶滅したものを豊岡市の精力的な取組で復活をさせ近隣の本市へも来るようになり棲むようにもなったという経過がある。

 健全な自然環境が彼らの生息していく条件である。京丹後市をその地に選んで棲み着いているということだ。特に丹後町の竹野川水系では今年になってから集団できているという状況がある。コウノトリは来てくれと頼んで来てもらえるものでもないしお金を積んで来てもらえるものでもない。

 「幸せを運ぶコウノトリ」という言い方があるが、彼らが宝を持ってきてくれている、私たちに宝の存在を気づかせてくれている。巣塔を建てて助けてやるということも大切だが、私たちがこのコウノトリの諸君と共に生きていく地域づくりを目指すべきではないか。

自然環境の保全、自然環境型農業の拡大ということが言われる。竹野川の水系は有機農法の田んぼも増えている。最近竹野川はきれいになって魚が戻ってきたということも聞く。総合的な地域としての新しいブランドを作っていくベースにもなる。ストーリー性が必要という昨日の農林水産部長の言葉、地域現場に活力をという市長の言葉、コウノトリと共にあることは何よりも私たちが住んでいるところを大切にし、さらにそれが発展していく基になると思うが市の認識はいかがか?

教育次長:「兵庫県立こうのとりの郷公園」がH23に作成した「コウノトリ野生復帰グランドデザイン」の中では、野生復帰の最終ゴールの一つをコウノトリと共生する持続可能な地域社会実現とし、地域住民、学識者、行政などが協力して自然の再生と地域づくりを両立することを目標とすると掲げている。また、豊岡市と京丹後市はH23に「コウノトリもすめるさとづくり共同宣言」というのを行っており両市でコウノトリをはじめとする多様な生物が息づく自然環境を育み、広げ、守ることで故郷に誇りを持てる地域づくりを進めると宣言している。

 このような中でコウノトリが定着繁殖するためには餌となる魚や両生類などが年間を通して得られる餌場が必要とも言われていて、市内各地には複数のコウノトリが安定して目撃もされるようになったことから本市はコウノトリにとって住みよい環境であると考えられる。現にコウノトリが定着しつつある状況を踏まえて、本市でのコウノトリをはじめとする多様な生物が息づく環境作りについては教育委員会のみならず他部署とも連携しながらまた豊岡市とも引き続き連携しながらどのようなあり方が望ましいか考えていく必要がある。

永井:その宣言を私は読んでなかったが、奇しくも「共生」という言葉が出されている。そのことをしっかりと目に見える形で展開していただきたいと強く思う。市長、見解があれば?

市長:この「コウノトリのすめるさとづくり」については、豊岡市と早い段階から(H23~)共同、連名でさせていただいている。背景として当時兵庫県外では初めて京丹後市で営巣をしたということがあり、それがきっかけで豊岡市と連絡を密にしながらいろんなご指導をいただいて、京丹後の住民の皆さんの思いもあり(※当時コウノトリとの共生を目指す市民団体も結成された)、京丹後にコウノトリが更に飛んで来て営巣するようなまちづくりをやっていこうということでさせていただいた。

 お話のようにコウノトリは食物連鎖の頂点にある鳥で、コウノトリがいるということはそれだけ自然が裾野広く豊かになっている証左であるというコンセプトで、そういうようなコウノトリと共に住んで自然豊かで環境に配慮があるそんなまちづくりをしていくのだということで、以来本市の助成制度も農林の生物多様性を育む農業であったり巣塔が建てられる助成金だったりをしてきたということだ。

 丹後町にもこうして沢山のコウノトリがやって来て営巣も試みているということは率直に嬉しく感じる。このように丹後町をはじめとして市内中でこうした光景が見られるようにしっかりと行政として教育委員会と連携しながら豊岡始め他市とも連携しながら進めていきたいなと思っている。

永井:産業、観光へも繋がるこれからの戦略の一つにコウノトリの諸君もいる。竹野川が第二の円山川になればいいなと思う。

④ 宇川地域の課題について

永井:現在、国道178号線の通称上野平バイパスの工事をやっているが、完成はいつのことやらと多くの方が気にかけている。基本的に府の事業だが、見通しはいかがか?

建設部長:上野平バイパスは平成26年(2014)度に京都府が事業着手をしている。現在工事着手から9年が経過しており、工事の進捗率については金額ベースで43%、用地買収率は面積ベースで約98%と確認している。H28の一般質問において上野平バイパスの工事の完成年度は令和3年(2021)度予定と答弁しているが、現在のところの状況を府に確認したところ、工事の完成時期については当初の計画より延びているとのこと。主な理由としては二級河川宇川にかかる新宇川橋について左岸側の橋台が宇川の霞堤の機能を阻害する恐れがあり、橋長を延長する必要が出たため設計の変更を行い工期の延長をしたことや、埋蔵文化財調査において平遺跡の範囲が想定より広いことが判明したため、調査範囲の再検討に時間を要したことなどによるものだ。

 今後の主な工事については新宇川橋の上部工や上野地区に架設する市道の歩道橋工事をR5年度からR6年度にかけて実施する予定。バイパス全体の具体的な完成時期は今のところ公表できる段階ではないということだ。尚、上野平バイパスは防衛省の基地周辺対策予算を財源として実施されている事業の一つで、今年度の防衛省の道路改修等の予算額は約65億円という状況の中で、京丹後市内の道路事業に補助金として約9.5億円が配分されておりその率は約15%と非常に高いものがある。

 本市として今後更に事業促進が図られるよう、事業実施の京都府それから整備費の支援をいただいている防衛省に引き続き要望しながら、一日も早く完成するよう積極的に関係機関との調整を図っていきたい。

永井:宇川の高齢の方々は、寄ると自分の目の黒いうちに通れるんかいななどと言ったりしている。早期の完成を望む。

永井:発掘作業がまた始まったようだが、これは今後も何度か続くのか?

建設部長:先ほど言ったが、遺跡の範囲が広がったということで現在発掘作業を行っている。今後については聞いていない。

永井:このバイパスの状況とも絡む問題だが、現在宇川地域で営業していただいているガソリンスタンドが、設備更新の問題や後継者の問題などで課題があって今後どうなるのだろうと心配をする住民の声が強くなってきている。事業者の方、宇川の皆さんいろいろな思いがあるが、宇川地域はご存じのようにいろんなインフラがなくなって現在に至っている中でこのガソリンスタンドは生活になくてはならないものである。市はこの件に関わって何らかの支援をできないものか?

商工観光部長:宇川地域のガソリンスタンドの件については地域の方から伺っているわけではないが、商工会の方より聞いている。経営者の方の高齢化、それに後継者がいないということ、また貯蔵タンクが埋設から一定期間経過しているために消防法で定められた改修をR6年10月までに実施する必要があるということを聞いている。経営者の方からは事業を継承していただける方がいないかということで金融機関、商工会へ相談されていると伺っている。そのためには例えば国に事業承継補助金というのがあるので、こうしたものや本市の継業バンクの活用などを含めて宇川地域のガソリンスタンドが存続できるような方向について事業者の方と相談させていただく中で模索をしていく形になろうかと思う。

永井:地域全体でも何とか協力できないかという声もあるし、私もそう思っている。今後ともこの件よろしくお願いしたい。

3 米軍基地に関わる問題について 

①土地利用規制法について

永井:土地利用規制法に関わって6月議会以降、市へ国から何かの働きかけはあるのか?

中西副市長:本市にある米軍基地、自衛隊基地に関しては今のところ内閣府からの働きかけというのは一切ない。そうした中での内閣府の最近の動きを紹介すると、2回目の区域指定について6月議会で述べたがその後国の審議会を経て7/12付で告示され8/15より施行されたということ。また今週月曜の9/11に3回目の区域指定について特別注視区域、注視区域合わせて180ヶ所が候補地として示された。今回の候補地では始めて米軍関係施設6ヶ所も含まれている。今後仮に本市について指定に向けた動きがある場合は、本市として国の関係機関に対して引き続いて早期かつ適切な情報提供を求めていきたい。

永井:今の副市長の説明が国の最新の動きだ。これまでのを合わせると合計399ヶ所ということになるが、聞くところでは国は今年度中に600ヶ所の指定を目指している。経ヶ岬の2つの施設も指呼の間に入ったと思われる。様々な住民の不安の声がある。情報提供を国に求めると副市長は言ったが、市長は従来からこの件に関わって現場の声はしっかりと伝える、事によっては国にもの申すということを言ってきた。その姿勢に変わりはないか?

市長:もちろん安全安心の大前提の上で、基地についていろんな発言をしてきた。この件でもこれまでに内閣府にいろいろと言ってきた。その姿勢に変わりはない。

永井:国にはあまりその考えはなさそうだが、具体的な説明会が必要だと思う。そういう要望はどうか?

市長:指定されるかどうかがまだ分からないので何とも言いようがないが、仮にそういうことになるなら、どういう説明会になるのか分からないが、皆さんの声を聞かせていただいてご不安のあることについては説明会云々に拘わらずしっかりと伝えていきたい。

②米軍関係者の事故

永井:米軍関係者の事故の件だが、6/26(月)に丹後町竹野の国道で、7/1(土)には網野町新庄の国道で米軍関係者の関わる事故があった。この2つの事故について市へそれなりの情報がもたらされたのはいつであったのか?

7/1の事故現場

総務部長:今紹介された事故の確知の時点だが、6/26の事故については市へは翌日6/27の夕刻に情報提供があった。7/1の事故については土曜日だったということで週明けの7/3の朝に市民の方から一報があって初めて知ったということでその後防衛局現地連絡所に情報提供して情報収集をしていただいた。

永井:6/26の事故では6/27に一報があったと言われたが、6/28(水)に対策室、連絡所に聞くと「あったらしい」というだけの情報でありそれ以上の事は分からなかった。それから7/1の事故では7/3に対策室、連絡所に問い合わせたところ何も知らないということであった。防衛局が作った対策チームは迅速に動いて適切な情報共有をやる、情報は米軍からしっかりと聞く、米軍も協力するという事であった。対策チームの動きはあまりにも遅くないか、一定の情報がもたらされるのに相当な時間がかかっているのではないかと思うがどうか?

総務部長:防衛局で設置している「交通安全対策推進チーム」は、防衛局の方で事故発生を認識した時点から情報収集を行っており、その際には米軍を含む関係機関からの情報収集を速やかに行っていただき、その上で迅速な情報共有をしている。昨年のこともあるのでチーム上げてしっかりやっていただいているところだ。

永井:しっかりやっていただいているという認識だとのことだが、時間がかかりすぎている。米軍、警察からの情報の提供がもっと迅速になされるべきだ。市からは米軍や警察には直接聞かない、防衛局が一元的に管理するということになっている(※従来の市長の答弁)。それなら防衛にしっかりやっていただかねば困るわけで、全く不十分だというのが現地の者の思いである。そのあたり市の認識は弱いのではないか?

総務部長:遅いのではないかということだが、できるだけ速やかな情報提供を得ている。今後についても速やかな情報提供をと改めて要請していきたい。

永井:時間もないので繰り返さないが、不十分だ。

※この時残時間は2分ほどでエビデンスを示して追求できなかったが、防衛局がこの2件の事故のそれなりの情報を市へ伝えたのは7/6(木)のことである。米軍と警察が協力して普通に情報を出していればこんなに遅くなるはずがない。

③水質検査、

永井:最近やられた米軍基地周辺の海水の水質検査でCOD(※化学的酸素要求量:海水の汚れの度合いを示す、高くなれば魚が住めなくなる)の高い数値が出ているが、その原因は? 対応は?

総務部長:3月の検査でCODのやや高い数値が出たが、それ以外の数値は基準内ということで、防衛局からは委託の専門業者からの見解として様々な要因が考えられ特定することは困難だが海水中のプランクトンの死骸などが波浪により潮目に集まったということも考えられるということであった。また隣接する若狭湾の状況も似たような数値を繰り返しており、今回のことで直接的な影響はないと説明を受けている。市としては今後も引き続いて水質検査を継続するように連絡会で求めている。

永井:数値の高かった尾和沖という場所は2.3(※2.0までが環境基準内)という数字だが、ここは米軍基地からの排水が海に落ちる場所に一番近い。このことが私は非常に気になっている。今後もしっかりと注視をしていきたい。

④PFOS(ピーフォス)について

永井:似たような化学物質にかかわることだが、最近米軍基地の関係自治体で問題視されているPFOSの件だが、本市の米軍、自衛隊の基地でこれらが使用されたり保管されたりの実態はないか?

基地対策室長:この件についてはR3年9月定例会で平林議員より同様の質問を受け、その際にも使用の実態はないと答弁しているが、今回改めて近畿中部防衛局に確認したところ米軍、自衛隊共にPFOSの使用及び保管の実態はないという報告を受けている。

永井:この件については、8/23に渉外知事会が米軍基地内での汚染の調査をしっかりやれという要望書を日米の政府に敢えて出しており気になっている。

※ないということで一応安心したとも述べたが、米軍基地は日米地位協定で日本側が検査をできずその報告が事実であることを担保するものはない。

★有機フッ素化合物PFOS(1000種以上あるPFASの中の一つ)は消化剤等で使用されてきたが、人への毒性があり危険だとして2021年までに製造・輸入禁止となっている。最近在日米軍基地の周辺で土壌や水がこの汚染を受けているという報告が多くあり、それを受けて渉外知事会が8/23に米軍基地内での調査を求める要望書を出したということ。

 最後に、私永井は議員になって4年目、当初4年もやれば市の大概のことは分かるようになるのではないかと高を括ったような思いを持っておりましたが、それは私の大変な思い上がりであったと今強く反省しております。はっきり言って分からないことばかりです。いろんな事を調べれば調べるほど謎が大きくなります。その一方で、もっとこう違うやり方があるのではないか、それでやれるのではないか、と思うことも多くなりました。今後とも精進を重ねていこうと思っております。以上で今回の質問を終わります。

※傍聴席より拍手あり、残時間は30秒でした。

 以上、まとめ部分は1万2500字くらいです。例によって長くて申し訳ないですが、これくらいはないとやりとりのリアルが伝わりません。今回、小水力発電やコウノトリ戦略などで市長の基本的姿勢を確認できたことは一定の成果であったと考えています。

 9月定例会は来る10/5(木)が最終日となります。9/25には予算決算常任委員会で付託されたR4年度各会計の決算議案14本は全て了承されましたが、課題とされた事業も複数あり、文厚分科会と産建分科会からの附帯意見(文厚は都市拠点の図書館に関わるもの、産建はデジタルポイント事業に関わるもの)も確認されました。

 最終日の自分の意見交換に向け、内容の検討に入らねばなりません。

23/9/29(金)午前

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