D190 9月定例会終了、報告が遅くなりました。 自治体財政の議員研修会へ行って来ました。 23/10/22(日)

 10/5(木)に9月定例会が終了しました。例のよってあれこれバタバタしているうちに10月ももう下旬に入ってしまいました。

 まずは最終日の報告です。

 9月定例会は例年前年度会計決算認定がメインです。今回で永井も4回目。最終日はその決算審査の予算決算常任委員会報告がなされ、委託された14議案全て(一般会計会計、10特別会計、3事業会計)について意見交換、討論、採決が行われ全ての議案が全員賛成もしくは賛成多数で可決されました。

 一般会計では意見交換10人、賛成討論3人、反対討論3人、70分をかけての気合いの入った議論となりました。特に意見交換では多くの事業の問題点や課題が指摘されました。永井もこの意見交換に参加し以下の発言をしました。

議案第75号 令和4年度京丹後市一般会計決算認定についての意見交換  永井  23/10/5(木)

 総論

 令和4年度の一般会計決算は歳入総額約394億7000万円、歳出総額約381億1500万円、実質収支約11億7700万の黒字という内容でした。

 基金残高は約100億円と前年度比1.5%の増加、市債残高は約353億8000万円で前年度比3.6%の減少(8年連続のダウン)、真水(まみず=実質負担額)で見ると約77億4800万円ということで、全体として見たとき硬直性はあるものの健全な財政の範囲にあるとのことです。

 特に歳入面でふるさと納税事業が順調に進んで(R3、9億4000万円、令和4年度15億3000万円)その寄付金額の増加が自主財源の向上(25.7%→28.3%へ2.6%増)に貢献し、それが財源となって自主事業、特に多くの地区要望を実現していることは大きく評価をします。

 また、コロナ禍4年目、エネルギー関連などに始まる諸物価高騰も重なる中での緊急対応の各施策を、国の動きとも緊密にリンクしながらタイムリーに打てた(約16億円)ことも、全体として評価をします。令和4年度も市内でコロナ関連での事業者の倒産はなく、解雇もなかった(ハローワークで確認)ということ、市民税が増えているということなどにそれらの事業が反映されていると思います。

 思い返せば、令和4年度当初予算は、100項目以上の新規事業を抱え、いろいろな議論を経て最終的に、4件の新規事業を含む5件の減額修正がなされ2件の附帯決議もなされたものです。その際の意見交換で、私は「新しいことに挑戦することは大切だが、それらの事業がしっかり検討され確かな見通しがあるのか、市民サービスの向上に繋がるのか、職員さんの負担は大丈夫なのか」というようなことを述べております。

 このことを思い浮かべながら、課題と感じていることを何点か述べます。

1,京丹後市デジタルポイントカード事業について

 コロナ下での地域経済循環促進、地域消費喚起を目的として昨年から始められたこの事業ですが、結果として利用率の低さ(約60%)と加盟店舗数の少なさ(約140)が大きな問題となっております。審査の中で事業に至る経過もいろいろ聞かせていただきましたが、率直に言ってこの事業のありかたや見通しに甘いものがあったのではと感じております。

 私自身が、事業の提案がなされたとき、この事業全体の行く末を見据える視点が弱く、そのありかたに具体的な指摘をできませんでした。カードは全員配布にはしないのか? とか、最初のポイント付与はもっと大きな額にならないのか? とか加盟店舗のメリットは何なのか? などの具体的な質問をできなかったこと、率直に反省をしております。

 産業建設委員会で同種の地域通貨事業で一定の成功を収めている自治体の勉強もさせていただきました。

 本市の事業も既に始まって2年目に入っており、様々な指摘を受けて「ありかた検討会」で改善への検討が今なされております。簡単に変更のできない部分もあろうかとは思いますが、デジタル化と高齢化の同時に押し寄せる昨今の状況、後戻りのできない事業です。今後提言や他の自治体の例も参考にし、大胆な施策が必要と考えます。

2,商工観光部、自然あふれるビジネスモデル推進事業。

 令和3年度からの5年の事業(総額約6790万円)の2年目、コンソーシアムはでき、様々な目標はそれなりに達成できているということですが、施設を整えた「かぶとやま虹の家」の利用は多くはありません。今後への展望も希望的な予想はあるものの確たるものを確認できません。委託事業者((株)丹後リビングラボ)を中心に一層の努力を求めたい。

3,食品加工支援センター整備事業。

 約1億3000万円をかけ、ふるさと納税産品などの新製品の開発を支援する目的で昨年完成し稼働を始めています。まだ始まったばかりではありますが、利用の状況や具体的な新製品の開発はまだ可能性の域を出ていません。実際の施設利用業者は1社専属((株)丹後ブルワリー)のような形態であり、設備の稼働率も低い状況です。今後を注視しております。

食品加工支援センター

4,新シルク産業創造事業。

 令和3年度からの5年の事業の2年目(令和4の事業費は1891万円)です。委託の業者((株)長砂まゆ)が開発された技術を使って無菌周年養蚕のまとまった生産量を確保できるようになったということですが、それを利用した糸の生産と糸以外の製品への応用は今後ということ。希望的な話は聞かせていただくものの、これもまだ確たるものに至ってはいません。

新シルク産業創造館

5,市民環境部の「地域新電力事業」。

 この事業は再エネ拡大をメインに脱炭素化と地域活性化を目指して令和4年度当初予算に設立検討経費880万円として盛り込まれたものですが、様々な状況の変化から、予算の執行がされなかったものです。この地域新電力事業は全国の他の自治体を調べても成功例はほとんどないという状況の中、闇雲に急ぐことをせず冷静に判断したことはベターであったと考えますが、今後へ向け市民全体でやる長いスパンでの持続可能な取組としてとても重要な事業だと思っております。

6,その他まとめてのようなことになりますが、

 これまでから事あるたびに海岸線の美化についていろいろ指摘をしてきましたが、観光立市を掲げながら令和4年度もこの分野の取組は全く不十分でありました。また、脱炭素を掲げるにふさわしい森林整備対策もまだまだという状況です。農業政策についても減る農地、減る耕作者に歯止めをかける施策が足りません。

 現在本令和5年度事業が各分野で展開中でありますが、次期令和6年度の予算編成はこれからです。この決算審査や一般質問の中で明らかになった課題を十分に認識してその作業に臨んでいっていただきたい。

 最後に

 今回の決算審査で個々の事業というより全体を通じて気になったことですが、多くの事業で事業者への委託ということが行われています。予算審査の際に「委託料」いくらという形で出されるのは当然のことですが、決算審査ではその事業がどの事業者に委託されたのかがまず示されるべきではないかと思うものです。

 中には数年にわたって相当額の経費が充てられる事業(プロポーザルでの委託となるのが通例、どれも数千万円が予算化)がいくつもあります。そういう事業については分科会審査にその内容がしっかり分かる資料が出されるべきです。現況は不十分であります。

 もう1点。9/4(月)の予算決算常任委員会の総括質疑の際に指摘したことですが、決算審査の資料の中に、予算審査のシートの説明とは違う項目立てのものや細目がバラバラになっているものが何件かありました。予算資料の各費用が決算でどうなったのか簡単には判別できないというものです。これはいただけません。紙面に限界があるのは分かりますが、最低予算シートに合わせた決算シートにしていただく必要があります。

以上、令和4年度一般会計決算についての永井の意見とします。

 ということですが、8分半ほどでした(長さは3番目くらい・・)。特別会計と事業会計についてはいくつか思いはあったものの結局何も言えずでした。特に3つの事業会計(上水道、下水道、病院)は数十億円単位の公費の動く事業ですが、決算書の読み解きも含めまだまだ理解が足りていません(事業会計は一般会計とは形式が違い、いわゆる財務諸表が出てきます)。一般質問の最後にも言いましたが、4年目も半ばというのに分からない事だらけです。

 定例会終了後はまず「議会だより」78号の原稿書きに追われました。自分の一般質問のまとめは当然として、広報委員として今回は決算全般と、一般会計の意見交換・討論の概要の担当となり往生しました。発行は11月初旬でまだ完成はしておりません。

 10/18(水)~10/20(金)は自治体財政についての議員研修会に参加しました。予算決算の審査を通じて自分の基礎知識の悲惨な状況を痛感しておりましたので何とかしなければという思いからの研修でした。

 滋賀県湖西の唐崎というところにある「全国市町村国際文化研修所」の主催する市町村議会議員研修会で2泊3日、総務省地方財政審議会の会長さんの包括的かつ具体的な全体の講義と、実際に自治体の財政改革に成果をあげておられる町長さん(鳥取県伯耆町)、副市長さん(兵庫県川西市)のお話を聞かせていただきました。

 参加者は全国26の市町村(北海道から鹿児島県まで)から64名の議員さん(京都府は永井を入れて3自治体から3名)。合計11時間の講義でたっぷりと基礎から最前線までの様々な熱いお話を聞かせていただき、実に有意義な時間であったと実感しています。特に京丹後市の財政の健全度については、自分が議会でのやりとりから感じていたものよりよほど厳しいものがあるということを知りました。参加26自治体の指標を見ると、京丹後市はワースト3に入りそう。

 帰ってきてやっとチャレンジ14号の原稿にかかり、今日何とか初稿を書きました。唐崎での研修を生かした一章(京丹後市のR4財政健全化指標について)も早速入れました。

 一気に寒くなって部屋にストーブがいるようになりました。11月には市民と議会の懇談会がやれなかった6月分も入れて2回あります。そして12月定例会が着々と迫っています。

23/10/22(日)夜

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