D129 代表質問、やりとりの全部です!! 1万4000字、A4で12枚。例によって長いです。 22/3/19(土)
3/9(水)の代表質問のやりとり全部のまとめがなんとかできました。前回報告した前半部分も含めて報告します。全部を通して文体を「である」調に統一し、表現を簡潔にし、小タイトルも付けて読みやすくしたつもりですが、何しろ長いです。単純に一般質問の1.5倍で1万4000字、A4で12枚にもなります。
「チャレンジ通信」ではこれを3000字に絞り、議会だよりでは600字にまで削らねばなりません。とりあえず上げます。 ※は永井の解説コメントです。
令和4年度京丹後市議会3月議会
代表質問 発言順位1番 永井友昭(創明) 22/3/9(水)
皆さん、おはようございます。発言順位1番 「創明」の 永井 友昭 です。
昨年の12月議会に続いてのトップバッターとなりました。今回は代表質問となりましたが、8回目の質問を行います。議員の任期4年のうちに定例会は16回で質問も16回を予定していますので、そのうちの半分になるということです。ロシアのウクライナへの侵略戦争に日々心を痛めておりますが、本市の未来を見据え、野の声を集めていくつかの質問を行います。
1 ゼロカーボン、再エネ、風力発電所計画等について
(1)ゼロカーボンに向けての市の取組みの現状について
①「脱炭素ロードマップ」
永井:昨年12月議会で本年1月に完成予定との答弁があった「脱炭素ロードマップ」の現在の状況はどうか?
市民環境部長:コンサル事業者と協議して策定したが、その後追加すべき項目が生じたことから、担当課で必要な修正をしているところだ。予定より遅れているが、完成したら市のHP等で広く周知を図っていきたい。
永井:その内容はどのようなものか?
市長:市の未来を担う将来世代へ持続可能なふるさとを繋いでいくということを念頭に、省エネの徹底とともに再生可能エネルギーの最大限の導入を確保した域内循環の仕組み構築による2050年温室効果ガス排出実質0を目指すもので、その基本的な方向性と実現に向けた道筋、更にその中間地点として2030年に向けた重点的、系統的取り組みを記載する方向で調整をしている。
内容としては、脱炭素に向けての国内外の動向、本市の現状、再生可能エネルギーのポテンシャルの内容、更に脱炭素シナリオの方向性を踏また上で、①地域主体で地域の環境を活かして稼ぐまち、②地域の資源と社会、経済、文化をつなぐまち、③誰一人取り残さず支え合い育むまちという3つの将来ヴィジョンを掲げ、そのヴィジョンの実現に向け5つ6つの方針を作りながら具体的な取り組みを現在検討中だ。
永井:地域をベースにした発想ということだが、12月議会で本市のCO2排出量は約32万5000tで、再エネの削減量は約7200t、吸収量は(人工林、天然林合計で)約9万1000t、削減・吸収の総計で約9万8500tの約28.2%であることを確認した。この32.5万tから9.85万tを差し引いた22.65万tのCO2を0にするというのが、本市の「0カーボン、脱炭素」という理解でよいか?
市民環境部長:2050年の実質0カーボンなので、そういうことだ。
永井:具体的には、省エネ、再エネ、CO2の吸収の3分野であり、その主体として市民、法人(事業者)、自治体がなるということでよいか。
市民環境部長:その通りだ。
永井:再生可能エネルギーのポテンシャルも(ロードマップに)上がっているということだが、各分野どのようなものか?
市民環境部長:具体的な数字までは手元にないが、太陽光発電、風力発電などについてそれぞれ、例えば住宅だとか公共施設だとか農地など細かく分けてその中でポテンシャルが高いのか低いのか、優先順位がどうなのかという形でロードマップの方は取りまとめている。 太陽光、風力、水力というのが一般的だが、それに加えて今回新たに波力や潮汐(潮の満ち引き)、潮位(潮の流れ)による発電など様々なエネルギーを挙げて分析し進めて行く形で整理している。
永井:しっかりした数字も出すよう要望しておく。因みにR4年度の予算に上げられているもので(再エネ促進の補助金いろいろあり)この程度の電力をという目標があるか?
市民環境部長:今後組織の立ち上げをしてということで、今の段階ではそういうものは持ち合わせていない。
永井:様々な補助金は取り敢えず(目標は持たずに)やっていこうということか?
市民環境部長:今の補助金は従来からのものだ。R4年度からは事業者に対しても一部メニューを増やしてやっていこうということだ。
※ロードマップには具体的な数字がないような感じである。なければロードマップとは言えないと思うが・・。どんなものが出されるのか注目される。
②PPA事業
永井:12月議会ではPPA事業に取り組んでいきたい旨答弁があったが、具体的な構想は?
市民環境部長:PPA事業については民間事業者に市が所有する施設の屋根等を貸し出して太陽光発電を行わせるというもので、公募型プロポーザル方式で事業者の選定を行いたい。太陽光発電に加えて蓄電池も併設し、施設の脱炭素だけでなく、災害時等の非常用電源としても活用できるようなものを考えている。
永井:これは市の建物などということだが、市内の事業者や個人についても市が斡旋したり情報提供したり補助したりということは考えていないのか?
市民環境部長:今後さまざまな形で0カーボンをめざしてやっていくということなので、ご紹介の件についても今後検討は必要と考えている。
③再エネ普及への規制
永井:12月議会で質問したが、太陽光発電等、再エネ普及に関わっての規制等の検討状況は?
市民環境部長:本市としても条例の制定等を実施していく方向で検討しているところだが、現状においては先行自治体の事例をしっかりと確認して、太陽光発電だとか再エネの導入に対して来年度実施予定のゾーニングマップとの関連も踏まえながら検討を進めて行きたい。
永井:実際に事業が進められておりトラブルも起こっている。早急に検討を進めていただきたい。その後、この件での新しい情報は市へ入っているのか?
市民環境部長:新しいものは聞いていない。
④ゾーニング
永井:ゾーニングについて、令和4年度より開始ということだが、先日の審議会で「KBA」(Key Biodiversity Area 生物多様性重要地帯)という世界的な基準でその生態系を保護すべきであるという地域が指定され、その中に丹後半島が入っている(日本で260いくつか、丹後半島はその中の156番目)という話がアドバイザーの先生からあった。こういうものもゾーニングには活かして行かねばならないと思うがそういう認識はお持ちか?
市民環境部長:ご指摘のようなことももちろん検討していくことになると思う。※R4より2年間で前倒ししてやりたいとのこと。
永井:しっかりやっていただきたい。
⑤「地域新電力」
永井:12月議会で市長が答弁した「地域新電力」についてのコンセプトや具体像は?
市民環境部長:「地域新電力」会社の事業形態としては、地域内で作られた再生可能エネルギーによる電気や地域外の再生可能エネルギー由来の電気を「地域新電力」会社が購入・仲介し、市内の事業所、個人、公共施設などに供給・販売していくという形を考えている。小売電力事業のみに止まることなく、エネルギーの地産地消、地域経済循環、域外の再生可能エネルギーの電気の購入も含めた事業で、脱炭素化といった行政課題をこの「地域新電力」会社を設立することで解決していきたい。スケジュール的にはR4年度内に運営主体となる電気事業者の公募ができればと考えている。
永井:ここが発電そのものを行うということも入っているのか?
市民環境部長:どういう形がいいのかR4の予算をいただいて検討するということだが、一番望ましいのは京丹後市でできた電力を地元の新電力会社が市民に供給できるということだ。そういう視点も含めながら業者には検討をお願いしたい。
永井:現在すでに10%の再エネを本市では発電している実績がある。そういうものもこの新電力が仕切っていくという方向か?
市民環境部長:基本的にはそういう方向になると思う。現在特別会計で市の太陽光発電事業をやっておりそれも新電力でということを考えている。
永井:市民が直接関わって、自分達の電気は自分達でという発想がとても大事だと私も思っている。その方向でしっかりとやっていただきたい。
⑥「RE100」、「REアクション」
※「RE100」とは自然エネルギー100%を目指す企業のこと。現在世界の大企業300社以上が名を連ねる。
※「REアクション」とは日本版「RE100」で再エネ100%を目指す日本の企業や自治体などのグループ。
永井:ゼロカーボンへ向けての世界の流れとなっている「RE100」、「REアクション」についての京丹後市の基本姿勢は?
市民環境部長:市役所も一つの事業者なので、「ロードマップ」や「第3期地球温暖化対策実行計画事業編」というものの内容も踏まえつつ、「RE100」、「REアクション」についての参画も検討する必要ありと考えている。
永井:「RE100」は本市が直接というものではないが、例えば、市として事業者に対し問題意識を持ってもらうために、公共事業の入札指名などの評価の一つに再エネへの姿勢を入れていく、そういうことを通して市内事業者の再エネへのモチベーションを喚起していくということにつながる。「REアクション」は既に福知山市が名乗りを上げている。早かれ遅かれ本市もそちらへ進むべきと考えるが、市長の見解は?
市長:部長の言ったように、そういう方向へ向け参画を検討していくということだ。使用する電力を再生可能エネルギー由来のものに転換していくことが大切な支援の対象となってくると考えていて具体的なことは置いてもその方向が大切と思っている。
永井:これからの本市のあり方にかかわる大きな問題だ。しっかりと検討し賢明な判断を下していっていただきたい。
(2)風力発電所計画について
①審議会答申、市の意見書
永井:丹後半島第一・第二風力発電所計画についての「美しいふるさとづくり審議会」の答申が市長に出され、市長はこれを府へ意見として上げたが、この答申に対する市長の見解を改めて確認したい。
市長:審議会に専門家の方々や地元の区長さんなどにも入っていただいて真摯で精力的な審議・熟議を重ねていただき答申をいただいた。しっかりと受け止めねばならないと思っている。従って、これを精査の上改変等は必要ないと判断をして「最大限尊重して欲しい、反映して欲しい」という文言を付け加えて知事への意見とした。
永井:答申では、環境や災害への不安が具体的な例をあげて強く出されているが、今後もそれが払拭されない場合、事業の中止も含めて見直しを検討せよという文言も出ている。この不安が払拭されないことが一定明らかになった場合、市長はどういう姿勢で臨むのか?
市長:その文言を含めて意見としている。影響を回避することが第一だが、それができなければ(懸念が払拭されなければ)答申意見に沿ったお願い(中止もあり)をさせていただくということだ。
永井:ダメであるならそういう(中止もありの)決断をしなければならないと市長は言われたと確認する。
永井:配慮書に対する市の意見を京都府に提出したが、府の意見書は国には出されない仕組みだ(事業者へ出される)。先日環境省から経産省への意見が出された。経産省から事業者へ意見書の出る前に国に市の意見書を届けることはできないか?
市民環境部長:指摘のように配慮書への意見は国へ出す事にはなっていないが、市の意見書は実際には環境省へ情報提供されている。
永井:環境省へも情報として出されているとのこと、了解した。先日環境省が経産省へ出した意見書を私も読んだが、私の感じでは市の答申ほど踏み込みがない、具体性が弱いと思われたのでこのような質問をした。
②青山高原ウィンドファーム視察
永井:風力発電事業に係る先進地視察について、新温泉町に行ったのは聞いているがその後の動きや今後の予定はどうか?
市民環境部長:三重県津市の青山高原ウィンドファームと敦賀市を予定していたが、新型コロナの関係から日程調整が進まず、青山ウィンドファームにおいては12月から3月までの視察を受け入れないということでもあり残念ながら本年度の視察は見送ることとした。委員の皆さんに視察をしていただくことはとても大切なことなので新年度に企画したい。
永井:4月以降になったのは残念だが、青山高原ウィンドファームではどのような事を重点的に視察する予定であったのか?
市民環境部長:設置基数が多く、国や県も関わって運営しているとのこと。国や県のご意見、住民の方のご意見なども聞きたいと思っていた。
永井:青山高原の風力発電については1999年に当時の久居市(現在津市)が、4基の風車を建てたのが始まりで現在は5つの業者が91基を建てているという状況だ。そんな中で私が是非調べてきて欲しいと思うのは、一番最初の4基の風車はどうなったのかだ。本市の太鼓山ウィンドファームはご存知のようにうまく行かなかった。この4基も市の経営を離れたと聞いているが実際にどうなったのか。また、設置後FITの20年を過ぎたものがどうなっているのか、20年過ぎた時にどうされていく予定なのか、とても気になる所だ。更には、立っている場所の状況は、健康被害の声はないのかそういうこともしっかりとチェックしてきていただきたい。
③「ライフサイクルアセスメント、市の独自調査
永井:京都府のアセス委員会では、「ライフサイクルアセスメント」(発電事業を終えてもその後の施設の処理や山の復元まで含めてのアセスメント)の指摘がある。この視点への市の見解は?
市民環境部長:3/3の審議会でも指摘があり、それも含めた答申を考えている。
永井:先日の審議会で、予定地の地形や地質についてとにかく心配であるとしてその調査を、災害防止の観点からも事業者のみに任せるのではなく、市独自でやる事が必要だという強い声が出されたが、市の考えは?
市民環境部長:現状のアセスメントの制度は事業者がやり、自治体や国に意見を問うて事業を組み立てるということで、現時点では事業者に責任を持ってやっていただくということだ。必要が生じれば当然市としても何らかの関わりを持っていく必要があろうと思う。
永井:地元の皆さんの声には、はっきり言って事業者のやるアセスメントがどこまでのものか不安である(信用できない)ということがある。市独自にやるということも必要なことだ。必要があればと言われたが、重要なことであるという認識を持っていただきたい。
市長:主旨に返れば、この問題は自分事、主体的に捉えてしっかりやれということだと思う。なので、この間も審議会での議論もしていただいている。手続きは部長の言ったようなことだが、自分達のこととして捉えて引き続きしっかりやっていきたいと思っている。 ※市長の発言は市の独自調査を含めてのものと考えられる。
④「日本野鳥の会」の要望書
永井:「日本野鳥の会」京都支部から市長へ要望書が出されている。これに対する市長の見解は?
市長:野鳥の会より要望書をいただいている。審議会の中でも動植物、生態系について同様の議論をしていただき同様の意見を出させていただいた。この要望も受け止めながら今後の審議会の中でも生かしていただきたいと思っている。
永井:「日本野鳥の会」の紹介を少しする。要望内容としては、「市長として厳しい行政勧告を事業者へ」というものだが、その背景の説明として、今回の計画は環境への負荷が高いので「事業者は白紙撤回すべきである」という文言がある。それから、「再生可能エネルギーを導入することには賛成だが、そのために鳥類をはじめとする生物多様性が損なわれたり、自然環境が破壊されることは本末転倒である」という文言もあって私も全くその通りだと思っている。今後審査の中で活用されるということなのでしっかりやっていただきたい。
⑤発電事業の売買、地権者との契約
永井:現在前田建設と自然電力の計画があるわけだが、前田建設は説明会の中で作る発電所を投資物件として売却することも視野に入れているということだ。こういう2022年3月期決算資料というものがあって(手に持って示す)、その中にインフラ整備事業として再エネ事業そのものを売却の対象と示している。売ることもありうるんだという説明も受けた。それともう一つ、地権者の方との契約の際に、地上権の設定ということをされることが多い(どちらの事業者も今後の事とは言っているが、その形が予想される)。その際、地権者が困った事になっても救済されないという契約が多いと聞く。この2点はとても重要なことだがどのように考えているのか。
市民環境部長:前田建設工業の伊根町での事業説明会における「風力発電施設を投資対象として他の事業者へ売却する可能性がある」との発言を、伊根町の担当者に確認したところ、確かにそういう発言があったとのこと。他方で前田建設に確認したところ、会社の経営のことであり、絶対にないとは言いきれないが、現時点から将来にわたって地元の理解を得ながら信頼関係を大切にして事業に取り組みたいとのことであった。会社の方針として地元を蔑ろにすることはないとのことでもあった。本市として仮に事業をやることとなった場合、事業者の変更で何らかの影響が発生することと考える。ご指摘のように常に情報を把握する必要があると考えており、今後も注視していく。
事業用地の契約についてだが、基本的に地権者と事業者の民民での契約なので、その内容等について行政として指導等をする立場にないが、事業用地で何らかの問題が発生した場合に責任の所在が不明確な内容であったり地権者が不利益を被るような内容での契約は望ましくないと考えているのでそのあたりの情報収集には努めてまいりたい。
永井:どちらの件も非常に重要なことだ。これまで事業のやられているところでの調査も含めて市民の立場からしっかりとチェックをしていただきたい。極端な場合、途中で事業者が誰か分からなくなってしまって、風車だけが残ったという例がある。淡路島には倒れてしまった風車が何年も放置されたままとなっていたという話を聞いている。最終的に地権者の力では撤去などできないので、行政が出ていかねばならないということになりかねない。とにかくこの分野についてのチェックをしていただきたい。これから私たちが向かって行かねばならない大きな分野だ。心してやらねばならない。
2 市政の諸課題について
(1)各種料金の見直しについて
永井:市の施設などの各種使用料の見直しについて、現在の進捗状況はどうか?
総務部長:昨年12月に案としての考え方の説明をさせてもらったところだ。この考え方をベースにして行財政推進委員会や各種団体に説明し、市民公聴会の1月の開催に向けて準備をしていたが、コロナの第6波で市内でも感染者が増え公聴会を見合わせざるを得ず今もその状況が続いている。今後、状況を見てその公聴会をやり、丁寧な説明を行ってから時期を見て出して行きたい。
永井:当分(議会へ)出せないということと確認する。考え方の説明会の時に、使用料の減免については線を揃えてやっていきたいということであったと思うが、それに向けての基本的な考え方はどういうものか?
市長:私の方から大きな考え方を言う。減免については直接的には活動に注目してどうするかということだが、福祉、地域活動、シニア、男女共同参画といった観点からの政策的配慮を加えながら検討している。利用者負担のあり方の整理も大切で、一様に決まっていくというのではなく応能の原則とのバランスの中で応益負担をどうするのか、時勢評価も必要とも思っている。コロナの打撃からどう立ち直るかという状況の中で従前より負担が重くなることは避けたいと思ってもいる。
総務部長:とにかく減免基準の統一を図りたい。スポーツ施設や貸館施設ともに同じような基準で利用目的を確認して減免の可否を決定する。また、減免を求める団体からの事前申請を受けて市が定めた要件に合致するものを減免団体として登録する形を考えている。市役所全体で同じ団体が同じように扱われるようにしたい。全額免除もあれば減額もある(75%とか50%とか)。市民公聴会で広く意見を聞いて最終的な案を決めていきたい。
永井:子ども達の活動についてはどのように見ているのか?
総務部長:基本的には減免の対象と考えている。
永井:観光関係の指定管理施設における消費税に対応した料金変更の件だが、使用料の見直しと同時にということで、伸びそうな状況であるがいつ頃実現するのか?
商工観光部長:早くやりたいという思いは変わらないが、使用料見直しのスケジュールに合わせてやりたい。観光施設も市民の方が利用するのもあるので、他の施設の使用料の変更と合わせてと考えている。
永井:同じようにということなら、全くメドが立たないということになる。公聴会が必要とかじゃないし、やる気になればできない分野ではないでしょ。消費税が10%にもなってきてずっとその分を負担させられている事業所があるわけで、補填をして欲しいくらいだとも言われている。この分野だけでも早くすることは無理なのか?
商工観光部長:市民が利用する観光施設もあるし、コロナで厳しい中で料金を上げるのにはタイミングもあるとも考える。慎重に判断していきたい。
永井:しつこいようだが、実際に負担(不利益)が続いているという現状がある。市の方のいろいろな事情があるのかもしれないが、そういう問題ではないと私は考える。早急な対応を求めたい。
(2)ゴミの不法投棄について
永井:先日京都新聞で報道され大きく話題になっている旧浜詰小学校跡地の件である。縷々説明はしないがどうしてああいう状況になってしまっているのか?
総務部長:旧浜詰小学校跡地は、昭和47年の統合で旧木津小学校と浜詰小学校との統合で橘小学校ができて普通財産となったもので面積約3500㎡、公共委工事の資材置き場や災害残土の置き場、大雪の時の排雪場所として一時的な利用をしてきたもの。4年ほど前に住民から不法投棄ではないかという苦情が寄せられて認識したというようなことだ。市ではこの間撤去のお願いを行いながら市道に面したフェンスの修理を行い、ゴミが増えないような処置を行ってきた。現在は警察の協力も得ながら当事者に対応を求め、ゴミも少しずつではあるが撤去が進められているという状況だ。
永井:確かに廃船などは少し減った。しかしどう見てもゴミ捨て場の状況である。報道によると、「当事者の合意なしに市が撤去できない」とのことだが、市はあのようなことを合意してやらせていたのか?
総務部長:市の所有地に、端から見ればゴミだが当事者は有価物と主張していて、市は(ゴミ放置の)同意はしていないが、法的には自分の所有地であるからといって強制的に撤去できないということ(その手続きはとてもややこしい)で、どかして下さいというお願いをしているということだ。
永井:住民の皆さんからもいろんな声を聞いているが、あの状態、どう見ても良くない。早急に強い措置を行うべきだ。
永井:他にも似たような市有地があるのか? また、民有地でも地権者の方が困っていたり周辺に迷惑をかけていたりするような例を市はつかんでいるのか?
総務部長:市有地でこのような例は他にはない。民有地についても聞いてはいない。
永井:民有地については私が具体的にどうこう言えるものではないが、実際にはいくつか聞いている。行政としてしっかり把握し問題があるならば指導もするべきだ。
永井:浜詰の現地に今監視カメラが付けられたようだが、あれは何を監視するのか?
総務部長:更にゴミを持ってくる者と当事者の様子も含めての監視を考えてのものだ。抑止力にもなる。保健所からお借りして付ける予定。現在看板は設置したが本体はまだ付いてない。
永井:とにかくゴミが早くなくなることが一番だ。そのように使っていただきたい。
(3)定住促進奨学金返還支援制度について
永井:今年度創設された定住促進奨学金返還支援補助金制度の現在の応募状況は?
教育次長:人口減少克服、地方創生の取り組みの一つとして今年度始まったこの制度だが、昨年の8/10から認定募集を行って昨日3/8時点で111人の方から応募いただいている。
永井:その中には現在市内へ帰ってきて仕事についている方々と今後卒業予定の学生さんとがあると思うがその内訳は?
教育次長:全て現在市内に住んでいる方ということで、その中に去年の4月に卒業して職に就かれている方が新卒者ということで十数人おられると把握している。
※文厚委員会では教育総務課長が現役の大学生が地元に内定が取れたということで2名応募があったと聞いたが、次長のこの発言とは異なっている。
永井:この制度は私自身が提案もした制度で市にもその考えがあって実現したものだ。現役の高校や大学などの生徒・学生諸君にしっかり情報を提供することがこの制度を大きく育てることに繋がると考えるが、そういう取り組みはしているのか?
教育次長:日本学生機構のHPとか市のHP、広報紙とかでもお知らせしている。京阪神の約40の大学、専門学校などにも制度のチラシを配付している。また成人式でも周知に努めている。
永井:制度ができたばかりでもある。市内の4つの高校にも直接出向いて説明し生徒への周知をすべきだと思うが。
教育次長:そのようにいろいろとやりたい。
3 米軍基地に関わる問題について
(1)新型コロナウイルス感染について
永井:米軍関係で1/5に新型コロナの陽性者が2名出て、1/19までに10名へということがあったわけだが、1月14日に「ふるさと病院」へ検査の結果を聞きに来た米軍関係者と病院の間でトラブルが起きたと聞いている。どのようなことがあったのか? またその原因は?
中西副市長:1/14の件は、米軍関係者3名が「ふるさと病院」へ、受けたPCR検査の結果を取りに行ったということであった。病院のルールとしてはPCR検査の結果はその受検者にまず電話で連絡し、その結果が陰性であった場合のみにその証明書を受け取りに行けるというもの。陽性の場合には病院から保健所へ連絡が行って、本人は当然に外出を控え保健所の指示に従うということになり病院へ証明書を取りに行くことはできない。しかし今回は、病院からの電話連絡がない中で、結果の受け取りに病院へ行ってしまって生じたトラブルということだ。市で改めて調べたところ、病院では結果の受取は電話の連絡を受けてからと口頭で連絡したとのこと。この病院では一昨年来米軍関係者の検査もやってきてこれまで特にトラブルはなかったが、今回こういうことが起きた。当日3名の米軍関係者が病院に来たため指導をし、そのうち2名はすぐに外に出て自分の車で待機をしたが、1名が病院内の待合室で待っていた。この1名は陰性の連絡を受けていたので院内に残っていたということだが、他の2人はその事前連絡のない中で来てしまった。この件については米側も深く反省しているということで、部隊内での注意及び再発防止を徹底したと、防衛局から聞いている。今回のトラブルの原因は、言葉の違いによるコミニケーションの問題であったと考えているが、同様の事案が繰り返し発生することがないよう防衛局を通じて米側へ強く求めたところだ。
永井:車に待機した2名のうちの1名が陽性であったという確認でよいか。
中西副市長:その通りだ。
永井:一昨年に米軍基地から陽性者が出て大きな問題になり、いろんな対策も取ってきた中でのことだ。米軍も周知が徹底できてなかったということを認め、防衛局もそのことを反省してしっかりやっていきたいとのことだが、似たような事が繰り返されないという担保になるものはあるのか?
中西副市長:言葉の違いによるコミニケーションの問題があるので、連絡等には確実に通訳を通じて行うことが必要であり、詳しい説明については英訳した文書で説明することも必要だと考えている。検査を受けていただく病院と我々もよく調整して再発防止に努めていきたい。もちろん防衛局にはこうしたことのないようしっかり要請していきたい。
永井:米軍は軍人も軍属も移動が激しい、人の回転が速い。そんな中でも守るべき事を徹底させることが重要だ。今英文の文書もという話が出たが、そういうものが未だにないとしたらその事の方が問題である。1/5に陽性者が出て、市もしっかりやれと防衛局へ要請したと聞くが、2年前の教訓として米軍の情報が出て来ないということと検査を一気にやることができなかったということがある。今後についてはその件をしっかり改善していこうのが確認であったと思う。今回情報についてはそんなに支障があったと聞いてはいないが、検査を早い段階で大きくということにはならなかった。そのあたりの要請はどうであったのか?
市長:前回R2年7月に始めて発生した際に、米軍から保健所への情報等が十分かつ円滑ではなかったということがあって、防衛局が間に入ってご苦労をいただき、我々も防衛大臣、座間の米軍司令官に要請するなどして、その際に米側と保健所の連絡についてはしっかりやりますと言明していただき、その後座間の責任者のダルトン大佐が来られて安全対策をしっかりやると表明された。その直接的な関係を今回も生かすことができた。1/5以降については直ちに防衛局と米軍の司令官に緊急要請を文書で行って、その後口頭ではあるが防衛局に対して追加検査を要請して、結果として米軍が自主的な取り組みとして追加検査を行った。その後、ダルトン大佐より直接文書の返事もいただいた。前回の教訓を踏まえて京都府との間で協力するという体制運営ができている、防衛省からの正式のルートもあるが直接に米軍に要請し返事をいただくというルートも地道に確保できていると感じている。
永井:今回の事も教訓の一つに加えてしっかりとやっていただきたい。
(2)基地からの生活排水について
永井:米軍基地への軍人の入居が完了し完了式もやられたと聞いている。20人ほどの軍人が生活していて、浄化槽で処理した生活排水等が本格的に出されているはずだが、その実態や放流水の水質検査はどうなっているか?
中西副市長:浄化槽の排出については、供用開始後2回目となる周辺海域の水質調査、藻場の分布調査を3/1から3/2にかけて防衛局が実施し、結果は現在分析中である。結果が分かり次第「安安連」で報告される。浄化槽からの排水検査は国内法と同様の基準で保守管理が行われていると聞いている。年一回検査が行われ、昨年のものは異常なしであったと第29回の「安安連」で報告を受けている。市としては防衛局、米軍に対し今後も浄化槽の適切な保守管理とともに周辺海域での調査等を求めて行きたい。
永井:最終的に排水が海へ届くところ、そこがどうなっているのか。把握はしているのか?
中西副市長:以前その場所の指摘も受けたが、その後現場を確認する機会がないので現在できてはいない。が、排水は飛散しないよう布団籠に落とされて適切に管理されていると認識しているし、周辺海域の影響調査は防衛局の調査の通りだと承知している。
永井:実際には確認できていないということだが、非常に重要だ。最終的に水は海に落ちていくわけでそこの状態こそが問題で、そこの水の検査をすべきである。今後とも情報収集に努め、現場の確認をしていただきたい。
(3)重要土地利用規制法について
永井:昨年6月に成立した重要土地利用規制法(基地等の周辺に関わる人を規制する内容の法律)について、注視区域、特別注視区域の指定作業を現在国がやっており、6月には方針が出され、9月には全面実施の予定だが、この法律には付帯決議というものがあり、「注視区域及び特別注視区域の指定に当たっては、あらかじめ当該区域に属する住民の実情に知悉する地方公共団体の意見を聴取する」ということが書かれている。本市にこの聴取にあたることはあったのか、なければその予定はあるのか?
市長:まだない。これは指定の前になされるものだと思うが、防衛省へ確認しても現在準備中でまだ出せる情報はないということだ。他方で、6月には基本方針、9月中旬までには施行ということで、引き続いて防衛局を通じて情報収集に努めていく。付帯決議のように指定の前には自治体の聴取があると思うので、地元の方々のご意見を伺いながら、大切なのは市民の安心・安全・懸念に応えるということなので、その立場から国に対して意見をしっかり述べていきたい。
永井:国から問い合わせがあればしっかりと地元の声を伝えることができるよう準備をしていただきたい。
(4)「防衛施設周辺整備全国協議会」への要望について
永井:最後の質問である。毎年この時期に基地全国協議会への市の要望を上げていると思うのだが、コロナの問題等で改めて日米地位協定のことが大きな話題となった。今回の第6波の最初の口火は沖縄と岩国の米軍基地から起こった、そこに自由に出入りする米軍関係者がコロナを持ち込んだという事実がある。本市の1/5の2人もどういう経過で来てどういう経路で感染したのか明らかにはなっていないが非常に気になるところだ。そういうこともひっくるめて今年の要望はどのようなものなのか?
市長:今年ももちろん要望を出している。コロナの関係も京丹後市からの要望ということで加えている。これは「防衛施設周辺整備全国協議会」という団体に対するものだ。内容は大きく2点、まず日本側と同等同様の完全な防止対策の徹底継続、それから感染経路等の現状を踏まえた都道府県当局との十分な情報共有。もう一つは基地間での感染拡大が放置されないよう他の米軍基地との間の感染拡大に関わる厳密な防止阻止対策と周辺の日本側地域への感染拡大防止の徹底である。それから、もう一つ「全国基地協議会」という団体もあって、いろんな分野での様々な要望を行っていて、コロナ以外では各種の交付金補助金の要望などもあるが、事件事故等が万一発生した場合の不安の解消に備えるため日米地位協定の運用の改善等についても継続して要請している。
永井:様々な問題がある。日米地位協定の運用の改善と市長は言ったが、運用の改善レベルでは解決できない非常に困った事が起きている。もっと踏みこんだ日米地位協定そのものの抜本的改定こそが求められるべきだ。
永井:今回は代表質問ということで45分という時間をいただいて3つの大きな分野からいろんな質問を行った。令和3年度もあと僅か。世界はロシアの侵略戦争に振り回され、一方で新型コロナの脅威も続いている。日本という国の行く末もほんとうに見通せない状態になっている。本京丹後市の課題も山積しており、その課題を抱えたまま新しい年度へ向かおうとしている。今大きな課題である持続可能な地域づくりまちづくりというものが、本当に市の現状や市民の実情を踏まえた上でやられているのかが大切だ。新年度予算を現在審査しているが目にも耳にも新しい新規事業の目白押しでたくさん提案されている。・・・時間になった。とにかくしっかりとした賢明な判断が求められている。 ※ここで終了のブザー。 最後に市長なにかあれば?
市長:はい、しっかりやってまいります。