D130 風力発電関係、いろいろと進んでいます!! 自然電力の説明会、「土砂対策は万全」とのこと!?   22/3/25(金)

 風力発電関係が目まぐるしく動いています。議会審査等でそちらをカバーすることができていませんでしたが、3/19(土)に磯砂山風力発電所計画で自然電力(株)の初めての市民説明会があり、永井も参加しましたので、遅くなりましたがこれを機に2月以降の動きをまとめておきます。

 まず、主な出来事の流れです。

・2/2(水) 市の磯砂山風力発電の審議会1回目。自然電力(株)、事業計画も配慮書も極めて不充分。根拠がない、調査が足りない、誠実さがないなど委員さん、専門家より批判多し。推進希望の区長さんが地元代表で4人出席されたが、その旨は発言せず。他の区長さんから危惧の話が出る。

・2/13(日) 永井のZOOM報告⑤。昨年12月以降の動きや取り組みなどを報告、参加者(約20名)と交流。

・2/15(火) 「風の半島」宮津市議会へ請願。

・2/18(金) 自然電力より、「考える会」の1/8の公開質問状への回答あり。相当な分量の質問だが、担当の方が丁寧に答えている。しかし、肝腎のところは適当にズラされた回答となっているように思う。

・2/21(月) 「守る会」、環境省と経産省へネット署名(2289筆)に要望書を付けて送付。

・2/24(木) 「京都府環境影響評価専門委員会」2回目。専門的な詳しい話が多かった。答申案に「中止」の文言はなし。

・2/25(金) 環境省、第一・第二の件で経産省へ意見書提出。

・2/26(土) 永井、新温泉町の下地住職を訪ねる。地権者との関係など貴重なお話をうかがい、新温泉町の状況をいろいろ教えていただく。候補地域の3地区は全員が建設反対。

・3/3(木) 市の磯砂山風力発電の審議会、午前中に現地視察。

・3/3(木) 市の磯砂山風力発電の審議会2回目。答申案は前田へのものをベースに更に追加。アドバイザーの先生方の知識が前田の時より広く深くなってきていることを感じた。植村先生は山と川の事を、野間先生はKBAについての紹介をされた(丹後半島が国際的な組織から生物多様性重要エリアに指定を受けている)。傍聴は15名ほど。

・3/8(火) 「京都府環境影響評価専門委員会」、知事へ意見書提出。

・3/8(火) 経産省、前田建設へ意見書提出。

・3/9(水) 京都府、前田建設へ意見書提出。

・3/9(水) 永井、代表質問。風力、再エネ、0カーボンなど色々聞く。 ※この内容はD129を読んで下さい。

・3/13(日) 永井、知り合いの弁護士に風力発電の地権者との契約書への意見をいただく。地権者の側に極めて不利な内容の契約が多いとのこと。

・3/17(木) 「守る会」、前田建設工業と自然電力へネット署名提出。2482筆。

・3/19(土) 自然電力、峰山吉翠苑で説明会。

 それぞれにいろいろ書きたいことがありますが、そこは端折ってここからは3/19(土)の自然電力の峰山での説明会を特集します。

 この説明会は、自然電力の一般市民向けとしてはたぶん初めてのもので、現在配慮書の縦覧中(3/4~4/4)という中で行われたもの。説明側は自然電力株式会社の4名と配慮書関係の日本気象協会の方が5名の9名。参加者は広い会場にほぼいっぱいで40名以上と思われました。

 19:00開始で、最初に事業者側から45分ほど説明があって、その後質問の時間に入りました。質問は予定の20:30になっても途切れることなく(10名ほど)、最終的に21:00まで続いて、質問者を5人ほど残して(永井もその中の1人)終了ということになりました。

以下質問と回答の主なものを紹介します。※は永井のコメントです。

質問:配慮書と言いながら、我々住民が一番気になっている地形・地質にかかわるものがないのは何故か?

回答:配慮書は基本文献調査で文献の中にはそれがないためです。

 ※その「文献」とはどんなものを言うのか、災害の記録はたくさん文献に残っていると思うが・・。

質問:水環境もないが何故か?

回答:配慮書には工事に関わるものは入らないので、水環境は方法書で出されます。

質問:風車の搬入路なども明らかにされていない。太鼓山ウィンドファームの件ではこの搬入路がネックになって止まっていると聞く、どうなっているのか?

回答:資料で示したレベルまでしか今は言えません。

質問:工事や敷地から出てくる土砂、泥水などがとても心配されているが?

回答:資料に詳しく出してあるが、沈砂池で真砂土を濾過する。工事前には木で柵を作って流水防止とする。谷川に堰堤を作り調整池も作ってそのまま流すようなことにはならない。盛り土については、底に暗渠を通して水を抜くようにする。シルトは沈むものではないが、シルトフェンスやフィルタープレスという特殊な素材で流出を防ぐ。道はアスファルト等で覆って、水を誘導する波路というものでコントロールする。

※土木工事関係の担当者が、「心配ない」という感じで説明をされたが、基本通常時のことのようであった。会場はその説明に納得するという雰囲気ではなかった。説明資料は具体的な対策が何枚も写真付きで出されていた。

質問:候補地はどうして選んでいるのか? 磯砂山が選ばれた理由は?

回答:気象データを分析して全国で絞り込んでいる。風況、国立・国定公園外、送電線の有無の3つの条件があるが、ここがそれに該当したということだ。

質問:磯砂山は丹後半島のまん中で半島中どこからでも風車が見えるが景観についてはどう考えるか?

回答:眺望点をいくつか選んでフォトモンタージュで示し、分析していきたい。

質問:磯砂山は丹後にとって聖なる山である。こんなところにどうして、という声が満ちているがどう考えているのか?

回答:いろいろとお聞きしております。

質問:自然電力さんはこれまでソーラー発電中心のようだが、今回のような規模の風力発電(4000万kW級が14基)の実績はあるのか。

回答:4000kW以上の風車の実績はあるが、この計画の規模のものはない。他にも一箇所計画はあるが。 ※要するにこのレベルは始めてということ。

質問:スケジュール表では事業継続の検討が2023年までとなっており、24年からの設計は点線となっているがその意味は?

回答:実際にやるかどうか時点時点で検討しながら進めるということ。撤退という選択肢もあるということです。

質問:風車のメーカーは?

回答:まだ未定ですが、GE(アメリカ)かヨーロッパの企業のものになるでしょう。日本のメーカーは今はありません。 ※日立など日本のメーカーは全て撤退しました。

質問:低周波の調査などはどうか?

回答:騒音については今後しっかり調査します。

質問:丹後半島はジオパークに指定のジオサイトがあちこちにあり、稀少生物の宝庫であり、過去から守られてきた自然と文化が満載の場所だ。そんなところになぜ?

回答:今後いろんな事を調査して検討します。

ちょっと呆けてますが丹後のジオマップです。

質問:風力発電所はCO2削減のためというが、風車や発電所を作るためにCO2が出され、山の木を切って吸収量を減らす。20年経って撤去しても山の回復には大変な時間がかかる。それでもCO2削減に寄与できるのか。

回答:詳しい数字はまだ出せませんが、風力発電は1年少しでその分のCO2を回復できます。

※どういう計算方法を用いるのか分からないが、机上計算では1年かどうかは怪しいけどそうなるようです。

質問:京丹後市はR4よりゾーニング作業に入るが、それとの関連は?

回答:その内容を事業に反映させるつもりです。

※市のゾーニングはR4~R5の2年でやるということで、自然電力の計画では方法書に基づいての調査中(R5)にマップが出来上がるという感じとなる。ゾーニングで磯砂山地域がアウトとなったら彼らはどうするのか・・。

質問:発電所ができれば固定資産税の増加で市の収入が増えるとのことだが、その分地方交付税が減るので意味がないと思われるが?

回答:(始めて聞いたという感じで)今後勉強します。

質問:災害時の土石流ということを考えると流域変更はすべきではないと考えるが?

回答:土石流対策は自然のまま放置するのでなく開発して変更した方がよい場合もある。真砂土の山は崩れやすいのでその方がよい場合がある。

質問:砂防堤などを作ってもすぐに埋まってしまうではないか。

回答:それは埋まった土砂を浚渫しないからだ。砂防堤も沈砂池も浚渫して維持してゆくべきものだ。我々は20年間しっかり浚渫しながら事業をやる。

質問:その20年以降はどうなる。我々はここに100年も200年も暮らしていかねばならん。

回答:100年後・・、そんな事を言われても・・。

※沈砂池や堰堤などの浚渫を20年間はやるが、その後は関知しないということ。浚渫した土砂はどこへ持っていくのかも気になる。丹後の山のあちこちにある一杯になった砂防堤の浚渫などしているのを見たことがないが・・。

 永井のメモでは以上のようなことでした。質問の方々は思いの部分が多く、質問部分だけだとこんなものかなと思います。土木関係や災害関係の回答は自然電力の土木担当の方が答えられましたが、この方は他にも

★風車でできる裸地はたかだか3.5haだ。我々はソーラー発電で何百Haという広さを手がけてきたが、指摘されるような問題は1度も起きていません。

という自信満々の発言もありました。ソーラー発電は基本平地で山の尾根に作るようなことはあまりありません。同列の比較はとてもできないと思います。また山を削って(風車一基で約4000㎡)出てくる土砂は、どうやら近くの沢に暗渠を入れて盛り土するということのようです。

永井はFIT申請の件、ゾーニングの件、KBAの件など聞きたいことがあって終盤に挙手をしましたが、時間切れでダメでした。

明日、3/26(土)14:00より大宮町のセントラーレホテルで2回目の市民説明会があります。それにも参加して機会があれば溜まっている質問をしたいと思っています。前回行きたかったけど行かなかった方、是非参加して下さい。また、今配慮書への意見募集中です。4/4までですので忘れずに出しましょう。

また、磯砂山風力発電所計画に関わる3回目の「美しいふるさとづくり審議会」が3/31(木)に予定されています。答申案がこれで決まります。傍聴に行きましょう。会場と時刻はまた出します。

22/3/25(金)夕

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