D152 風力発電関係のその後! 文殊さんが「特別注視区域」に!!  9月議会迫る!   22/8/21(日)

 研修報告の②がまだとなっていますが、重要な内容でもあり中々書けません。一方で報告しておきたい最近の事がいくつか出てきました。今回はその件を報告します。

 その件とは具体的に2つ。1つ目は風力発電所関係のその後の状況、2つ目は永井の住む宇川地域での米軍基地関係の新しい状況です。

1つ目の風力発電所関係の件。

 依遅ヶ尾山系に15基の風車を予定している前田建設工業、磯砂山系に14基の風車を予定している自然電力ともに「配慮書」の段階を終えて(前田建設、1/27。自然電力、4/4。)、現在次の「方法書」の準備をしている段階です。

 両事業者ともに、審議会の答申を受けた市長の意見書や知事の意見書、国(経産省)の意見書も受けました(市長の意見書は知事へのものですが、当然周知されています)。そしてその内容は、「配慮書」は重要案件が抜けていて全く不十分である、計画内容の見直しが必要であるという極めて厳しいものでした。

 両事業者の当初の予定では既に「方法書」が出されているべき時期を過ぎています(前田建設は6月頃、自然電力は7月頃)が、その動きはありませんでした。「配慮書」縦覧で多くの意見が寄せられています(永井も両者に書きました)が、気になるその内容と回答は「方法書」の資料として付けられるということで未だ日の目をみておりません。

 そのような中で最近得た情報を以下にまとめます。

前田建設 

・3月~7月に全ての利用通路の全方位カメラによるチェックを終え、特に現状を変更せずに風車等の輸送は可能であるとことを確認した。

・今年のFIT入札は断念する。第二の地権者不明(特に豊栄地区)によって手続きが進まないというのがその理由。

・「配慮書」終了時には6月頃とも言われていた「方法書」は今のところメド立たず。詳細な事業計画は「方法書」のあとに調査をして「準備書」段階で出す。

・第一では予定地になっている日ヶ谷財産区が、4月頃より批判的な態度を変更し、7月下旬にFIT申請用証明書提出予定を住民に通知した。但し、新たな事業計画の内容を吟味した上でという条件がついているとのこと。

※ということは一定の事業計画はFIT申請までに出てくるということか・・?

・「配慮書」時の説明会で約束した第二風力の市内中心部での説明会については全く予定なし。

※遅れている原因の1つに、防衛省との関連(風車が自衛隊や米軍のレーダーの機能を阻害するので事業内容について国と事業者が協議する)もあるのではないかと思われるが、その面からの情報は何もない。

自然電力 

・5月にやられた住民との意見交換会の際、アセスメントとは別に7月頃には一定の事業計画を住民に示しますということであったが、全く沙汰なし。

・7月に予定されていた「方法書」は秋頃とのこと。9月のFIT入札へは応募する予定。地権者の特定や申請用証明書の準備はそんなに進んでいないのではという声も聞く。

・自然電力は、昨年以降小売り部門が卸値高騰のために赤字経営となり、今年11月末でこの部門の廃止を決定。現在利用者へ他事業者への契約変更を求めている。

・それでも発電部門にこだわる理由は、こちらは利益の確保が確実であるため(FIP制度)と思われる。

※地権者の特定や申請用証明書の準備はそんなに進んでいないのではという声も聞く。こちらも防衛省との関係については全く情報なし。

 この件にも関連する京丹後市の情報と永井の見解も紹介すると、

・市はこの7月にゼロカーボンロードマップを完成。2050年市のゼロカーボン実現の行程表を示した。

・再エネと省エネの2つで2013年のCO2排出量に比して2030年に50%減、2050年に100%減を達成するとし(2019年で19.3%)、森林保全の部門は実現した分だけ前倒しとする予定。

・市、事業者、市民のそれぞれの具体的行動などが示されているが、それぞれの主体がいつまでに何をという具体的なものは曖昧で分からない。目標の数字もない。意識啓発の言葉ばかり。

・再エネの現況数値は消費量で計ることになるが、実際にはそれは不可能とのこと。それでどうやって50%や100%を目指せるのか。極めていい加減。

・再エネ利用の中心になるとされる「地域新電力」については、市が主導してプロポーザルで今年度中に事業主体を決めるということであったが、ロードマップでは「地域エネルギーサービス事業」という言葉が頻出し、その意気込みは完全に後退している。昨今の電力価格高騰による「新電力」の相次ぐ撤退がその背景にある。今年度中の事業主決定は難しいのではないかと思われる。

・今年2022年、2030年まで8年しかないが50%削減はどうみても無理であろう。

・ゾーニングが今年度と来年度の2年でやられる。現在プロポーザルによる事業者選定の段階である。保全エリア、調整エリア、促進エリアの3つの区分をするということらしいが、保全エリアと現在の2つの発電所の計画が重なる時にどうするかは現在の所不明といういい加減なこととなっている。

※重なったらやめさせるのでなければゾーニングの意味がないではないか。

・ゾーニングは有識者による検討会議を発足させて検討し中間報告が出たら審議会でも審査するという流れとのこと。

ゾーニング、始動。

・風力発電については、2つの業者の今後の出方を待つということで、地元からの要望がある市独自の調査等もやる気はなし。「方法書」や事業計画が出てきたら、審議会等でチェックし不足の点は要望していくというような感じ。

・審議会に新しい土木工学の専門家のアドバイザーの追加を検討するとのこと。

・また審議会で9月中に青山高原への視察へいく予定とのこと。

 ついでにこの件についての最近の野の声をまとめてみると

・地元や観光関係者などには批判的な声が圧倒的に多いのは変わらない。

・一般の方々には「(作ることが)もう決まったんでしょ」という声のある一方「断念ということか」という声もよく聞かれる。

・まだ何も決まってないが、事業者が計画実施に向け執拗に行動していることを認識している人は多くない。

・漠然と風力発電の話があることは知っていても、どこにどんなのがとか、どんな影響がということまで考えている方は少ないと思われる。

・市民にとって大変重要なことなので住民投票をやったらどうかという声も聞く。

※「京丹後市まちづくり基本条例」では31条に「住民投票の制度を設けることができる」と規定されています。

 もう一つの米軍基地関係の件です。

 昨年(2021)6月に国会で与党が強行成立させた「重要土地利用規制法」が今年9月から本格実施の予定となっています。この法律は自衛隊や在日米軍の基地などの施設周囲約1㎞について、住民や出入りする人の監視、不動産等の取引のチェック等を行い、「阻害行為」があれば刑事罰もあるというものですが、国民の基本的な人権を制限するものであるのにその対象行為(阻害行為)が全て政府へ白紙委任というもので憲法違反の法律だと問題視されているものです。

 永井の住む宇川地域にある在日米軍経ヶ岬通信所と航空自衛隊経ヶ岬分屯基地が、その対象区域になることは十分に予想されたことですが、8/18に行われた京丹後市での地元区長などへの情報提供の場で「特別注視区域」となることがほぼ間違いないとの説明があったとのことです(8/19毎日新聞)。

予想通り「特別注視区域」

 永井はこの法律の件を最初に聞いた時から文殊さんの両基地がその対象になることは明白だと思い、一般質問でも何度か取り上げて市の姿勢を質してきましたが、やっぱり予想通りのことになってきました。市長は対象地域になるかどうかはまだ分からない、もしそうなれば住民の声も聞いて言うべきことは言わねばならないと答え、一方で懸念の声に対し「文殊さんに行って基地を覗いたり写真を撮ったりしたからといって直ちにどうとかいうものではない」という防衛省の見解も明らかにしてきました。

 また国に対して、そうなるのであれば国による住民への説明の場と自治体から国への意見表明の場を求めているということでした(6月議会)。

 文殊さんの日米の基地から1㎞というと、東側は袖志地区が全部、西側は尾和地区が全部と中浜の東側くらいまで(さらに南側の山間部)ということになります。「特別注視区域」ということになれば、周辺に出入りする人の監視はおろか不動産取引には届け出が必要になり、違反すると刑事罰の対象ということになります。

 具体的な指定は9月以降に順次ということですが、指定となればまず対象地域の住民や不動産の所有関係、利用状況の詳細な調査がまず行われ、それをもとに国からあれこれ言われたりされたりするということになると思われます。

 元々が日米地位協定によって住民の意向にも自治体の意向にも関係なく米軍基地がやってきて、貴重な景観を壊し住民生活にも大きな影響を及ぼしてきた文殊さんの米軍基地。そのこと自体が地元、住民にとっては「阻害行為」そのものであるのに、臆面も無く更に住民に対してあれこれ口を出し事によっては刑事罰という。とんでもない話だと永井は思います。ましてや国は住民への説明会さへ開かないとのこと。住民無視、憲法無視も甚だしいと言わざるを得ません。

 9/1(木)からの9月議会が迫ってきました。一般質問の通告〆切は8/29(月)です。今回紹介した風力発電をめぐる問題と米軍基地をめぐる重要土地利用規制法の問題は当然ながら取り上げねばならないと思っています。

 このところ雨がよく降ります。永井の田んぼも稲穂が実ってきましたが、雨や風で倒れかけるのも出てきて心配です。

22/8/21(日)朝

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