D126 3月議会、始まって1週間! 初日に学校適正配置計画を可決! 永井の反対討論を残します!!   22/3/5(土)

 2/25(金)3月議会が始まりました。初日は、12月議会からの懸案の学校適正配置基本計画やらR4年度の予算案やら他にも山のように議案があって終了は夜の9時45分でした。それ以後既に1週間が過ぎていますが、この報告を上げることができていません。理由は一にかかって、R4年度の予算審査です。2/28(月)から昨日3/4(金)まで5日連続での予算審査、とにかく膨大な内容(文厚委ですので、健康長寿福祉部と教育委員会と医療部関係の総額100億円を超える180以上の事業)を全部読んでチェックして執行部と対峙しなければならないのでそれに時間と全精力を注いで余力なしという状況でした。

 その間ずっと気になっていた初日の学校適正配置基本計画について、遅くなりましたが報告しておきます。永井の住む宇川地域唯一の宇川小学校が無くなるという内容を持つこの学校適正配置基本計画は、一昨年の12月以来の2年越しの重大問題で、永井は宇川の多くの方の「残してほしい」という思いを実現すべく様々な努力をしてきましたが、結果として2/25(金)に賛成多数で可決されました。賛成13、反対6でした。

 賛成の理由は、①1次計画を継承するこの計画は必要だ。②複式学級は教育上ベターでない。③個々の地域の声は新たな一章で担保される。④パブコメ等はあってもよかったが特に必要なかった。というようなもので、討論では確か6名が発言。

 反対は①1次計画10年間の検証が不充分。②計画策定の段階に瑕疵がある。③パブコメが必要であった。④文科省の手引の残すケースに当たる。宇川小は正にこの例に当たる。⑤計画内容に不適切な内容がある。というようなもので、討論では橋本(共産党)、平林(共産党)、田中(共産党)、永井(創明)、鳴海(無会派)の5名の議員が発言しました。

 この時の永井の意見交換(反対賛成とは別に思う所を述べるもの、討論の前に必ずある)と討論(議案に賛成反対の意思表示をするもの)をここに残しておきます。

意見交換

議案第124号京丹後市学校適正配置基本計画について、文教厚生委員会の審査を通しての私の意見を述べます。

 市教委・市長の今回の基本計画の提案は「複式学級」が教育上よくないということからその解消が一番の目的であり公益であるとしてなされているものですが、一方で今、全国各地で新しく複式学級も含めた小規模校教育こそ「教育の原点である」という実践が行われ文科省からも高い評価を受けているという現実があります。この現状や新しい知見について二元代表制の立場から議会の付託を受けた文教厚生委員会が積極的に視察・研修などを行いその上に立っての判断をなすべきであったと思います。

 私は委員会の中で何度もその提案をさせていただきましたが、結果としてそれは実現しないまま委員会採決となってしまいました。委員各自が最終的にどのような判断を下すかは自由ですが、そういうことも含めての判断であるべきであったと思います。極めて残念であり、委員会の職務が全うされたのかとの指摘を受けても致し方ない事態と考えます。

 思い返せば11年前、この再配置問題は特別委員会で大変な時間をかけて審査をされ(委員さんが手分けして全ての学校を回られたりもして)、当時の市教委が「魂の計画」と豪語されたものを、大幅に修正して当初計画は小学校18校の再配置案を11校へ削減させるということを行っています。膨大な議事録も読ませていただきましたが、当時の委員さん方の大変な気概(困難を乗り越えていこうという強い気持ち)というものを私は感じます。今回の審査とはどこが違うのか、大切なことを落としてきたのではないか、ということを思うものであります。

討論

議案第124号京丹後市学校適正配置基本計画について、この計画に反対をします。その理由として5点。

 1点目、市長も市教委も1次計画の時から国の方針は変わってないといい、1次計画の内容を継続するとしていますが、1次計画はH22年からで、文科省の「手引」(公立小中学校の適正規模・適正配置等に関する手引)はH27年に出されています。1次計画が出てから、国の考え、方針は明らかに変わっています。

 その「手引」の中の、小規模校を残していくケース(第4省(1))の4番目には、「学校を当該地域コミュニティの存続や発展の中核的な施設と位置付け、地域をあげてその充実を図ることを希望する場合」と明確に記されています。ところが、この点について市教委は宇川などでの保護者や地域の説明に際し意図的に触れず、資料にも小規模のデメリットを強調する内容のものを使用してきました。

 今回の「基本計画」にも「考え方」(説明資料)にも一切紹介されていません。昨年2/21に地元の上宇川連合区からこの点を指摘した要望書が市教委へ出されているにもかかわらず、市教委はそういう都合のよいところだけを説明する不誠実なやり方を続けてきました。

 市長は一般質問への回答(昨年9月議会)で小規模校存続の例を検討したが本市の学校は手引の例には当たらないと答え、1/17の文厚委の説明でも教育長はこの4番目には触れませんでした。諸々の事を考えてなどと言われましたが、それでは分かりません。次長は昨年11/29の文厚で10年前に決めたからなどとも言っていますが、その後に「手引」の4つのケースが出ているのです。

 この度(昨年11/12)、宇川地域より「小さくても輝いている宇川小学校の存続を求めます」という署名が733筆(有権者1116のうちの65.7%)という圧倒的な住民の声として市へ寄せられています。これこそこの小規模校を残す4番目のケースに当てはまる典型的な例です。なぜこれが当たらないのか、明確な説明がありません。極めて大きな不信と疑問を持ちます。

 2点目。今回の適正配置計画は、1次計画を継続するものということですが、その事はどこでどのように決められたのか。適正な手続きに基づくものなのか、市民への姿勢として妥当なものなのか非常に疑わしい。R2年11月の教育委員協議会で継続の方向を確認したと言われますが、R3年3月末に1次計画は終了して、4/1からは計画は何もない状態になっており、この日付で教育長も教育次長も交代しています。であるにもかかわらず、協議会も委員会も開かれず、パブコメも取られることなく、どこかで自動的に継続が決められ、それを前提にして市教委の名で資料が作られ説明がなされています。これは大きな問題です。

 3点目。学校が1つなくなると国からの交付金が年に約2400万円減るということが、提出された市教委の資料によって明らかになりました。市の財政規模が小さくなるということです。また、この計画が実行に移されれば、教職員の数も減り、人口減少が更に進み、府からの給与等の入りも減り、市の経済活動にマイナスの要因になることも必定です。人口減少に歯止めをかけ地域の活性をめざすという市の基本政策に逆行することに他なりません。

 そして何より地元の方々が複式でもいいから今は残して欲しいと言っておられる。これではあらゆる面から市にとってベターとは思われません。それでも「公益だ」と言ってやらねばならない理屈が私には理解できない。計画は不可欠なものではなく、それぞれの地域の皆さんの声を聞いてやられたらいいことです。その当事者である地元の者や保護者自身がそれでも頑張ると言っているのに、それを無視して「それが公益だ」とはいかなる論理か。地域づくりを応援できないで「公益」を語ることはできないと考えます。

 教育の議論と財政のことは別だと反論される方もおられますが、少子化が進む中でいかにして学校と地域を守っていくか、数が減るから無くすんだという発想から脱去して財政も人口問題も教育も全てひっくるめて考えていかねばなりません。

 4点目。複式学級を実践している他市町の例を研究されたということで、具体的な研究対象の学校の資料を市教委からいただきました。その中には正に地域の声を大切にして残しているという共通した実態が見られます。宮津市、伊根町などその典型です。であるのに、宇川小学校はどうしてこういう例に当たらないのか、とても不思議に思います。

 5点目。計画22Pにある「地域の教育」継承への「配慮」について。

 1次計画でのこの件の検証はなされていません。統廃合で閉校した学校でやられていた「地域の教育」は実際にはほとんど継承されていないのが実態です。地域の行事に参加するというのは「地域の教育」とはまた別、あるいはごく一部です。できないことを「配慮」はできません。

 宇川小学校では、この「地域の教育」として毎年5年生の全員が上山(うえやま)という地区の海の見える山の中の田んぼで無農薬の米作り体験を行っています。今指導されているのは6年前に宇川に移住して上山に住んでおられる若いご夫婦です。苗作り、田植え、草取り、稲刈り、子ども達はこの取り組みの中で田圃の中の生き物から世界の食糧事情まで様々な事を学び、その成果を秋の学習発表会で地域の皆さんへ披露し大変喜ばれています。これが地域の教育です。こういうことができなくなるのです。

この適正配置基本計画、今なぜそこまでしてやらなければならないのか。私には分かりません。これからの本市の未来を考えたとき、今ある地域の力をいかにして未来へ繋いでゆくかということが一番大切です。持続可能な地域作りのベースは人作りです。子ども達を可能な限り地域とともに育てることが、今こそ大切ではないか、そのために地域と学校を支援していくことこそ行政の仕事ではないかと私は思うのです。

 以上の理由で私はこの計画に賛成はできません。

 この本会議での議案審査は、朝9時半頃に始まって最終12:45までかかりました。傍聴席には10数名、宇川からも5人ほど来ておられました。反対討論には議事進行が何度かかかりその発言内容の一部取り消しなどもありました。永井の反対討論は発言としては最後から3人目、けっこう長かったので途中言葉が詰まることもありました。何度やっても慣れるものではありません。

 最後に、この学校適正配置基本計画は可決されましたが、宇川小学校がすぐに丹後小学校への統合=閉校の手続きに入るというものではありません。賛成討論の中にもあるように、計画が決まっても地域での「理解の深まり」がないと進められないという方針が別にあるからです。「理解の深まり」とは保護者、地域の「納得」「合意」であると確認もされています。宇川では存続の署名が有権者1116人中733名(65.7%)の方から出されていて、今合意はなく、「理解の深まり」はないのです。市や市教委がこの話を改めて持ってきても、署名の通りで今合意はないので話は進められませんということで何ら問題はないということです。

 この計画30Pの3の「理解の深まり」の文章は、昨年8月にやられた下宇川、上宇川の2度の説明会での多くの方の圧倒的な存続を求める声を受けて、市長、市教委が計画書の中に入れざるを得なくなったものです。宇川の方々が勝ち取った文言とも言えます。

 4月から昨年の4月と同じように複式が1学級できます(2年生と3年生)が、このクラスは担任さんと講師の先生の2人体制となります(R4予算に講師の先生の費用が盛り込まれています)。今後宇川の地域づくりと関わって、移住される方が増え、子ども達も増えていく取り組みを引き続いてやっていかねばと思うものです。

22/3/5(土)夜

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