D73  大宮町にも風力発電所計画!!   何が起きているのか?           7/25(日)夜、ズームでの報告会を企画中!   21/7/22(木)

 前田建設工業による丹後町や伊根町・宮津市の風力発電所計画について前回報告しましたが、今週新たな風力発電所建設計画が分かりました。

 詳細は不明ですが、九州の事業者による計画で、場所は大宮町の常吉地区あたりの山地、霊峰磯砂山の南山麓に当たるゾーンに15基の風車をというお話です。

 7/27(火)の午後に地域関係者への説明会があるということで、可能なら参加させていただこうと思っています。

 それにしても、太鼓山(スイス村)のウィンドファームの再建設事業(府の募集に応じて北海道の会社が計画、こちらはこれまでの敷地を利用して風車3基の計画)も含めて、京丹後市だけで3つもの風力発電所計画が同時進行する事態となりました。一体何が起きているのか?

 いろいろと情報を集めてみると、次のような事情が見えてきます。

1,自然エネルギーによる電力の高価買い取り制度(FIT制度)があと数年(2023年?)で終わるので、事業者にとっては今が最後のチャンス。

2,風力発電プラントの一大消費地であったヨーロッパの国々(スペイン、ドイツ、デンマークなど)が軒並み風力発電の諸問題に気づいて中止方向へ向かっており、日本製の風車などが要するに売れなくなって値崩れを起こしている(メーカーが大量の在庫を抱えてダンピング状態とも)。

3,一方で国の強い「ゼロカーボン実現」政策の中で太陽光と風力のクリーンなイメージが今ならまだ強い。

 要するに風力発電事業者が「今が最後のビジネスチャンス!」と躍起になっているということらしい。9/14が今年のFIT認定の申請期限で、それに間に合わせるために突然の話が次々と出てきているという事情らしい、ということです。

 ここに詳しくは書きませんが、風力発電所はクリーンエネルギーの代表格のように言われていますが、いろいろ調べてみますと全然そうではないということが分かってきました。風力発電は当然ながら風が吹かないと発電しません。出力10万㎾と言ってもごく限られた条件の風が吹いている時にしかそうなりません。発電できない時の電力をどこかでバックアップしなければなりません。それをやっているのが火力発電所ということです(火力発電所はいつでも出力を調整できます)。これではCO2削減にはつながりません。

 また、FIT(固定買い取り制度)による買電は20年間しか保証されません。風力発電はどんな大きなモノでもたった20年間の事業なのです。木を切り山を削って風車を林立させても、20年経ったらもう用済み、超危険粗大ゴミが残るだけということになりかねません。20年経てば撤去する予定と事業者は言うようですが、その保障は不明確です。風車を撤去しても壊された山や自然は元には戻せないのは明白です。先日の熱海のような災害が起きれば被害を受けるのは住民です。

 立地した自治体や地元に何かメリットがあるのか? 固定資産税は最初の数年は減免され、その後は入ってきた分だけ国からの交付税が減らされるので全くメリットにはならないとのこと。地域の電気代が安くなるなどという人がいるらしいですが、そういう実例は聞きません。逆に彼らを養うために私たちは再生可能エネルギー賦課金という形で電気料金に上乗せされてお金を取られています。この額は一般家庭で年1万円強。関電が自分のお金で買っているわけではないのです。

 このような企業の儲け理論だけの事業に、自治体や我々住民が振り回される必要はないように思われます。

 昨日、宇川の風力発電計画地のすぐ傍にある宇川中流の「小脇水力発電所」へ行って来ました。800㎾と小規模ではありますが、何と1920年(大正9年)稼働開始、それ以来延々100年以上私たちの宇川に電気を提供し続けてくれています。素晴らしい。

 中小の水力発電所が最もクリーンで安定した環境負荷の少ない発電所であることが分かってきています。京丹後のエネルギーの未来はこのあたりにありそうです。

 地味な小脇の発電所はそう語っているようでした。

 最後に、この件での永井によるZOOMでの報告会を企画中です。

 うまく行けば明後日7/25(日)の夜8時からです。

 慣れないことなので自信はないですが、興味のある方は頭の隅に入れておいて下さい。

 IDとかの案内は間に合うようにここに出すつもりです。

21/7/23(金)朝

宇川の風車の予定地の尾根
小脇発電所

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