D174  最終日の3つの意見を上げておきます。

 昨日付のD173で紹介した最終日の内容に関わって、永井の行った3つの意見交換の全部を参考のため上げておきます。

① 議案第8号京丹後市太陽光発電設備の設置と地域環境との調和に関する条例案について

 この条例は、一昨年(R3 2021)の秋に弥栄町黒部地区で人家の隣地に突然太陽光発電設備が作られるということから、住民の方がこんなことは困ると声を上げられたのがきっかけとなって、私がその年の12月定例会の一般質問で取り上げ、市も整備が必要だという認識を持って検討が重ねられ、審議会の議論も経て本日を迎えたものです。

 地球温暖化対策の一環としてゼロカーボンへ向け再エネを促進していこうという国を挙げての取組の中で、太陽光発電は身近な再生可能エネルギーであります。しかしながらそれが、自然環境を壊し、日々の生活を脅かすようなものであっては本末転倒になってしまいます。地域の方々の合意の下で、責任の所在が明確になされ、安全な機器の維持管理がなされ、将来にわたってトラブルが起きた時に速やかにそれが解消されるような仕組みがまず必要です。この条例がそれを実現するための条例であると認識をしております。

 昨年12月定例会でのこの条例への私の質問に対して、市民環境部長より事業者との「事前協議制」などによって「実効性のある条例にしていきたい」という言葉を得ましたが、果たしてこの条例がその実効性を期待できるものになっているのか?

 基本的な規制等の内容は一定定められているようには思いますが、事業者の努力規定に当たるものがいくつもあります。事前チェックの内容は条例の条文に明確には定められてはいません。詳細は規則で定めるということであり、その規則の内容も一定できあがっているようですが、本来この条例と一緒に出すべきものです。運用として、行政の担当者が事前協議でよほどしっかりとした価値基準と判断基準を持ってチェックをしなければならないと思います。

 また、既に作られて稼働している多くの施設について、この条例は適用されません(付則の2)。何かトラブルがあれば国へつなぐということですが、実際はどうなるのか危惧を持ちます。

 とにかく、既存の施設も含め、まず事前に事が起こらないよう万全を期すこと、そして万が一事が起きた時には住民の立場から事の責任を明確にし、迅速に対応できるようにすること、そのための条例としてしっかりと運用していただきたい。 以上、私の意見です。  ※950字、4分少し。

② 議案第28号令和5年度京丹後市一般会計予算について

 令和5年度一般会計予算は、歳入歳出の総額373億6000万円、市政発足後最大規模であった昨年度当初予算より17億3000万円、4.9%増で最高額の記録を更に更新する予算額となっております。

 歳入において、寄付金額14億円(昨年度より4億円アップ)が見込まれ、自主財源比率が30.2%と昨年度の28.9%から更に1.3%アップしたことは、この3年間の市を上げてのふるさと納税拡大事業の成果がしっかり出ているということで、大きく評価をいたします。また昨年に引き続いて市民税や固定資産税の増で市税収入見込が増加している(約7269万増で約51億1600万円、法人市民税は少しダウン)ことはコロナ禍や激しい物価高騰の中でも様々な対策が一定効果を上げているように思われます。

 歳出の方ですが、R5年度予算も昨年度ほどではないですが新規事情が多くあります。昨年度はいろいろと問題点が指摘され減額や修正されたものも複数ありましたが、今回は結果としてそこまでというものはありませんでした。審査の中で委員の中から従来からの様々な声が随所で生かされているという評価の一方で野心的なものが感じられなかったという声もお聞きしました。

 年間2400件という地区要望に応えるべく相当額の予算増がなされています。またふるさと納税による寄付が様々なまちづくり事業に当てられていることもよく分かるようになってきました。一方で、かねてからの継続課題となっているいくつかの分野での対策が今回も弱いなぁと思っています。

 先日(2/27)承認された第4次観光基本計画は厳しい課題認識の下に57のプロジェクト計画を定めていますが、予算措置として最も大切な観光に関わる海岸線の美化事業について私は従来からいろいろと言ってきましたが、どれをとってもまだまだ不充分であります。新しい取組もいろいろ出されておりますが、足元をしっかり固めることを疎かにしてはなりません。海岸線にかかわる問題は漁港関係が海業水産課、ゴミ回収関係が生活環境課、海水浴場・観光施設が観光振興課、松枯れ対策は農林整備課、国道の草刈りは府の管理下、担当部署がいくつにも分かれ、市の管理と府の管理も錯綜しています。どこで何がやられているのか、非常に分かりにくい予算の立て付けとなっていて課題であると感じています。

 本市の脱炭素ロードマップが完成し、2030年には本市のCO2排出量を半減するという目標が掲げられていますが、この予算案の中からは「みんなでやるぞ」という意気込みはあまり感じられません。多くの市民が積極的かつ主体的に再エネ・省エネに関わろうというにはとても不充分な内容と言わざるを得ません(再エネ補助金は350万円から400万円へと僅か)。今後国へ働きかけて6月定例会へ相当額の補正をということを聞いていますが、必ず実現して市民の目に見える市の姿勢を示していただきたい。

 ゼロカーボンの基盤となる森林整備・保全の取り組みは、森林環境譲与税という財源も確保され徐々に拡大してきております(市行造林1100万、森林環境整備4400万など)が、森林組合の人手不足などで事業があっても人がいなくてできないという状況になってきていると聞きます。ゼロカーボンの視点から森林環境整備を正面から取り上げ、人材確保に努め自伐林業の育成なども含め拡大していっていただきたい。

 移住定住促進事業、地域作り支援事業なども大いに気になる所です。詳細までは述べませんが、こういった事業はとにかく地域ごとにしっかりと住民や当事者の声を聞いて、それぞれの地域の長所短所の診断・分析を住民と共に行い、未来を見据えてやっていただきたい。

 各分野の事業の内部までしっかりとチェックするには全く不充分ですが、今後も事業、施策のゆくえをしっかりと監視していきたいと思っております。 以上、永井の意見といたします。 ※1560字、約6分。

③ 議案第36号令和5年度京丹後市市民太陽光発電所事業特別会計予算について

 H26年(2014)より行われている本市の太陽光発電事業のR5年度予算で、総額6100万円(前年度4700万円)となっております。

 現在の4つの太陽光発電所の総出力は1089kW、R3年度実績での総発電量は約116万kWh、FIT制度による売電収入は約4550万円(計算では1kWh当たり39円)、管理費と消費税で約1200万円ということで、この差額3350万円の利益であり、その中から2700万円が公債費、借金の支払いに充てられ、500万円が基金の積み立てになるということです。因みに市債残高はR4年度末で2億3645万4千円、基金の積立はR4度末額1億2524万円。このような基本構造の事業となっています。

 このR5年度予算では昨年より施設管理費が多い(R4、931万円→R5、2234万円)のが気になりますが、基本的にこれまでと同様の予算が組まれていると考えます。

 この事業が順調に続けば10年で市債は0、積立は1億8000万円。20年のFIT料金期間が終了して料金が安くなっても(10円で1160万円)施設に支障がなければ、自走しながら、毎年330世帯分(1.2%)の再エネを継続し、480tのCO2削減を行っていけるということになろうかと思います。

 現在市が構想している「地域新電力」の基点になる事業であろうと私は考えています。FIT期間の20年(2034)を過ぎてもより長く発電を継続していけるようしっかりとR5年度も管理をして今後の再エネ拡大のベースとなって行ってほしい、そのように考えています。 以上です。 ※600字、約3分。

23/4/4(火)朝

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